バートン・スノーボードが厳しい市場を踏まえて一部従業員を解雇

Screenshot
広告 five  

バーモント州に本社を置くバートン・スノーボード社が、厳しい市場を踏まえて一部従業員のレイオフを発表した。
記事元は、アメリカ合衆国の三大ネットワークのひとつNBC。記事タイトル:Vermont-based Burton Snowboards announces layoffs this week(5月16日付)
https://www.mynbc5.com/article/vermont-burton-snowboards-layoffs/60814147
(※この記事を元にいくつかのサイトがこのニュースを伝えており、私はこのニュースを拡散されて来た記事から知った)

記事によると、バートンは現在の厳しい市場と無縁ではなく、①強力な競争、②気候変動、③スノーボードへの参加者の横ばいという課題に直面していることから、従業員にEメールでレイオフを伝えたとのことだ。

たしかに、23-24シーズンはスノー市場にとって最もタフなものだった。日本に住んでいるスノーボーダーの方は、その実感が強いだろう。シーズンインの時には雪が少なかったし、普段ならシーズンピーク時にあったはずの積雪量に達しない地域が多かった。
一方で、3月くらいから降雪は増えていったが、最もスノー商品を売れる時期に雪不足だったことにより、シーズンを通しての客足は遠のいた。
加えて日本は、円安によりモノの価格が上昇中。アメリカでも同様にインフレは続いており、その影響で売り上げが落ちたようだ。

広告

私が住むカナダのウィスラーでも、日本と同じような状況だった。つまり、シーズンインは雪が少なく、3月からの降雪量が増えたが、結果的に市場にはスノーボードが売れないシーズンだったのだ。スノーボードショップに足を運べば、どれだけ商品が余っているのか実感できる。余った商品は、おそらくシーズンイン前の今秋に、型落ちボードとして安く売られることだろう。
日本だけではなく、北米も含めて世界的に「ボードが売れないシーズン」だった。

バートンのボード用品の販売数は、他のブランドを圧倒しているリーディングカンパニーだ。スノー市場の中でも最も巨体な存在だけに、そんな深刻な市場状況をモロに食らってしまったのかもしれない。

しかし、バートンはリーマンショック時など、これまでいくつかの困難を乗り越えて来た。レイオフは、リストラとは違って再雇用を意味するので、また業績が上がれば従業員は戻って来るのだろう。アメリカは日本よりもずっとレイオフや再雇用が頻繁で、会社が乗り切るための処置としてカジュアルなものとされている。
中国では、どんどんスノーボード人口が増えているというし、また巨大なインドアスキー場施設も増えていると聞く。地球温暖化などスノーボード市場に抱えている大きな問題はあるが、これからもバートンはリーディングカンパニーとして、スノーボード界をけん引していってほしいと願う。

広告