W杯ハーフパイプ第3戦 優勝はスコッティ・ジェームス、平野流佳2位、平野歩夢3位

広告 five  

スノーボードのワールドカップ(W杯)は1月18日、スイスのラークスでハーフパイプ第3戦の決勝が行われた。男子では、昨季種目別王者の平野流佳が93.75点を記録して2位に入った。北京冬季五輪金メダリストで前大会優勝者の平野歩夢は、2大会連続優勝が期待されたが、87.00点で3位に終わった。

優勝は、長年日本勢の強力なライバルとして君臨するスコッティ・ジェームス(オーストラリア)。彼は95.75点を叩き出し、通算10勝目を飾った。

広告

その他、日本男子では戸塚優斗が4位、重野秀一郎が5位、山田琉聖が9位となった。

女子では、五輪2連覇のクロエ・キム(アメリカ)が96.50点という圧倒的な得点で優勝を飾った。日本勢では、昨季種目別女王の小野光希が4位、15歳の工藤璃星が5位、北京五輪銅メダリストの冨田せなが6位、前大会優勝者の清水さらが7位に入った。

スコッティ・ジェームスがLAAX OPENで4度目の優勝

やはりこの男にとって、LAAX OPENは相性が良いようだ。
欧州最高峰の大会であるこのハーフパイプ競技は、かつて「ユーロオープン」と呼ばれ、世界最高峰のパイプライダーを決める伝統的な大会として知られる。現在では、US OPENが廃止されたことにより、最も歴史あるハーフパイプ大会となっている。

その伝統ある大会で優勝を果たしたのは、やはり日本勢にとって大きな壁であるスコッティ・ジェームス(30歳)。今回の勝利で、ラークスでの優勝は実に4度目となった。

スコッティの勝利を決めたのは、2本目のランだった。特大のスイッチマックツイスト(スイッチジャパン)からルーティンをスタートさせると、キャブトリプルコーク1440(トラックドライバー)、フロントサイドダブルコーク1260(ステールフィッシュ)、バックサイドダブルコーク1080(ステールフィッシュ)、そしてスイッチバックサイドダブルコーク1260(インディ)を次々に決めた。クリーンな着地とハイエアを連発した結果、95.75ポイントを獲得し、記念すべきキャリア通算10勝目となるW杯優勝を果たした。

2位に入った平野流佳は、1本目でスイッチバックサイド・ダブルコーク1080から入り、バックサイド・ダブルコーク1260ウェドル、フロントサイド・ダブルコーク1440インディを決めた。さらに、キャブ・トリプルコーク1440トラックドライバーで進化した姿を披露すると、最後はフロントサイド・ダブルコーク1260インディでフィニッシュ。このランでいきなりトップに立ち、今大会男子ハーフパイプのレベルを一気に引き上げることに成功した。

前大会Vで2戦連続優勝の期待が掛かった平野歩夢は1本目、フロントサイド・トリプルコーク1440トラックドライバーから入り、キャブダブルコーク1440ウェドル、フロントサイド・ダブルコーク1260インディ、バックサイド・ダブルコーク1260ウェドル、フロントサイド・ダブルコーク1440テールグラブというお馴染みのルーティーン。やや乱れた部分もあり、得点は87.00ポイントに留まった。
この後も逆転を狙って果敢に攻めるが、キャブダブルコーク1440の着地でバランスを崩すなど、順位を上げることはできなかった。

W杯スイス/ラークス大会 男子ハーフパイプ3戦目結果

1位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
2位 平野流佳(日本)
3位 平野歩夢(日本)
4位 戸塚優斗(日本)
5位 重野秀一郎(日本)
6位 アイヴス・メルヴィル・キャンベル(ニュージーランド)
7位 チェイス・ジョージー(アメリカ)
8位 パトリック・バーグナー(スイス)
9位 山田琉聖(日本)
10位 アレッサンドロ・バルビエリ(アメリカ)
11位 王梓陽(中国)
12位 イ・チェウン(韓国)
— 以上、決勝進出 —
13位 村上広乃輔(日本)
45位 菊地原小弥汰(日本)

クロエ・キムが女子初!スイッチフロントサイドダブルコーク1080を決めて優勝!!

オリンピック2連覇を果たし、女子ハーフパイプ競技の絶対的女王とも称されるクロエ・キム(24歳)が、またしても歴史の1ページを刻んだ。なんと女子では初となるスイッチフロントサイドダブルコーク1080を成功させ、1本目で96.50ポイントを獲得して見事今季W杯初となる優勝を飾った。

クロエにとって、今回の勝利は2017年、2019年、2021年、2022年に続き、ラークスでのハーフパイプ大会で通算5回目のW杯優勝となる。

「この結果は私にとってとても大きな意味があります。練習で本当に苦労していたので、キャブダブルを披露できて本当に嬉しいです」とキムは語った。
「今回は純粋に楽しむために滑りたいと思った最初の大会でした。楽しいと感じることをやるのはとても報われます。」

プレッシャーと戦いながらも、オリンピックの合間にしっかりと休息を取ってきたクロエだが、今大会では「楽しむ」ことに集中した結果、素晴らしい成果を得たようだ。

参考:Chloe Kim claims fifth Laax Open title as Scotty James goes back-to-back for his fourth
https://www.fis-ski.com/snowboard-park-and-pipe/news/2024-25/chloe-kim-claims-fifth-laax-open-title-as-scotty-james-goes-back-to-back-for-his-fourth

©Christian Stadler/Laax Open

さらに歴史を作ったのは、同じアメリカのライダー、マディ・マストロだった。彼女は2本目のランで、自身のシグネチャームーブであるダブルクリプラーとフロントサイドダブルコーク1080を成功させ、94.50ポイントを獲得して2位に輝いた。
このランにより、マストロは1つのランで2つのダブルインバートを成功させた初の女性であると同時に、競技でフロントサイドダブルコーク1080を成功させた初の女性となった。

女子の3位には、韓国の16歳の新星チェ・カオンが輝いた。彼女は2024年に同じハーフパイプで負ったシーズン終了となる怪我から復帰し、見事に表彰台を獲得した。

日本勢も健闘し出場した4選手がすべて決勝へ進んだが、残念ながら表彰台を逃し最高位は4位の小野光希。

W杯スイス/ラークス大会 女子ハーフパイプ3戦目結果

1位 クロエ・キム(アメリカ)
2位 マディ・マストロ(アメリカ)
3位 チェ・カオン(韓国)
4位 小野光希(日本)
5位 工藤璃星(日本)
6位 冨田せな(日本)
7位 清水さら(日本)
8位 ケラルト・カステリェト(スペイン)

2024-25 FIS WORLD CUP ハーフパイプ日程、結果

開催日開催場所男女優勝者
1戦目12月6日~12月8日中国(シークレットガーデン)戸塚優斗(日本)/マディ・マストロ(アメリカ)
2戦目12月18日~12月20日アメリカ(カッパー)平野歩夢(日本)/清水さら
3戦目1月15日~1月18日 スイス(ラークス)スコッティ・ジェームス(オーストラリア)/クロエ・キム(アメリカ)
4戦目1月30日~2月6日アメリカ(アスペン)
5戦目2月19日~2月23日カナダ(カルガリー)

広告