
「At this moment, you should be with us.」
その一言から始まる約23分。舞台はアラスカ。青空、完璧な雪、そして止まらないエネルギー。Quiksilverが放つ最新スノーフィルム『SCORED』は、単なるパウダー映像ではない。仲間との信頼、徹底した安全確認、そして“今この瞬間”を全力で滑る姿を凝縮した作品だ。
昨年4月、アラスカに集結したのは、Travis Rice、Sammy Carlson、Werni Stock、Miles Fallonの4人。ベテラン2人と初挑戦の2人という構成が生む絶妙なバランス。1週間続いたのは、トラビスが“Chugach magic(風の影響を受けていない安定したディープパウダー)”と呼んだ理想的なコンディションだった。
映像序盤では、雪崩リスクを慎重にチェックするシーンが映し出される。「no propagation results」という言葉からもわかるように、極上のパウダーの裏側には冷静な判断と準備がある。ドローンが上がり、「5,4,3,2,1, Dropping.」のカウントダウン。静寂の尾根から一気にラインへ飛び込む瞬間の緊張感が、画面越しに伝わってくる。
作品全体を貫くキーワードは「Heat」。巨大なスパイン、フルスピードのビッグエア、地形を活かしたパワースラッシュ。一本ごとに仲間たちが叫ぶ「That was sick」「That was massive」という声が、そのスケールを物語る。初めて“legit spine”に挑む場面では、無線で「I got eyes on him」と確認し合うなど、チームとしての信頼関係が際立つ。アラスカというフィールドでは、個の強さだけでなく“仲間と滑る力”が問われるのだ。
さらに本作を特別なものにしているのが、アートディレクションを手がけたDavid Carsonの存在。独特なテンポとビジュアルセンスが、ライディングの迫力をより際立たせる。ハードなセッションの合間に差し込まれる笑い声や何気ない会話も、このフィルムの大切な要素だ。「Best snow. Seriously.」「We love your vibe.」といった言葉からは、勝ち負けではなく“共有する体験”そのものの価値が伝わってくる。
後半にかけてライディングはさらに加速。より大きく、より速く、より深く。仲間を称え合いながら限界を押し上げていく姿は、まさに自然と一体化したセッションの理想形と言えるだろう。
『SCORED』は、ただのスノーボード、スキー映像ではない。自然への敬意、仲間への信頼、そして一本のラインにすべてを懸ける覚悟。その熱量が23分間に詰め込まれている。
まだ観ていないなら、今すぐ再生を。
“Heat”を体感してほしい。
提供:Quiksilver

