X Games CEOがAIジャッジング企業「Owl AI」を発表!スノーボードの判定にも革命か?

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X GamesのCEOであるジェレミー・ブルームが、AI判定をスポーツ界に導入する新企業「Owl AI(オウル・エーアイ)」の立ち上げを発表した。目指すのは、スポーツ判定における人為的ミスの排除と、より公平で正確な競技体験の提供である。

この構想の背景には、2024年12月に行われたX Gamesアスペン大会での実験がある。ブルームはGoogle共同創業者のセルゲイ・ブリンとともに、AIジャッジ「The Owl(ザ・オウル)」を開発。スーパーパイプ競技において、従来の人間の審査員と並行して、このAIジャッジが導入された。

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最終的な判定は人間が下したが、X Gamesの公式SNSでは「Owlの結果は印象的だった」と報告されている。人間の審査よりも高得点をつける傾向があったものの、表彰台に上がる選手を正確に予測したという。そのことをPowder Magazineが詳しく報じている。

https://www.powder.com/news/x-games-ai-judge-jeremy-bloom

現在、「Owl AI」は1,100万ドル(約16億円)のシード資金を獲得し、本格的に始動。元Google CloudのAI部門責任者であるジョシュ・グワイザーがCEOに就任し、ブルームはエグゼクティブ・チェアマンとして指揮をとる。

ブルームはプレスリリースで次のように述べている。
「アスペンでThe Owlを導入した際のミッションは明確だった。AIの力で、スポーツの判定、体験、理解の方法を現代化し、進化させることだ。予想以上に、アスリートやリーグ関係者を含む多くのステークホルダーが熱狂し、我々が大きな可能性を掴んだことが明らかになった」

元NFL選手でオリンピックのモーグルスキーヤーでもあるブルームは、今後について「ジョシュの専門知識と、私の“アスリート・ファースト”のビジョンが融合することで、公平性、没入感、そして競技の未来を再定義できる」と語っている。

Owl AIはすでに他競技への展開も進めており、今後は判定支援にとどまらず、コーチング、スポーツベッティング、放送といった分野への応用も視野に入れている。さらには、「グローバルなストーリーテリング・エンジン」として、多言語による自動解説機能の開発にも取り組んでいるという。

ただし、技術の進化に対する懸念も少なくない。X GamesのSNS投稿には、「X Gamesのジャッジはアスリートと同じくらい文化に不可欠な存在だ」といった声が寄せられ、AIによる人間ジャッジの排除を危惧するコメントが多数見られた。

こうした声に対し、X Games側は「今回の実験は、決して人間ジャッジの代替を目的としたものではない」と明言。ブルーム自身も、「審判やジャッジを置き換えるのではなく、正しい判定を支援するツールとして活用したい」とフォーブス誌のインタビューで述べている。

スノーボードやフリースキーなど、採点競技において常に議論の的となる「判定の公平性」というテーマに、AIがどのような影響を与えるのか。Owl AIの動向は、今後の競技シーンにおいて大きな注目を集めることになりそうだ。

以下は、試験的にAIジャッジが導入されたXゲームズの大会映像。

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