ストリートに宿る“削ぎ落とし”。「NEKOSOGI」

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余計なものを削ぎ落としながらも、見せるべきところはしっかりと見せる。
「NEKOSOGI」は、そんなバランス感覚が際立つストリート作品だ。

KIYO FILMが手がける本作は、日本のストリートシーンを舞台に、ライダー一人ひとりのスタイルと真摯に向き合っている。RAWなライディングカットや空気感を残した映像が軸にありつつ、オープニングや随所の構成には明確な意図が感じられる。削ぎ落とすだけでは終わらせない、その“作り”が作品全体に一本筋を通している。

フィーチャーされているのは、小川凌輝、戸田真人、鈴木冬生、米野舜士の4名。それぞれアプローチは異なるが、共通しているのはスポットとの距離感だ。トリックの数や派手さに頼らず、スピード、ライン、入り方で成立させる滑りが強く印象に残る。

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雪の質、光の入り方、街の静けさ。
そうした要素は過剰に説明されることなく、映像の中に自然に置かれている。ストリートという環境の厳しさと、その中で生まれる一瞬の完成度が、淡々と、しかし確実に伝わってくる。

今季、日本人クルーによるストリート作品の中でも、間違いなく最高峰の一本ではないだろうか。
「NEKOSOGI」は、ストリートスノーボーディングにおける“引き算”の価値を、静かに、そして力強く提示している。

film by
KIYOMASA KAWASAKI

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