dmk祭りパート2!inアルツ磐梯(前編)

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Nippon Openで復活の橋本ミッチャンが世界強豪相手に5位! ショーン・ホワイトやアンティ・アウティの美技に酔いしれる。さらには来期Burtonの試乗もあり、お馴染み爆笑バス・ツアーで盛り上がる。さらにマツモトワックス星からの使者も遥々地球の日本国アルツ磐梯までやって来て、まさに祭りだ、祭りだ、dmk祭りだー!
このヘビー級クラスの楽しいキャンプ・レポートを書くのは、もうこの人しかいない! dmkクラブの元祖レポート女王モリッペ様のお通りだ。レポート量9枚でヘビー級キャンプをお伝えするぞ。長いけど、楽しいから大丈夫。一気に読もうぜ、祭りだ、祭りだ、dmk祭りだー!!

Story: Machiko MORIHARA
Photo: Kei KATO


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1年ぶりのカンジ先生の登場!この知らせに胸躍ったキャンパーも多かったハズ。そう今年は我らの飯田フサキがウィスラー・キャンプを開催したおかげで日本に来ない。毎年フサキさんに会うのを楽しみにしているクラブ員はたくさんいるのに、なんてことだ!

だけど今年はその代わりのキャンプを『dmk祭りパート2』として福島アルツ磐梯で開催することになった。なぜアルツか。それは今年のニッポン・オープンがこの地で開催され、dmkに関わりの深い橋本道代 (通称ミッチャン)の出場が決定しているからだ。しかも今回はカンジくんまで参加してくれることになった。

カンジくんについてちょっと説明すると『田島カンジ』は昨年まで Hammerに在籍していたライダーさん。浪人シリーズでもお馴染みの存在。去年の史上最高60名超のハウツーキャンプを開催するに当たり、直前のコーチ依頼にもかかわらず快く手伝ってくれ、初めての大型キャンプで不安と焦りを抱えたスタッフの窮地をサラッと救ってくれたばかりか、その親しみやすいキャラクターでキャンパーの女の子のみならず男の子のハートもしっかりキャッチ!dmkにとってスペシャル大事なコーチの一人。いろんな理由で今回参加できなかった人の中にも「フサキさんは来ないけどカンジくんに会いたいなー」って人、結構いたでしょ(笑)。

そんなわけで今回のdmk祭りはフサキさんはいなくとも「ミッチャンを応援するぞー!そして今年もカンジくんと滑るぞー!」という気合を胸に、雪深~い東北福島へ25名が集結した。

さて今回のキャンプで絶対外せなかったのが貸し切りバス。去年のハウツーキャンプでこのバスの楽しさ (怖さ?)を知った人には、もうコレなしでは考えられないってくらい魅惑的な交通手段なのだ。今年はちょっと人数が少なめだったこともあり乗車地は2ヶ所。東京駅と南浦和駅。南浦和駅ではカンジくんと合流。カンジくんには時間的にかなり厳しい待ち合わせになってしまい申し訳なかったけれど、そのおかげで私とアヤ会長はカンジくんのお父さんにお会いしてしまった。お父さんは駅まで車でカンジくんを送ってきてくれたのだ。私は「お世話になってます!」と挨拶しながら、内心ちょっと…いや、かなり感動。だって尊敬する人の親に会えるってスゴイことでしょ?

南浦和で無事にみんなを乗せ終えたバスは一路磐梯へ。去年は人数の多さに、さまざまな目的地への向かい方があり、その移動を考えただけで微熱を帯びたような空気が漂う前夜だったけれど、今年はほとんどの参加者が同じバスの中にいる。なんだかそのほんのりとした暖かさが、やわらかい毛布に包まれているような不思議な気分だ。

明け方、5時頃に朝食の調達にコンビニに寄ってもらった。こんな自由なことができるのも貸し切りバスのいいところだ。ところが…、入ったコンビニの中におにぎりがない。サンドイッチもない…。売り切れだ。そうかさすがニッポン・オープン、あなどれない。こんなところにも影響が出ていやがる。しかしこんなことで貸し切りバスは負けてはいない。みんなを乗せて隣のコンビニに移動する。
次から次に夜明けのコンビニを渡り歩く「コンビニ強盗団(ムラッチョさん命名)」はまさしくその名のごとく、またもぞろぞろと 20名の大群でコンビニに侵入し、ようやく満足いく量の食料に恵まれた。

今日の宿泊先は『さぎの湯』さん。ご好意で朝早くから各自が宿泊予定の部屋に入れてもらうことができた。おかげで少し仮眠も取ることができた。

朝9時。アルツのリゾート・センター内にあるカフェテリア前に集合。ここで菅野ご一家と都所親子、そして山形から初参加のナオコちゃんと合流だ。都所さん家のコーキくんは13歳。菅野さん家のひなちゃんは8歳だ。コーキくんはサラサラな髪を少し長めに伸ばしたあっさりとした面立ちの美少年(!)で、今回その控えめな態度がお姉さんたちのハートをくすぐりまくっていたようだ。菅野さん家のひなちゃんはすでに北海道キャンプや陸トレでおなじみ。ちなみにどちらのママもかなり美人だと付け加えておきたい。

さて今年のカンジくんは去年のピンクのビーニー姿とは一味違って、全体的にモノクローム・カラーで統一。白、黒、グレーがカモフラ柄っぽくミックスされたビーニーに、ゴーグルは白フレームにクローム・カラーのミラーレンズだ。ウエアは黒一色。そしてグローブはピンク。そこは外さない。やっぱりかなりオシャレさんだ。ビーニーの下の髪の毛も去年の明るい茶髪とはがらりと変わって黒にしている。ちなみに腰には去年プレゼントしたdmk手ぬぐいを忘れずに付けてくれていた。


左)今日、カンジくんといっしょに滑る順番を決めるジャンケン!各チームからの代表者たち
右)向こう側には見事な景色、猪苗代湖。イケイケチームのみんな

クラス分けは3つ。またもアヤ会長のかなり怪しいセンスで勝手に名前が付けられている。
ビシバシチーム マスミ隊長、リュウ補佐官
イケイケチーム ケイ隊長、モリッペ補佐官
オドロキチーム トオル隊長、サコ補佐官

ビシバシって何だ?熱血体育教師みたいだ。イケイケはよくても、オドロキって…。という声にならないみんなの感想があったと思うが、まぁアヤ会長の変な名前付けはdmkではすでに定番だ。去年なんかミノル部長のクラスを捕まえて『フリフリ合コンチーム』と名付けていた。本気で心配になって「これって、なんですか…?」と遠慮がちに質問してきたキャンパーさんは1人や2人じゃないぞ。

一応、今回ビシバシには「容赦なくビシバシ鍛えてOK」、イケイケには「意外とやるぞ。なめちゃイケナイ」、オドロキには「オドロキの新ワザ登場の可能性アリ」とかそういう意味合いはあるらしい。

チームは、ジャンケンで決めた順番でそれぞれカンジくんといっしょに滑ることができる。今回はバートンの来期モデルの試乗会もあるから、それに行きたい気もするしそのつど流動的に動かないと時間配分が難しい。

私が補佐を勤めるイケイケチームは午後一番でカンジくんと合流することになった。それまで、まずは軽く流す意味で長めのクワッドリフトを1~2本、そのあとパークに行きたいという希望からゲレンデを移動してみた。アルツは久しぶりだったが、山が広い。ニッポン・オープンのせいで確実に人出は多く、リフト待ちも発生しているが、上がってしまえば1ゲレンデに対する人口密度はかなりまばらだ。雪質も軽く、林の中には豊富にパウダーが残っていて、ロープ制限もそれほど厳しくないので、思わず林の中に入って行ってしまう。1度入ってしまうと楽しいから、2本目はもっと深くまで行ってしまう。そんな感じでパークを目の前にしながらついつい4本も林の中に入ってしまった。

お昼はゲレンデの中腹にあるレストハウス『プリム・ローズ』でとった。メニューがおもしろく 360セット540セット720セットとあって、内容は360セットで山盛りのフライドポテトと、チョリソーや玉ねぎなどをみじん切りにしてトマトソースで絡めた具をスライスしたフランスパンに挟んだバーガーが付く。それが基本となって540はスープかフライドチキン、720はそれらが全部付くといった具合だ。お値段はセットの名前と同じ額。スープにもペンネのようなパスタが入っていたり、パンのサイズは8歳のひなちゃんの顔が隠れてしまう大きさで、全体のボリュームはかなりある。540でも女の子にはちょっと多過ぎるといった感じだった。

午後、私たちのイケイケチームはカンジくんを独占して、まずはパークへ。自分たちだけではビビっていたパークもカンジくんが「奥のキッカーなら飛びやすいですよ」などと言ってくれると、急に飛べる気になってチャレンジしてみた。カンジくんは手前の大きなキッカーを飛んでいたが、アプローチがゆっくりなのにきちんと回せているのが印象的だった。うーん、きちんと回すということは勢いだけが大事ではないのだな。
そのあとは1本だけハーフ・パイプに入り、クロス・コースがあるというゲレンデに移動した。

クロス・コースは、先日のBXキャンプで利用したさのさかEXPANDクロス・コースに比べると、かなりおとなしいものだった。なだらかなウェーブがひたすら続いているだけで、結局これも1本で終了。そのあとはなんとなくトゥリー・ランへ行きたいという話がまとまり、慣れていない人でも危なくないようにカンジくんがゆっくりエスコートして3本ほど林の中を堪能した。雪も十分ついていたのでとても楽しかったのだが、やはり数人でまとまって入ってしまうと周囲の目を引く。3本目を降りたところでパトロールの人に注意されてしまった。リフト券の裏に赤いペンでチェックを入れられる。ちょっぴり気持ちの底がこすれる。

難しい問題だがスノーボーダーが林の中に入りたがるには、理由がある。整備されたゲレンデではどうしても味わえない、抗いがたい魅力があるからだ。悪いことをしている自分というのに酔って「リフト下」と聞けばどこでも入ってしまうような頭の悪いやつらもいるが、林の中に入る大半の者の理由はそういうことではない。確かに本当にその先に崖があったり、雪崩の危険がある箇所もあって、立ち入り禁止にしている区域もあると思うが、林の中(人工的に整備していない部分)というだけで危険と言われてしまっては、少々辛い部分もある。リフトを使って上がっているからとか、一般的なルールはとか、言い出したらお互いの立場で切りがないこの根の深い問題をこの場で取り上げる気はないが、日本の大部分のゲレンデはもう少しこの問題を多角的に考える必要があって、いつかはこんなトラブルが減ったらいいなぁと思う。

時間的にも次のチームとの交替となり、カンジくんとはレストハウスの前でお別れした。「それじゃ次はバートンの試乗会に行こう」と話しがまとまりセンター前のゲレンデまで戻ると、残念ながら貸し出しの時間は終了してしまっていた。そこで、せっかくだからとニッポン・オープンの男子パーク・スタイルの決勝を観に行こう!と会場に向ったら、今度はそこへ向うリフトの上にいるうちに「風が強いために決勝は中止になりました」と場内アナウンスに言われて、ガックリしてしまった。それでもショーン・ホワイトがサービス・ラン的に1本飛んでくれたのが、リフトの上から小さくだったが見ることができた。

話は少し逸れてしまうが、帰りの集合で表彰台の近くにいて女子パーク・スタイルの表彰式を観ることができた。表彰式には恒例のシャンパン・セレモニーで、あたりにシャンパンの華やかな香りが立ち込める。私にとって初めて生で観る表彰式だったが、このシャンパンの香りとともに流れる凱旋ムードがとても印象的でカッコよかった。TVで観る表彰式では当たり前だが、シャンパンの香りは嗅げない。そのことに気づかずに、知っていたのはシャンパンが飛び散る映像だけだ。もしかしたら他愛ないことなのかもしれないけれど、あの派手な映像よりも本当はこの香りが勝者を祝う意味で大事なのかもしれない。知らなかった世界を一つ知った気がして、晴れやかに微笑む受賞者たちを遠くに眺めながらわずかな時間感慨に浸ってしまった。

宿に帰るとさっそく温泉だ。さぎの湯さんは源泉の温度が48度の天然温泉でかけ流しだ。ゆるゆると静かにお湯が注ぎ込んでいる湯船に浸かると、入った時こそ少し熱めに感じるが入ってしまえばその湯加減は絶妙で、熱くもなく、ぬるくもない。丸い肌触りのお湯はじわっと柔らかく身体を包む。温泉といってもどことなく塩素の匂いがするような温泉が最近にわかに増えてきたが、久しぶりに子供の頃に入ったような昔ながらの温泉らしい温泉だ。

夕食のあとはお楽しみの宴会に突入!今回はカンジくんが頑張ってハザック CCCのプロテクターを協賛として持ってきてくれた。手首とヒップのプロテクターだ。ヒップは今までもdmkのキャンプでプレゼントとして提供されたことはあるが、手首はdmkでは今シーズンからのニューフェイス。まだ持っていない人もたくさんいる。どうやって使うのかもわからない人もいるので、袋から出して一人ひとり実際に着けてみたりしてから、ジャンケンでの争奪戦となった。


左)こちらが本番(!?)宴会のスタートだー!みんなで乾杯っ!!
右) 初参加でヒップ・プロテクターをゲットし、大喜びのナッチャン

 

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