肩の力を抜きたい

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スタイリッシュとは何か?と聞かれれば、プロ・ライダーそれぞれに違う意見を持っているに違いない。だけど、最近、僕が改めてこの言葉を考える時、どれほど肩の力を抜けてリラックスさせ、難しいことを簡単に見せるか?その点にあるのではないか、と思うのだ。

自分が制作に携わったハウツービデオ浪人2には、かなり思いが強く何度もビデオを見てしまう。何度も見れば飽きてしまう部分もあるのだが、些細なフリーランの中に新たな発見を見つけることができるし、またその発見からハウツーとしてのテイストを模索することもあるのだ。その中にあって、一度も見飽きないシーンと言えば、シモン・チェンバリンのシーン。

シモンはジブをやらせたら今では世界一と言われる存在で、まだ新人ながらメジャー雑誌でどんどん出るようになっているホットなライダーだ。そのシモンが、かなり難しいことを意図も簡単にやってみせる。あまりにも肩の力を抜かしてリラックスして簡単そうにやるから、その技が難しいものでないような錯覚に陥るほどだ。そんなシーンを見ているとひじょうにスタイリッシュでカッコいいと思う。

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どんなスポーツでも力まずにリラックスしたような姿は美しく感じる。イチローのスイング、タイガー・ウッズのスイングなども無駄な力が入っていないように感じる。リラックスしていると、脳から体への命令を円滑にし、また体が一番自由に動かせる。だから、どんなスポーツでもトップ選手というのはまるでリラックスしたような姿になる。

実際にどうやったらリラックスできるのか?
様々な方法があるが、一番手っ取り早いのは、自分の滑りをビデオ撮影してもらうこと。そこでいかに自分の体が固く、肩に力が入り過ぎていることを思い知るのでは?
僕もフリーランなんかしている時は、まずまずリラックスしていると思うが、オーリーとかのシーンでは変に後ろの肩に力が入って、最悪の形になるとその手が進行方向に回って来てしまって、無駄な力が入って困ってしまう。ともかく、そういう力んでしまう自分で感じたら、強い意識、つまり「リラックスせよ!」と自分の言い聞かすことが大切だ。

例えば、もしビデオなどで自分がリラックスしていないと自覚したら、今度ジャンプする時には、自分に強く「リラックスせよ!」と言い聞かすことができるだろう。その時にまだ強張って肩に力がどうしても入ってしまうということもあるだろうが、自覚して直し続ける努力をしていけば、必ず直るものだ。

話がやや横道に反れそうだが、自分を変えるというのはひじょうに大変な作業である。まずは自覚して、そこから徐々に変える努力を続けて行けば、気づけば変化した、ということになる。だから、なかなか変わらない自分に出会ってもあきらめずに何度もトライすることが大切。リラックス道は地道な努力で達成できるのだから。

あとリラックスできるための手段として、僕はよく両手を振る。両手を振って、両手に重さをたっぷり掛かるように意識してみる。まるで両手に凄い重い錘がついているように。それでいて、肩に力を抜いて手をダラーンと垂らしてしまう。すると、結構、肩の力が抜ける。また同時に肩の力を抜けると、下半身への力の入れ具合がより鮮明になり、つまりスノーボードで大切な下半身をしっかり使うということができるようになって来る。

このことは今、その場にいながら試せることなので、パソコンに座っている状態から、その場で立ってみて実際に試してもらうといい。かなり下半身が強くなったような意識になるのでは? そう、それがリラックス・ライディングの一歩なのだ。

 

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