世界の舞台でコーチとして活躍する高石周さんが、スノーボードの上達に関する悩みから、環境の提案など、様々な角度からスノーボーダーの相談に乗ります。
今回は、スピンにおける腹筋のロックについて。今回も興味深いアンサーです。
質問者:おろろ
運動力学の観点から考察された記事、とても参考になりました。
その記事の中で腹筋のロックについて言及されていましたが、イマイチ飲み込めませんでした。
スピンにおいて腹筋のロックとはどの段階でどのようにするものなのでしょうか?
空中に飛び出てから腹筋を使い板を引きつけた姿勢を作ることが腹筋のロックなのでしょうか?
はたまた、腹筋に力を入れたまま腕肩を回転方向に回すことで、上半身で作った回転力を腰に伝わりやすくすることなのでしょうか?
ご教授下さい!よろしくお願いします
自分で過去の記事を読み返してみましたが、確かに分かり難いですね。
腹筋に力を入れるタイミングは、「蹴り終わった直後」です。
感覚的には蹴り終わるまで腹筋(上半身)はリラックスした感じです。
ただし腹筋は常に軽く緊張していないとバランスがとれないので、実質軽い緊張状態になっているはずです。
記事にも書いてあるように、伸張反射は緩んだ筋肉が急に引き伸ばされることで「危ない!切れる!」と筋肉が反射するものですから、できるだけギリギリまでリラックス状態のほうが好ましいわけです。
そしてリップで蹴り(足を伸ばし)ながら体幹を伸ばすように体を捻ります。
蹴り終わって足が引きついてくる、この時が(同時に)腹筋に力を入れるときです。
というよりもここからランディングギリギリまでずっと力を入れておきましょう。
腹筋に力を入れるときの注意点です。
胸を倒すように腹筋に力を入れますが、この胸を入れる方向は必ず回転方向です。FSスピンであれば前足のひざに向かって、BSスピンであれば後ろ足のひざに向かって胸を倒します。一度回転力がついたら、かぶせた上半身はそのまま板の回転に乗っていくように板と一緒に回っていきましょう。
参考までに。
上半身を回しながら腹筋も力が強く入っていると、上半身の回転運動に下半身がそのまま付いてくると思います。そして最初から筋がリラックスしていないので、「筋を伸ばす」という伸張反射の必須条件が作れません。
しかしながらこの伸張反射が回転の絶対的な条件というわけではありません。要するに腰に動力がどれくらい伝わったか?ということが回転の運動量を決めます。
私の書いている考察は、あくまでトップ選手がどのようにパフォーマンスしているかを分析したもので、もっといろいろ新しい方法が出てきても良いのかもしれません。
おろろさんが上記の感覚にしっくり来ない場合もあるでしょう。そのときはぜひおろろさんの感覚を教えてください。私もその感覚を知ることで新たな発見を得られると思いますし。
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