札幌五輪消滅

(札幌冬季オリ・パラ招致は2034年も厳しい状況を伝えたHTB北海道ニュース)
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4日前、2030年のオリンピックの招致を目指してきた札幌市が、断念するという報道があり、そこで方針を見直し「2034年以降を目指す」ことになったが…、昨日国際オリンピック委員会(IOC)は、2030年と34年の冬季大会の開催地を同時に決定する方針を明らかにした。

札幌市は長年に渡りオリンピック招致を活動し続けて来たが、東京大会の汚職事件などを受けて30年大会の招致を断念し、34年大会以降を目指した。 しかし、その方針決定の3日後にはIOCが実質、札幌での34年開催ができないことを通達することとなった。これで札幌五輪消滅だ。

概ね札幌の住民は、「無駄な税金を使わずに済む」ということで、この決定に歓迎ムードもあるようだが、国内でウィンター業界を盛り上げる活動を行っていた人たちには残念な気持ちも漂っている。

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2030年のオリンピック招致では、当初は札幌のライバルにバンクーバー/ウィスラーも挙がっていたが、昨年10月27日、直接費用だけで数十億ドルの開催コストを理由に招致を支持しないと発表した。こちらもその決定は、今回の札幌同様に概ねバンクーバー市民に歓迎されている。

さらにもう1つの有力候補であったアメリカのソルトレイクシティは、同国内では2028年にロサンゼルスにて夏季オリンピックが開催されることから、2034年開催が望ましいとする意見も出ていた。従って2034年開催意向だったが、今回、IOCの「30年、34年同時開催」という方針で、一気に第一候補となった感がある。その他にもまだ2030年、34年の五輪開催候補地はあるのだが、なんとなくムードはソルトレイクシティ開催へ…!?

確かにオリンピックはお金を食う。しかし、ソルトレイクシティはすでに20年ほど前にすでに開催したレガシーが残っており、さらにこれまでの1回だけではなく、2回も開催できるとあれば、大きいメリットがありそうだ。

ご存じのように、オリンピックには巨額なアメリカの放送権料が絡んでいるため、もしソルトレイクシティに決定となれば、何かそのへんのお金で動いてしまった「30年+34年同時開催決定」と勘繰ってしまいそう。

結果論かもしれないが、コロナ禍の中、東京オリンピックが開催され、その背景には汚職や談合事件があった。札幌の方は招致活動に翻弄にされただけで、日本は最終的に貧乏くじを引かされたような恰好になってしまった。誰にこの憤りをぶつけて良いのやら…。来年パリでたくさんの観衆の中、盛り上がったオリンピックを見せられた時、我々は失ったものにジャラシーを抱くのかもしれない。


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