野沢温泉に外資80億円投資、景観損ねる懸念も

出典:野沢温泉ビューホテル
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野沢温泉スキー場に外資系企業が80億円を投じ、海外富裕層向けのリゾートホテルを建設する計画が進行中である。しかし、この開発が温泉街の景観を損なうのではないかという懸念が地元住民の間で広がっている。

開発計画の詳細

長野県野沢温泉村の中心部に、英国本社を持つIHGホテルズ&リゾーツが運営するリゾートホテル「ホテルインディゴ」の建設計画が計画されている。この計画は、東京の不動産投資会社が出資を募り実施されるもので、総投資額は約80億円にのぼる見通しである。ホテルは2027年の開業を目指し、9階建てを含む2棟の客室棟を建設予定で、客室数は約100室に及ぶ。
実現すれば、野沢温泉村では初となる外資系リゾートホテルの進出となる。ただし、9階建ての建物(高さ約36メートル)は温泉街特有の景観を損なう恐れがあり、地元住民からは懸念の声が上がっている。これに対し事業者側は、地域住民の意向を踏まえた計画の再検討を行い、地元説明会で修正案を示す意向を示している。
野沢温泉は総人口が約3,282人の小さな村であるが、その今後の方向性は、今後の住民協議によって決定される見通しである。

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スキーリゾートとしての課題と展望

野沢温泉スキー場では、スキー・スノーボード客の増加に伴い、宿泊施設不足が顕著となっている。そのため、今回の大型リゾートホテル計画は観光需要に対応する狙いがあるとみられる。

一方で、野沢温泉は日本らしい伝統的な文化や景観を色濃く残しており、これが訪日客にも高く評価されているスキーリゾートである。このため、大規模な開発がその雰囲気を壊すことへの懸念が、観光業界や住民の間で高まっている。

北海道のニセコや長野県白馬といった他のスキーリゾートでは、海外からの観光客増加に伴いリゾート化が進む一方で、地域独自の魅力を損なった例も報告されている。野沢温泉が同じ道をたどることのないよう、持続可能で地域に配慮した開発が求められている。

野沢温泉が目指すべき未来

野沢温泉は、スキーリゾートとしての発展と温泉街の風情を守るバランスを取ることが重要である。観光需要を満たしつつも、日本らしい景観と文化を保つことが、国内外からの支持を得る鍵となるだろう。

記事ソース:信濃毎日新聞デジタル
「高層ホテルが林立するようでは…」 訪日客に人気のスキーリゾートに外資系の大規模開発計画浮上 温泉街の魅力が損なわれる…住民に広がる懸念
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