根性派ガールズ・ライダーの哲学/二葉 明子

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あえて今回、哲学という題名を使ったのは、今回登場する二葉明子がとても素晴らしい考え方の持ち主だからである。仕事上トップのライダーたちを見て来たがそこに共通する言葉はナイス・パーソン。今回はそんな二葉明子(通称:アッコマン)のマインドを探求しよう。

フサキ(以下F):まずはアッコマンの経歴をカンタンに教えてください。
アッコマン(以下A):1997年7月29日生まれ。1996年6月。OL をやめて、旅行を目的に単身でカナダにワッキングホリデーで行きました。この時は、こんなにスノーボードにはまるとは、考えていませんでした!この、シーズンの春頃からみっちゃん(橋本通代プロ)、りえっぺ(磯野理恵)、ゆみちん(代田ゆみ)の、3人から刺激をうけ、スノーボードにはまりました。


F:みっちゃん、りぺっぺ、ゆみちん、もちろんアッコマンを含めて、ガールズ(web参照)というチームが頭に浮かぶのだけど、そもそもみんなはどういうきっかで仲良くなっていったの?たまたまパイプとかで会ったとか?

A:ゆみちんとは、カナダのワーキングホリデーの時一緒に住んでいた友達のひろみ (稲葉ひろみ/バートンライダー)の友達の友達みたいな、遠い友達でひろみを頼ってカナダにきて、一緒に生活していました(笑)。りえっぺとは、ワーキングホリデーで働いていたウィスラーの奄美というレストランで同じ厨房で、働いて知り合いました。最初はお茶のみ友達でした。でも、ゆみちんが、引っ越す事になり、引越し先が奄美の寮で、りえっぺと同じ部屋だったのが、切っ掛けで、仲良くなり、それから一緒に滑りに行くようになりました。この頃、私はこの寮にいりびったていました。みっちゃんとは、シーズン中ゆみちんがまだ、スノーボードを2ヶ月しかしてないのに、めっちゃうまい大阪の女のコ。と紹介してくれました。その時、同じ寝屋川の出身と聞き、例えて言うなら犬が尻尾振るみたいに喜んだんですが、みっちゃんは、ふーんと、普通でした。冷たくされたわたしですが・・・。今思えば、単にみっちゃんは、普通だっただけなんですが。でも私は、この時みっちゃんから 同じ匂いを感じました。へへへ。そして、後にみっちゃんも、同じ奄美で働く事になりました。それから、みんなバラバラに山に上がったとしても、お昼を一緒にとるようになりました。そして、私はそれが楽しみで、山に上がっていました。人って何か引き合う磁石をもってるのかなあ?そんな感じで自然に仲良くなっていきました。

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F:なんかガールズを一色単で見ていた部分があるけど、それぞれ出会いのドラマってあるんだなあ。ところで、アッコマンを見ていると、凄く努力で這い上がったという感じですが、年間の滑走日数とかどんなもんなんですか?
A:だいたい5ヶ月ぐらいですよ。プロの人とか、もっと滑ってると思うし、自分ではもっと、もっと滑りたいけど、経済的に無理なので、滑れる時は、滑ろうっていう考えです。


F:結構朝イチで上がっているよね。

A:朝イチに上がるのは、ただ、単純に気持ち良いから。天気が悪くても、朝一であがるのは、自分の目で山が良いか悪いか知ってから、その日オフにするかどうか決めるためかな。でも結局、山に上がると滑ってしまいます(笑)。


F:スノーボードとは関係なしに早起きする人っていい人だと勝手に思っています。ところで、最近、ボーダークロスで活躍しているけど、今、自分の気持ちの中ではパイプとボーダークロスはどのような比重て考えているの?

A:今は、ボーダークロスで頑張ろうと思ってます。だから、比重で言うとボーダークロスが重いかなあ。争うタイプじゃないんですけど。あの、コースを滑るのが楽しい。でも、前までは、大会出るならパイプしなきゃって、思っていたのが吹っ切れてパイプもたのしいですよ。ワンメイクも、楽しい。

F:確かにアッコマンって争うということがかけ離れたような温和なイメージがあるなあ。ところで、何でそんなにスノーボードに頑張れるのだと思う。人間って何かしら目標とかあると張り合いが出るけど、アッコマンにとってスノーボードってそういったものなのかな?
A:はい、そうですね。わたしは、一生懸命頑張ることで生きている張り合いを感じるタイプだと思います。わたしにとって、スノーボードのドキドキ感って、生まれて味わったことがない緊張感や、達成感。頑張ったら、頑張った分楽しさ、嬉しさが倍増する。 自分を楽しくする、そして精神的にも強くする。そういった要素がたくさんあるものです。これは、どう伝えたらいいか、難しいことなんですけど・・・。


F:うんうん、わかるような気がする。そういった意味では、オレもアッコマンと同じタイプだと思う。このホームページをチェックしている人は、とても上達思考の強い方が多いのですが、アッコマンの上達のモットーみたいなものがあればぜひ教えてください。

A:NO limiz。ナターシャ語。本当は NO limit って書きます。頑張れば頑張るほど、上達する。そのスピードは人それぞれだけど、何事も諦めない限り終わりはない。と言う意味が込められています。私は、あきらめが悪いことは良いことでもあると思います。一生懸命頑張ることに、無駄なことは、一つもないと思うからです。そこから、得れることがたくさんあると考えるからです。


F:うーん、いい言葉だね。先日、スノーイング誌でアッコマンが語ったみっちゃんのインタビュー(スノーイング誌10月号参照)のコメントも凄くいい言葉だなあ、と思ったけど、この言葉も最高だね!アッコマンはライダーとしてはこれからだと思うけど、なんか人間としてのレベルは結構、上に行っているような気がするなあ。そういった意味では尊敬するよ。
A:トンでもないですよ。まだまだ若輩ものです。恥ずかしい・・・。


F:今度の冬の目標を教えてもらいましょう。

A:今シーズンの目標は、プロ昇格。プロだけがすべてじゃないけど、頑張りたいです。


F:自分の気持ちの中でプロに上がれる勝算はどう?

A:ぼちぼちです。


F:最後に夢を教えてください。スノーボードに関することでなくてもいいです。

A:ウィスラーか白馬に別荘を建てて、こうやって、スノーボードで、知り合えた友達と20年後も皆と、そして皆の子供たちと一緒に滑りたいです。

SPONSORS:
SCOOTER, SMITH, PANASHA
スタンス幅
48センチ
スタンス角度
前24度 後ろマイナス3度(ボード:スクーターEL148)


インタビュー後記:
トップに行く人間はみんな努力するのはあたり前。センスとは努力の上で踊っているようなダンサーだ。アッコマンは決してセンスの高いライダーではないかもしれないが、何より努力をするセンスにかけては世界でもトップ・クラスだと改めて確信した。そんな彼女に神様が「プロ」というプレゼントを贈るのはもうこの冬の出来事のような気がする。

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