直滑降能力

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直滑降というのは、意外に難しいテクニックだと思う。ターンのようにどちらかにエッジがついた状態なら安心できるけど、どちらもエッジがつかない直滑降は難しいと思うのだ。正面を向くスキーではこういったことはないのだけど、横向きのスノーボードの特徴である。

例えば、林間コース(迂回コース)では微妙にエッジングしたり、ボードをフラットにして直滑降したりするが、それがうまくできない人も多い。「林間がコース苦手」という人の多くは、きちんと直滑降ができないものだ。

このことに気づいたのは昨年で、ボックスでの 50-50(注:ボックスの上をただ真っ直ぐに直滑降で滑るだけの技)をクラブ員にやってもらってから。当時は、意外にもできない人がいてビックリしたものだ。

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それ以来、自分のトレーニング、そしてコーチングの中に直滑降能力を鍛えるトレーニングを加えたのである。

まず直滑降するためには、基本姿勢ができていなければならない。
自分で決めたスタンス設定に合わせて立つ。無理に上半身を捻って、前に向けたりしない。なぜなら捻ったとたんにヒールサイド側にエッジングが掛かり、うまく直滑降ができないからだ。もし、そういう姿勢がどうしても取りにくかったら、バインディングの角度を振るといいだろう。例えば、前足 30度、後ろ足9度にすれば、ずいぶんと基本姿勢も前を向く(イラスト参照)。そう基本姿勢とは自然に構えたナチュラル・ポジションであるから、スタンスに合わせた形で乗るべきものなのである。ちなみにこのように振った角度だと、だいたい胸の方向も前足と同じ角度くらい正面を向くので、両手を左右方向に広げることができバランス感覚が上がる。

逆にダックなどの横向きスタンスでは、前の手も後ろの手も横に来ることになり、前の手はノーズの上、後ろの手はテールの上に来るのだ。

この直滑降能力のことは、これから自分が行うスノーボーダー誌のハウツーでも出して行きたいと考えているが、とりあえず直滑降は意外に難しいテクニックであり、またそれを意識した練習も大切だ、ということを知ってほしい、と思う。そうすれば、きっとスノーボーダーとしての技術がまた一歩上に行くことになるから。

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