
スノーボードブランド YES Snowboards が、長年所属していた Nideckerグループ から独立を果たした。
このニュースは2025年10月、ヨーロッパの業界メディア Boardsport Source によるインタビュー「YES Goes Solo!」で明らかにされたものである。
創設者である Romain De Marchi(ロマン・ド・マルシ)、JP Solberg(JP・ソルバーグ)、DCP(David Carrier Porcheron) の3名が改めて経営の舵を握り、YESは独自の道を歩む新たなフェーズへと突入した。
■ Nideckerグループの一員としての発展
YESは2009年、Burtonから離れた3人のプロライダーが立ち上げたブランドで、
「By Riders For Riders(ライダーによるライダーのための)」というスノーボードカルチャーの原点を掲げてスタートした。
ブランド初期から革新的なボードデザインやストーリーテリングで注目を集め、
その後、Nideckerグループ の傘下に入り、Jones Snowboards や NOW Bindings と並ぶ存在として国際的な流通網を拡大していった。
■ ロブスターやNOWとの関係
近年では、同じNideckerグループ内での再編が進み、
2024年には NOW Bindings、そして Halldor & Eiki Helgason 兄弟による Lobster Snowboards の両ブランドをYESが統合。
この動きは、グループ内でライダー主導型ブランドを強化する狙いがあったとされている。
そのため、今回のYES単独化は、既存ブランドの運営体制にも影響を与える可能性があり、
「YESがこのままNOWやLobsterの精神やスタイルを引き継ぐのか」という点に、業界関係者の注目が集まっている。
■ 新しいYESの未来
Boardsport Sourceのインタビューによると、YESは引き続き現在の製造パートナーやチーム体制を維持しつつ、
よりライダー視点の製品開発とブランドストーリーに集中していく方針だという。
長年のNideckerとの協力関係に感謝しつつも、
自分たちの理想とする“本来のYESらしさ”を取り戻す決断をしたと創設者たちは語っている。
■ スノーボード業界への影響
YESの独立は、グローバルなボード業界の中でも象徴的な出来事である。
大手グループの支援を離れ、再びライダー主導の独立ブランドとして舵を切る動きは、
スノーボードカルチャーの原点回帰を感じさせる。
創業から15年、YESは再び“挑戦するブランド”として、次の冬を迎える。
出典
Boardsport Source: “YES Goes Solo! Interview with the Management Team”