カナダBC州サンピークス・スキー場が18万ドルを投じて新たな雪の保存技術を導入

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ブリティッシュコロンビア州のサンピークス・リゾートが、約18万ドル(カナダドル)を投じて革新的な雪の保存技術を導入した。導入されたのは、フィンランドの企業「Snow Secure」が開発した断熱ブランケットで、春に収集した雪を夏を通して保存し、秋に再利用するというもの。

全長約300フィート(約91メートル)に及ぶマットで雪を覆い、風や日射から守ることで融雪を防ぐ。保存された雪は、秋に開放され、ナンシー・グリーン・インターナショナル・レースセンター内の「OSVラン」にて、シーズン序盤のトレーニングに使用される予定である。

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この技術によって、スキーやスノーボードの選手たちは、わざわざヨーロッパまで足を運ばずとも、カナダ国内で早期の雪上トレーニングが可能となる。スキークロスのカナダ代表選手ユアン・カリーは「これでより早くシーズンインできる。移動費も抑えられ、雪上での時間が増えれば勝利にもつながる」とコメントしている。

特に朗報と言えるのが、かねてより世界のトップレベルにいたカナダのスノーボードクロス(SBX)競技者たちにとってである。初雪を待たずして国内で滑走練習ができるという環境は、選手層の厚みを増し、ジュニアからトップカテゴリーまでのレベルアップに直結するはずだ。今後、さらにクロス競技の発展が期待される。

なお、CBCの気象学者ジョアンナ・ワグスタッフによれば、気候変動の影響により2035年までに積雪量が最大40%減少する可能性もあるという。限られた冬の雪を有効活用し、シーズンを長く保つこのような雪の保存技術は、ウィンタースポーツ全体にとっても大きな意味を持つと言えるだろう。

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