欧州最高峰専門誌ONBOARD/サム・オータカ

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欧州最高峰専門誌として君臨するONBOARD。
ヨーロッパのスノーボード・シーンでは絶大な影響力を持ち、その勢力はヨーロッパ圏においては、Transworld Snowboarding誌に次ぐと言われている。
欧州ならではのホーム感覚から、自国のメディアを支持する声も高い。

ONBOARD誌は、ドイツのミュンヘンに構えていて、そこから英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語で発行しているインターナショナル・スノーボードマガジンだ。
そのONBOARD誌で現在、最も力を入れている事業は、紙媒体でなくWEBメディアだ。そこで、そのWEBメディアのリーダーというべき存在のサム・オータカ氏に、現在のヨーロッパのスノーボードのシーン、また自身のこれまでの編集ヒストリーを語ってもらった。

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Interview: Fusaki Iida

 
いやあ、サム久しぶり!まさかこんなところで会えるなんて。
僕たちは、以前いっしょにウィスラーでインストラクターをしていて、まさかサムがこんなにこの業界で活躍しているなんて、知らなかったよ。

本当だね。僕は運が良いのかもしれない。まさか、今、僕がドイツで仕事しているなんて、思わなかったよ。


サムは、イギリス人だけどドイツ語の方は大丈夫。こっちで困ることはない?

職場では、みんな英語だから大丈夫。だけど、ドイツ語がうまく話せないので、しばし困ることもあるよ。学生時代は、ドイツ語をちょっと勉強していたんだけどね。

 
だけど、今、ビールをオーダーしていた姿、堂に入っていたね。ちょっとカッコ良かったよ。

ありがとう!(笑

 
ところで、サム、どういう流れで、今のポジションに辿りつけたの?今、ほとんどONBOARDのウェブサイト・コンテンツを仕切っている感じででしょ?凄いよ。

まあ、少人数だから大変だよ。実際、僕がリーダーで、もう一人スタッフがいて。あとはインターン生徒がいるだけだから。3人で回している感じ。それで、毎日、8個とか9個とかのコンテンツを上げているんだ。

 
だけど、3人なら多いな。オレなんか、DMKサイトのコンテンツ、ほぼ一人でアップしているんだぞ(笑)。しかも広告を取る営業もしないといけないし、とてもじゃないけど回ってないよ。
だけど、サムは広告の営業とか、そういうのはナシでしょ?

そう、僕はコンテンツだけ。でも、本当、忙しいよ。
今の仕事は、カナダから帰って、イギリスにあるファクトリー・メディア(Factory Media Limited)に入ったことがきっかけとなった。ファクトリー・メディアはヨーロッパを拠点に、バイク、スノーボード、アウトドアのスポーツ・メディア専門誌を出している。
最初、僕はそのファクリー・メディア参加の専門誌、whiteline(ホワイトライン)にインターンシップ生徒として入ったんだ。そしたら、そのまま運良く、就職できたというわけ。

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(スノーボード・メディアの仕事をするようになって、憧れのライダーとも交流を深めたサム。)

へえ、凄いね。whiteline誌の特徴は?

イギリスでは、一番影響力ある専門誌。ヨーロッパではONBOARD誌は有名だけど、それぞれの国で強みのある専門誌というのはあるんだ。

 
確かに日本でもトランス誌以外に、フリーラン誌、スノースタイル誌、スノーボーダー誌などがあって、それぞれの強みとか特徴があるね。

それで、最初、僕はそこでお世話になって、そうしたら今度は、同じファクリーメディアのMPORAに働くチャンスをもらったんだ。

 
よく知っているよ。ONBOARDの動画をチェックすると必ず、MPORAだからね。オレは同じメディアとして、悔しいからMPORAの動画はアップせずに、大きなフィルムクルーの作品は、その1週間後にvimeoで全面公開するから。よっぽどの作品でない限り、そこまで待っていることが多いけどね。
だいたい大きな作品って、ONBOARDとトランスが1週間先行しちゃうんだよなあ。コンチキショー(笑)。

MPORAというのは、ONBOARDの動画というよりも、ファクリーメディア全部の動画専門サイトなんだ。つまり、あらゆるアクションスポーツの動画がアップしているわけ。それは、様々なスポーツを愛好する人が、そこからスノーボードに興味を持ってくれたりという展開も考えたことだから。

 
なるほど、そういうことか。勉強になるなあ。様々なアクションスポーツ家が、スノーボードに興味を持ってくれたり。その逆もしかり。こうしたクロスオーバー的で適格なマーケティングは、スノーボード業界の1つのテーマになるだろうし。

それで、僕はwhiteline誌で仕事した後、MPORAで面接する機会に恵まれ受かり、そこでも仕事していたんだ。
そして、さらに今度はONBOARDでの面接があり、そこでも受かり、今こうしてドイツにいるわけさ。

 
なるほど、同じ傘下のカンパニーでも、きちんとその度に面接して、次の職場に移っているんだね。
ところで、今、ヨーロッパにおいて、ウェブの状況ってどう?つまり紙媒体との力の入れ具合というか。

そりゃあ、もちろんウェブはどんどん強くなっているよ。今、DVDよりもウェブで観るという流れになって来ているし、さらに加速しているね。

 
だけど、日本の専門誌の人に聞くと、ウェブの方は広告が入らないから、なかなかそこまで手が回らないって。つまり、ウェブのコンテンツをアップし続けても、それじゃあ、仕事にならないというわけさ。

広告のことは自分が担当でないのでくわしいことはわからないけど、一応、僕たちの給料は出ているのでいいんじゃないかな(笑)。
世界的にもウェブが強いし、特にトランス誌はストロングだね。次にスノーボーダー誌。両方ともアメリカ発だけど、僕たちはそれに負けないように、少しでも追いつけるように頑張っているよ。

 
いやあ、ONBOARDは凄いよ。だって一流のフィルムプロダクションズの作品とかスポンサードして、世界的にも優先性にリリースできるメディアだからね。
このヨーロッパで最高峰とも言われているし。
ところで、そのヨーロッパのスノーボードのマーケットってどう?

まあまあ、いいんじゃないかな?

 
本当かよ。まあ、サム若いし、そういうのわかんないだな(笑)。
ところで、サムの今後の目標とか、夢は?

昔は、漠然とトップ・ブランドを作りたいという夢があった。だけど、この業界に働いて、それはとても難しいことだと勉強した。とても、オレができることじゃない、って。

 
あたり前だよ。オレもブランドと働いているけど、1つのブランドを立ち上げて、それを育てて、長い間やっていくって並大抵のことじゃないから。
よく、プロがいろいろブランドを立ち上げちゃうけど、立ち上げた時のイメージとは裏腹に。みんないろいろ苦労しているから。

それで、今、思うのはともかくもっとスノーボードができる人生ってことだよ。

 
へえ、そんな滑れない?

うん、なかなか忙しくて山に行けない。でも、もう何日か行ったけど。

 
なんだよ。オレよりもマシじゃん。ヨーロッパは秋から滑れるんだからいいよね。ここからオーストリアまですぐでしょ?

そう、車があれば、1時間半とかかな。電車でも2時間とかでインスブルックだし。

 
でも、スノーボードが滑れて飯も食えるって、つい最近、自分がやっていた人生みたいだなあ~。

そう、ウィスラーは最高だよね。
僕は、こうしてスノーボードの仕事ができて、正しいモーメント(方向)には進んでいると思うよ。
いろいろ経験をして、将来もスノーボードと仕事、うまく両立できたら、最高だね。
だけど、今は、もっともっと滑りたいなあ(笑

 
まあ、サムならできるよ。みんなから好かれているし、スマートだし。今後の活躍も期待しているよ。

フサキ、ありがとう!また、今度は山で会おうね。

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(憧れの仕事に就いたサム。スノーボードとスケートの腕前も以上の通り。だけど、もっと滑りたい!というのが本音だ。)

インタビュー後記
このインタビューの後、日本に帰ると偶然にもサムが所属するファクトリーメディアから連絡が来た。
サムが斡旋したとは思えないのだが、偶然、世界でもどこよりも早くBurton Rail Daysのレポートをアップしたのがきっかけになったようで、パートナーシップを結びたい、と。
このインタビューをきっかけにONBOARDとのコネクションが生まれ、また一歩、DMKはグローバルな方向に上昇できたと思った。

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http://onboardmag.com/

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