
春の終わりに突然やってきたパウダースウェル。
このチャンスを逃すわけにはいかないとばかりに、トースタイン・ホグモがカメラを回し、ボードを履き、バックカントリーへと駆け出していった。
今回公開された動画『SWELL』では、予期せぬ降雪によって舞い戻ってきた冬の楽園で、トースタインが即興セッションを展開。もともとはCapita/Unionのクルー(ケビン・ノーラン、ブランドン・コカード、マイルズ・ファロン)との撮影を予定していたが、彼らがユタにとどまることになったため、代わりに“Stoke Champion”ことグレッグとともに、1日でいくつものスポットを攻めるプランに変更。
事前に自らの手でいくつかのジャンプ台を仕込んでいたが、現地にはすでに「小さめだけど使えるキッカー」も残されていた。即席でリシェイプしながら、手作り感あふれるセッションが始まる。
動画は、セットアップからライディングまでの様子をリアルな音と映像で綴っており、トースタインらしいナチュラルでリラックスした空気感が終始漂っている。途中、「Heat! Heat!」の掛け声とともに次々と繰り出されるジャンプの数々は、即興とは思えないほどの完成度。
特筆すべきは、スポットの“薄い部分”を読み解きながら地形を活かしていくアプローチや、「stiffy」「creme brulee grab」など、ちょっとふざけたネーミングで遊び心を忘れない姿勢。そのすべてが“今この瞬間を滑りたい”というスノーボーダーのピュアな欲求をそのまま映像にしたような一作に仕上がっている。
ラストのロングランと陽光に包まれたパウダーは、まさに春のギフト。
「ただ楽しむ、それが一番」――そんなメッセージが込められた、ソースタインの最新ムービーをぜひチェックしてみてほしい。
EddiBell Music