
Dave Sypniewski(ダブ・シプニェフスキ)が語る、マーケティングとカルチャーのバランス
出典:The Bomb Hole Podcast https://www.youtube.com/@TheBombHole
スノーボードは、そもそも反体制的で自由を愛するカルチャーとして発展してきた。商業主義やルールに縛られず、自分のスタイルを貫くという精神。それこそがスノーボードの魅力だ。
一方で、現代のスノーボード業界には多くの企業やブランドが関わり、資本が流れ込んでいる。トップライダーにはスポンサーが付き、映像作品やイベントには多額の予算が動く。こうした資本主義と、自由を尊ぶスノーボード精神は、果たして矛盾しないのだろうか?
このテーマについて深く語ったのが、The Bomb Hole Podcastチャンネル最新動画『Dave Sypniewski Explains How Capitalism And Snowboarding Mix』だ。
スノーボードブランド「Shinesty(シャイネスティ)」の創設者 Dave Sypniewski(デイブ・シプニェフスキ) は解説する。
「売れること」が悪なのか?
デイブは、まずこんな問いを投げかけます。
「俺たちはどうやって“魂を売らずに”資金を得るか?」
つまり、「売れる」ことがカルチャーの破壊につながるのではないか、という根源的な問題です。
しかし彼の答えは明快です。
「反体制であることは、何かに反対するための手段であって、目的ではない。」
つまり、スノーボードの反骨精神は“手段”であり、「どう生きたいか」「どう表現したいか」を実現するためのものだということ。そこに本物の思いやメッセージがあるなら、たとえ大きな企業から資金を得ていても問題ないと彼は語ります。
「本物」であることの重要性
デイブは、資本主義社会の中でも「本物であること(authenticity)」が最も重要だと繰り返します。
彼の例え話では、「もし君が本気で自分の思いを伝えていて、それが人の共感を呼び、結果として大きな企業が支援してくれるなら、それはむしろ良いことだ」と言います。
「俺たちは、スノーボードの“スピリット”を失わない限り、スポンサーからお金をもらってもいい。」
企業との付き合い方とは?
とはいえ、すべてのスポンサーが「理解ある」わけではありません。だからこそ、ブランドやライダー側にも「選ぶ力」が求められるとデイブは言います。
・その企業は、自分たちの価値観を理解してくれるか?
・マーケティングで“自分らしさ”を犠牲にする必要はないか?
そうした問いを持ち続けながら、相手との関係性を構築することが大事だと強調します。
「俺たちがマーケティングを使うんだ」
さらに印象的だったのは、マーケティングについての考え方です。
「マーケティングに“使われる”のではなく、自分たちがマーケティングを“使う”のだ。」
スノーボードの価値観や文化を広めるために、あえてマーケティングや広告の力を利用する。その結果として、資金が集まり、次の世代へカルチャーを継承する道ができる。デイブはそう考えています。
まとめ:資本主義とスノーボードは共存できるか?
Dave Sypniewskiは、資本主義とスノーボードの関係について、こう結論づけます。
「お金を得ること=悪」ではない
本物であることを貫けば、スポンサーと共に歩むことは可能
自分たちの価値観を失わずに、資本を活用するべき
マーケティングを“武器”として使え
つまり、自分たちの“魂”を売らずに資本主義の力を使うことは可能だというのが、彼のメッセージです。
スノーボードの未来をつくる上で、避けては通れない「資本」との関係。あなたは、どう向き合いますか?