
―― 静寂の森で交わされた、雪へのラブレター
カナダの深い森の奥。
音は消え、冷たいスモークのような雪だけが空間を満たす。
そこに静かに現れるのが、“ピロー”と呼ばれる柔らかな雪の造形だ。
フランス人ライダー Victor Daviet が公開した最新映像「Chasing the promised land of pillows : Canada」 は、スピードやトリックを競う映像とは一線を画す、きわめて内省的で詩的な作品である。
計画しない。感じるだけのライディング
この映像に、明確なラインプランはない。
あるのは、森の中に無数に連なる柔らかな起伏と、それに身を委ねるライダーのリズムだけだ。
Soft shapes, endless lines, a rhythm only felt, never planned.
テイクオフは問いであり、ランディングは約束。
Victorは、雪と対話するように、タイミングと忍耐を重ねながら、一つひとつの動きを積み上げていく。
愛したのは「速さ」でも「露出」でもない
この作品が印象的なのは、彼が魅了された理由を明確に言語化している点にある。
それは――
スピードでも、エクスポージャーでもない。
遊び心、バウンス、そして無理をしない流れ。
ピローに飛び込み、跳ね返り、また次へ。
そこには「決めにいく」動作はなく、雪のカーブに従い、力を抜いて流れていく自由だけがある。
トリックではなく、雪を“聴く”という行為
この映像は、完成度や成功を誇示するものではない。
This isn’t about tricks or perfection.
It’s about listening to the snow.
雪の声を聴き、その形をなぞり、手放す。
その繰り返しが、やがて静かな中毒性を生む。
A quiet addiction, a soft obsession.
この言葉こそが、この映像の本質だろう。
Pillow Hoppingという文化
「Pillow Hopping」は、フリーライディングの中でも特に感覚的で、即興性の高い遊び方だ。
Victor Davietのこの作品は、その文化を説明するのではなく、そのまま“体感させる”映像として成立している。
これは、雪への挑戦ではない。
雪へのラブレターだ。
Reminder of some cold Canadian days with 🎥 @finlaywoods & 🎞️ @perly74
Editing & Filming by @finlaywoods

