二十歳のキウイボーイがメジャー宣言!/アンソニー・レフィラー

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アンソニー・レフィラーは若干20歳のニュージーランド出身のプロ・ライダー。ニュージーランド人のことをキウイと呼ぶが、まだあどけなさが残る童顔の青年はまさにキウイボーイといった感じである。今までニュージーランド人のライダーは、ディラン・バット、アーロン・ジャミルセン、デニー・デビンなど世界的メジャーライダーを目指して活動して来たが、もう1つ世界に認知されるほどのライダーになれなかった。そんな中、アンソニーはニュージランド初のメジャー・ライダーを目指しウィスラーで修行中だ。

フサキ(以下F):まずは簡単に自己紹介を?
アンソニー(以下A):僕の名前はアンソニー。ニュージーランドのクライストチャーチ出身。ニュージーの冬場はクイーンズタウンに住んで活動していて、今、二十歳。

F:スノーボードを始めたきっかけは?
A:元々スケートをやっていて、親戚の兄貴に教えてもらった。始めたその日からとてもおもしろく感じて、このスポーツに運命を感じた。それほど惚れこんだ。その後、日本の北海道がとてもいいところだと聞いたので、学校を辞めて16歳の頃、日本に行った。北海道ではニセコで2シーズン過ごした。

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F:日本では何か仕事していたの?
A:ホテルでのベッドメイキングとか。(突然日本語で)「日本語ちょっと話せます」

F:おっ、凄い。アンソニーはベビーフェイスだから、年上の女性にもてたでしょ?
A:もてたってことはないけど、確かに日本人の年上の女性と付き合っていたよ(笑)。

F:親とか日本行き反対しなかった? あと寂しい思うとかしなかった?
A:親は僕が日本へ行くこともとても理解してくれた。若いうちから親元を離れて、違う国のことを学ぶのは、ある意味嫌々学校を行っているよりも、良かったと感じていたのだと思う。ニセコにはニュージーランドから来たライダー、例えばアーロン・ジャミルセンなども来ていたら寂しいと感じることはなかった。アーロンにスノーボードのことを教えてもらって、毎日が充実していた。

F:ところでアンソニーはその若さで新しいブランドを立ち上げたとか?
A:そう、ICAというヘッド関連に関するブランドを始めたんだ。ビニーやバンダナなど作っている。元々、自分がショップで買っていたんだけど、どうも気に入ったものがなくて。それが1つのきっかけになった。それと前から自分でブランドを立ち上げたいという夢を持っていて、他のウエアやらボードなどと違って、それほどお金を必要することなく作れた、ということも要因。
(写真右、ICAのステッカーにはスノーボーダーが忍者スティックを持っている)

F:アンソニーが一人で立ち上げたの?
A:いや、2人のパートナーがいる。経理を担当しているものもいれば、デザインを担当するものもいて、それぞれ役割分担があるんだ。また、多くの素晴らしいライダーたちが僕たちのことを応援してくれているんだ。

F:シモン・チェンバリンやマイク・ページなどがライダーなんだよね。
A:そう他にもニュージーのトップ・ライダーが決まっているし、またデバン・ウォルッシュとも話している。デバンやマイク・ページなどは、自分たちが同じような立場で成長して来ているから、応援したいという気持ちでやってもらっているんだ。デバンは本当にライディングも素晴らしいけど、人間的に尊敬しているよ。

F:こうしてデザインも見ていると、なかなかいいね。オレもほしくなったよ。今度ウチのウエブで売らしてもらっていいかな?
A:もちろんだとも。今週中にはサンプルができるので、ぜひ見てほしい。日本の人に紹介してもらって嬉しいよ。

F:話全然変わるけど、今年のアンソニーはどんなことにチャレンジしているの?
A:僕は様々なスタイルの大会に出るから、そのすべてのスタイルの練習を続けている。フォーラムのヤングブラッドコンテストにもいくつか出る予定。

F:そう言えば、ウチのサイトのBBSでその大会の質問があったけど、あれは大会で活躍するとフォーラムのスポンサーがつくの?
A:そういった側面もあるけど、僕は別にフォーラムのスポンサーがほしいわけではない。ただ世界的にメジャーなライダーになりたいから、この大会に出るんだ。昨年シモンはニクソン・ジブ・フェスタで優勝して一躍メジャーになったけど、僕もそういったことを狙っている。あと、ニュージーランドのパイプ大会に出て、できれば次のオリンピックも狙いたい。

F:具体的にアンソニーが今、練習している技は?
A:スイッチバックサイドの720や900。バックカントリーのパウダーのラインディングでその技を決めたい。

F:よくトップ・プロなんかはどんな技でも最初パウダーのランディングをやることを薦めていて、パウダーって簡単なのでは?
A:安全だけど、逆に難しいんだよ。パークは固い分危険だけど簡単。

F:アンソニーが尊敬するライダーは?
A:デバン・ウォルッシュ。常に完璧で、また人間的にも素晴らしいから。あとシモンも凄いね。山で会えば、いっしょに滑っている。ニュージーランドの中では、デニー(デビン)、ディラン(バット)、アーロン(ジャミルセン)などを見て、育った。彼らも尊敬すべきライダー。

F:北海道に篭っていた時、どんな日本人ライダーに影響を受けた?
A:北海道出身のヤング・ライダーたちは凄いね。名前とか覚えていないけど、北海道の10代ライダーはいいライダーだと思ったよ。(注:國母カズなどが含まれているようである)

F:最後に目標や夢を!
A:ICAを成功させること。スノーボードを続けて行くためのある態度のお金とか稼げたら嬉しい。あと世界的に有名なビデオで自分のパートを飾ること。あとはきれいな女性と結婚することかな(笑)。

●インタビュー後記
見た目のベビーフェイスとは裏腹にその行動力や実行力には脱帽させられる。よく人間は新しいことを始めるのに何事につけ理由をつけては躊躇することがあるが、このアンソニーのインタビューを通じて、改めて行動することが大切に思えた。自分がやりたいことを素直にやってみる。そんなアンソニーの歴史がICAというブランドを立ち上げさせ、遂には憧れだったデバンにも接触することができたのだろう。今、このインタビューを読んでいる人も、もしかしたもっとバカになってチャレンジしたら、未来が変わるのかもしれない。


Anthony Leffelaar
Sponsors: Oakley, ICA, Vans, Endeavor, Xbox, Agency, drop, Cheapskates, Smpwpark
スタンス角度: F25 B-15
スタンス幅: できる限り広く

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