日本とカナダの架け橋ライダーに!/ライアン・ラウッシュ

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カナダ人でありながら、日本でも活動し昨年はハーフパイプのシーズン王者、さらにはルーキー・オブ・ザ・イヤーという快挙を成し遂げたライアン・ラウッシュ。日本のカナダの架け橋となるライダイーとなるライアンに、日本に行ったきっかけ、日本人ライダーに足りない点、これからの活動予定など聞いてみた。


Photo & Interview by Fusaki Iida

ライアンは外国人でありながら、昨年、日本のプロ・スノーボード協会SPAで、見事、ハーフパイプにシーズン王者、さらにはルーキー・オブ・ザ・イヤーというなりました。このように日本で活動するようになったきっかけは?

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高校生の時、姉妹校が京都にある立命館高校だったんです。交換留学生の制度で日本に行くことができました。当時、僕が通っていたキンバリーBC高校からは、日本に行く学生はほとんどいなくて、僕たちの高校が毎年、日本から5人の生徒を受け入れてました。そこで出会った留学生たち、日本人以外にもフィリピン、タイなどからも来ていたのだけど、彼らと接するようになって日本に興味を持ち、立命館高校に行きました。

ライアンは、当時からスノーボーダーだったの?

はい、その時はフリーラン中心だったけど、ジャイアント・スラローム種目に参加してました。BCの学生王者にもなっています。それで、Nitoro、Vansなどのスポンサーが付いていました。キンバリーの山は、パークとかなかったから、もっぱらフリーランばかりでした。当時は特にトゥリー・ランが楽しかったです。トゥリー・ランが最も好きなのは、今でも変わっていないです。

ウィスラーに来た、きっかけは?

日本でせっかく覚えた日本語を忘れたくなかったんです。それで、5、6年前に日本人が多い国際的なリゾート、ウィスラーに来ました。だけど、最初のシーズンは仕事ばかりで・・・、確か20日間くらいしか滑っていなかったです。当時は、ツアーガイドの仕事、夜はナイト・クラブのセキュリティ(注:入り口に立っているごっついお兄さん仕事)をやっていました。

この夏もブラッコム・グレーシアで、コーチをしながらパイプの練習をしていたライアン。

それでは、スノーボードを本格的に好きになったのは、その後?

はい、ウエストビーチ・スノーボード・ショップで店員をやっていたのですが、夏になる頃、「もう忙しくないので仕事あまりないよ」ということを聞いて、ボランティアでグレーシア(夏氷河)のパークを管理することになったんです。その時、スノーボードが楽しくて、毎日滑るようになりました。どんどん上達したのは、そこからだと思います。
そして、その翌年、インストラクターになって、その流れでCSBA(注:ウィスラーにあるスノーボード専門学校)でコーチもするようになりました。それから、さらにスノーボードに打ち込むようになりました。

昨シーズン、日本のパイプ王者になった要因は?

実を言うと、パイプがうまくなったのは、山形にあるAsahi自然観スノーパークのおかげ。あそこのパイプが調子良くて、上達できました。

ライアンは、コツコツ毎日練習するイメージもあるけど、カナダ人では珍しいよね?

そうかもしれないですね。ただ、カナダでもナターシャ・ゼレックとか、ブライアン・マグラーチとか、結構、練習肌のライダーもいますが。

ライアンは、カナダと日本のライダーを良く知っていますが、それぞれの国のライダーの特徴、または、日本人ライダーへのアドバイスとかありますか?

日本人のライダーというのは、うまくなりたい人は、必ず「うまくなりたい」と言いますね。だけど、カナダ人のライダーで、本当にうまくなりたい人は、そういったことは言わないで、スマイルしながらリラックスしながらやっているような印象があります。
日本人ライダーは、1つのことを一生懸命にやる傾向にある。パイプだったら、パイプばっかり。レールだったら、レールばっかりと。だけど、カナダ人ライダーは、いろいろやります。
アドバイスとしては、よくパイプを一生懸命にやる人を見かけますが、そういう人はぜひフリーランをもっと磨いてほしいです。というのもフリーランがしっかりとできていなくて、パイプを何度もハイクアップしても、なかなか上達しないからです。パイプというのは、スノーボードの技術の中でも最もライディング・テクニックが必要な難しいカテゴリーなんです。
あと、日本人は1つのことばかり見る傾向があるので、視野が狭くなっていて、返って上達を妨げています。スノーボーダーとしていろいろなことができることが、良いスタイルの確立にもなります。

ライアンが活動するウィスラーというのは、最高の環境だと思うけど、逆に日本の良いところはどこだと思いますか?

いろいろあります。
南郷にはいいパークもあるし、トゥリーランやステップダウンを楽しめるポイントもある。
Asahi自然観のハーフパイプが好きだし、牧の入X-Tripパークも大好き。あと白馬乗鞍も広くて、フリーランが楽しい。

好きなライダーは?
布施忠。彼のビデオのパートは毎年、変化を見せてくれる。凄いです。
同じ理由からデベッド・ベネデックも好きです。
それと、カズ(國母和宏)のパイプはうまい! デーロ・マーフェスのレールはヤバい。
MFM(マーク・フランク・モントーヤ)も好きです。以前、いっしょにDJをやったこともあります。
(注:ライアンはDJとしても有名だ)

夏はスケートでRの感覚を楽しんでしる。

カナダ人コーチもキャンプでいろいろ見たけど、ライアンはひじょうに日本人的できめ細かいアドバイスをしますよね?

そうですね(笑)。元々、僕がコーチングを受けるのが大好きなんです。だから、人にコーチングする時も丁寧にわかりやすく、そして楽しくやりたいと考えています。いろいろなスポーツをやって来たのですが、以前、アイスホッケーを真剣にやっていました。しかし、コーチが良くなくて、つまらなくなってしまった。だけど野球のコーチはとても良かったら、その時やっていた野球はとても楽しかった。だから、これからも良いコーチで、良いスノーボーディングを伝えたいな、と思っています。

ところで、カナダのインストラクターって、サマーキャンプのコーチと違って、教えることは丁寧だしマメだけど、あまりカッコ良くないよね(笑)。
カッコいい人もいるけど・・・、そうだね(笑)。

ライアンは毎年上達しているのが見える。結構、プロと呼ばれている人で、毎年、上達するのって難しいですよね?

今、27歳だけど、毎年新しい技もできるようになっているし、自分でも上達が感じられます。だから、とても楽しくてしょうがないです。これからもどんどん上達したいと思います。

ライアンのこれからの目標は夢を聞かせてください。

今シーズンは、X-Trail、TOYOTA BIG AIRに出場したいです。あと、FISのハーフパイプ、ビッグ・エアーにもトライしたい。ビデオ撮影ももっとやって、映像残したいですね。それと、今年の夏、グレーシア・キャンプで中国のナショナルチーム選手をコーチしていた関係で招かれているので、中国にも行く予定です。忙しくなるけど、頑張ります。
それと、あとは減量したいです。減量できてスノーボードも楽しくなったし、本当にもっと痩せたい。

Ryan Rausch
ライアン・ラウッシュ

SPONSORS:
Rossignol, quiksilver, deeluxe, smith, oran’ge, extreme(ex),thanks to Mayb’em

スタンス角度:前12、後-12

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