米コロラドでスキー場側が「免責同意書の効力が揺らぐ」判決 日本への影響は?

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米国コロラド州で、スキー場が長年利用してきた「免責同意書(Liability Waiver)」の効力を大きく揺るがす判決が相次いでいる。
海外、とくに北米で滑る日本人スキーヤー、スノーボーダーにとっても無関係とは言えない動きだ。

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免責同意書は「万能」ではないという司法判断

コロラド州最高裁は、スキー場利用時に署名させる免責同意書について、スキー場側が州法や安全規則を守っていない場合、その同意書は責任逃れの盾にはならないという判断を示した。

これまで北米のスキー場では、リフト券やシーズンパス購入時に免責同意書へ同意することで、事故やケガに関する責任の大半が利用者側にあると整理されてきた。しかし今回の判断は、その前提に明確な制限を加えるものである 。

(以下、そのことを伝えるコロラドのTVニュース)
https://youtu.be/LU2TfH5H5WE?si=_SWO9klTAIwTevST

クレステッドビュートのリフト事故が象徴的事例に

この流れを決定的に印象づけたのが、コロラド州クレステッドビュートで起きたスキーリフト事故である。
10代の利用者がリフトから落下し重度の障害を負ったこの事故で、陪審はスキー場側の安全管理に問題があったと判断。結果として、約2,100万ドルという高額な賠償評決が下された。

注目すべき点は、被害者が事前に免責同意書へ署名していたにもかかわらず、スキー場側の責任が認められたことである。この判断は、免責同意書があっても、安全基準違反があれば責任を問われることを明確に示した 。

利用者側の責任が消えるわけではない

一方で、この判決は「スキーヤー・スノーボーダーが守られるようになった」という単純な話ではない。
現地弁護士の解説によれば、

  • 衝突事故では、原則として下方の滑走者に対する注意義務は上方滑走者にある
  • 事故が起きた場合、現場を離れずスキーパトロールを待つ義務がある
  • 個人賠償責任保険や住宅保険が事故をカバーするケースも多い

といった基本原則は今も変わらない。免責同意書の効力が揺らいでも、利用者の責任が軽くなるわけではない点は重要である。

日本への影響はあるのか?

今回の判決は、あくまで米国コロラド州の州法と司法判断に基づくものであり、日本のスキー場にそのまま適用されるものではない。
ただし、次の点は注視すべきだろう。

  • 日本のスキー場でも、チケット購入時の注意事項や免責条項は存在する
  • 安全管理義務を怠った場合、免責の有効性が争点になる可能性は常にある
  • 海外判例が、日本国内での安全配慮義務の議論に影響を与える可能性は否定できない

特に、インバウンド増加に伴い、日本のスキー場も国際的な安全基準を意識せざるを得ない状況にある。北米での判例は、業界全体の安全意識を引き上げる材料になる可能性がある 。

日本人スキーヤー・スノーボーダーが考えるべきこと

今回のニュースから、日本人が得るべき示唆は明確である。

  • 免責同意書に署名していても、すべてが自己責任になるわけではない
  • ただし、事故防止とルール遵守は依然として利用者の重要な責務である
  • 海外で滑る場合、十分な保険加入と、事故時の正しい対応知識は不可欠である

免責同意書の「絶対性」が見直されつつある今、スキー場側の責任と利用者側の責任、その境界線が改めて問われているようだ。

記事ソース一覧:

  1. https://www.denver7.com/news/mountains/21-million-verdict-reshapes-ski-resort-liability-as-holiday-rush-approaches Denver 7 Colorado News (KMGH)
  2. https://coloradosun.com/2025/12/11/liability-waivers-colorado-supreme-court/ The Colorado Sun
  3. https://idahobusinessreview.com/2025/09/05/21m-verdict-vail-resorts-ski-lift-liability/ Idaho Business Review

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