【コラム】来季2020-2021 スノービジネス意外に良い3つの理由

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文:飯田房貴 [email protected]

暖冬で苦しんだスキー・スノーボード産業。
ショップからの来季モデルの受注の時には、追い打ちをかけるようにコロナが襲った。

おそらく、コロナがここまで私たちの経済に影響を及ぼすとは、考えなかったであろう。
僕自身、当初はひじょうに楽観的に考えていた。
しかし、現在、世界で起こっている自粛の流れ、さらには我々を取り巻くスノービジネスの話を聞くと、悲観的な声が多い。思ってもみなかったネガティブな雰囲気が蔓延している。

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果たして、来季2020-2021は、どんなシーズンになるのだろうか? スノービジネスの行く末に心配している人も多いことだろう。

だが、最近起こっている状況を聞くと、必ずしも悪いことだけでなく、むしろ朗報とも言えるニュースも聞こえてくる。
自粛ばかりしておとなしくしていたら、いざ、シーズンを迎えた時に準備が怠り、泡を喰ってしまうのではないか?とも思う。
意外に良いシーズンを迎えるのでは!

その3つの理由をご紹介したい。

理由1テレワークのお陰でスキー場近くでの長期滞在者が増える

ヒントとなったのは、堀江貴文氏と星野リゾート代表として知られる智将、星野佳路氏との会話動画だ。
ここで、星野さんは、むしろコロナ後にとってリゾートはありがたい、という興味深いコメントを残している。

「テレワークで大丈夫なんだとか、いいんだってことが定着してくると、逆にコロナ後のリゾートのマーケットは、すごくありがたいんですよね。」(4.45~のところの発言)

このコメントを聞いて、「なるほど!」と思った。
というのも、ウィスラーのスキー・スノボ客を見ると、実際にテレワークで働いている人が少なくないからだ。

自分がレッスンするお客さん(※スクールに参加してくれる生徒さん)でも、テレワークをしながら、シーズン中、ウィスラーで生活している人もいる。

こういう生き方というのは、カナダ、オーストラリア、香港ではすでにあるようで、僕の生徒さんも、そんな国からやって来る人たちだ。

テレワークが日本にも定着すれば、星野さんが伝えるように、お父さんは週の途中で仕事のために都市部に戻らなくてもよくなり、そのままスキー場に滞在して、スノーボードを楽しむことができるだろう。

残念ながら次のシーズンは、コロナの影響で海外からのスキー客は減るかもしれないが、長期的に考えてもテレワークは新しい生き方を示してくれて、スノービジネスに良い影響を及ぼすように思うのだ。

理由2 感染終息後に高速道路無料化

今回のコロナ騒動で、最も苦労している産業の1つ観光業。
政府は、その手助けとして、感染終息後に高速道路無料化し、観光業を支援することを検討している。

これは、スキー場に行く人にとって大きな手助けとなるだろう。

先のテレワーク話の関係で、これまで週末にしかスノーボードに行けなかった人が、平日にも行けるようになる。
さらに高速道路無料化となれば、一気にスキー場ビジネスが活気しそうだ。

外国人が日本を訪れるインバウンド需要が減ることが予想される中、国内の需要が高まることが大事!
ぜひとも高速道路無料化は、実現してほしいものだ。

さらにもう1つありがたいことは、ガソリン代が急激に下がったこと。
自分も車をよく運転するが、最近のガソリン価格の低下は驚くばかりだ。
きっと車に乗っている人は、これまでのガソリン代とは違った、釣り銭多さに驚いたことだろう。

そんな状況も、よりスキー場に多くの人を運ぶことを手助けしてくれるだろう。

理由3 地球環境クリーン化で長く良いシーズンが期待!

最後に伝えたい理由は、コロナ後の地球環境のクリーン化について。
これは、多くの人が感じているかと思うが、あきらかに空気が良くなっている。
これまで考えられなかったことが、突然起きていることに戸惑うばかりだ。

世界では、これまで都市部では考えられなかった動物がやって来るようになって、驚いているところもある。
自分が住むカナダのウィスラーでも、グリズリーベアが現れたということで地元のニュース騒ぎとなった。ウィスラーには、日本で言うツキノワグマのような小さめなブラックベアーはよく出現するのだが、グリズリーが出るというのは、ひじょうに珍しいこと。

日本の友人たちもフェイスブック上で、「地球がきれいになった」というコメントが増えている。
「この時期にこんなに雪が降った!」とか、「星がきれいになった」という投稿を見ても、急速に環境がよくなったことを思わせる。

経済活動が低下し、明日の家賃も払えないような人が増える中で、喜んでいられるような状況ではない。
しかし、大気汚染が急激になくなり、地球はきれいになったのは確かなようだ。

そうなれば、かつてあった初雪も早い時期も戻されるだろうし、スキー場には、積雪量も期待できる。
さらに、シーズン中はパウダーの日が多くなって、長いシーズンを楽しめる可能性があるだろう。

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このようなことを考えていくと、職業柄しっかりと準備しておかないと、と思う。
自分が扱うスノーボード商材のプロモーション素材も、整理しておきたいと考えている。

辛いことも楽しいことも、突然にして起こるというのが世の常。
準備を怠れば、本来、生まれたいたであろう利益も失ってしまうだろう。
チャンス・ロストにならないように、今から準備しておこう!

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作してきた。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボーダー歴は35年。

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