ワンメイク・キングに突撃敢行/ケビン・サンサローン(2)

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ケビン・サンサローン、ワンメイクのビッグネーム。X-Gameではあのピーター・ラインを抑え、金メダルを手にし、ウェストビーチ・クラッシックでも輝かしい成績を残した。今回は、今期dmkに入った私ナナコがクリスマス前のお家に訪問し、ケビンのお父さんの入れたおいしい紅茶を頂きながら彼の素顔に迫ってみた。

INTERVIEW by Nanako Hori
PHOTO by Fusaki Iida

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ナナコ(以下N):やっと良い雪が降り始めたけれど、最近はどんな活動をしているの?
ケビン(以下K):撮影をかねてスノー・トリップしてるよ。でも最近はいい雪が降ったからここらへんでスノーボービルをしたり、今夜はウィスラ-ビレッジでハンドレールの撮影をしてきたんだ。とてもいいハンドレールだったね。スノーボードは毎日やってるよ。

N:さっきしてきたの? ビレッジで!?
K:うん、そう。ほんと、いいハンドレールだった。

N:いつもこの辺で滑ってるみたいだけど、ウィスラーとブラッコムとではどっちの山が好き?
K:どちらかというとブラッコムかな? ウィスラーも好きだけど、まだバックカントリーには雪がちょっと足りないし。ブラッコムなら凄くいいパークがあるだろ。もちろん僕が好きなのはパークだけじゃないから、ウィスラーもブラッコムも両方好きだね。

N:じゃあ、ケビンにとって、スノーボードって何?
K:僕にとってのスノーボード?

N:うん。ケビンにとってのスノーボード。スノーボードの魅力って?
K:子供の時から、ずっと近くにあったもので、すごく楽しいもの。スノーボードは僕の生活そのものだと思う。

N:前に、スノーイングのインタビューで「夏はマウンテンバイクをしている。」と言っていたけど、いつ頃どんなきっかけではじめたの?
K:マウンテンバイクをはじめてから数年になるけど、スノーボードのジャンプと感じがとても似ていて、そういう感覚があるから、夏のマウンテンバイクのシーズンが終わって、冬のスノーボードのシーズンに入った時にすごくいい感じにシーズンをスタートさせることができるんだ。

N:じゃあ、スノーボードとマウンテンバイク、どっちがケビンの人生に必要?
K:スノーボードだよ。スノーボードは僕の人生。マウンテンバイクは楽しいし、刺激的。でも、スノーボードはそれ以上に凄い。僕の中で、一番だよ。スノーボードが僕の生活を支えてくれているわけだしね。

N:そしたら、ケビンの人生である「スノーボード」のコンテスト、X-game、ウエストビーチ・クラッシックでいい成績を残しているけど、そういったコンテストでスタート台に立ったとき、どんなことを考えているの?スタートして、キッカーに挑むときには何を考えながら色々な技に挑戦していくの?
K:できるだけ普通の自分でいられるようにしてるよ。友達と楽しく、明るく、笑ったり。そういう大会の中で一部の人はやっぱり、緊張したり、神経質になったりしているけど。

N:そうだよねー。何人かの人たちはもう、喋りかけられない雰囲気になってるよね。
K:だから、僕はその中で楽しい雰囲気やハッピーな空気を作りたい。みんなと握手したり。例えば、もし誰かのバインディングに問題が発生した時とかは、ヘルプしたりとかできるだけ、雰囲気を盛り上げて、フレンドリーに話し掛けたりしてる。

N:じゃあ、大会前はどんな方法でテンションをあげてるの?
K:僕にはテンションを上げたりする必要はないよ。リラックスして、普通にすることが一番なんだよ。ただ、ほんと、リラックスするだけ。

N:リラックスすることって、一番大切なことだよね。だって、一部の人たちは緊張しすぎて、体が思うように動かなかったりするでしょ?
K:うん。ほんとに楽しくできるのがベストだよ。

N:大会の前にはどんなことを気をつけてるの?
K:それは、練習とかってこと? 例えば来週が大会だとしたら、今週は練習しまくって、大会についてある程度調べて、体調を整えるよ。

N:大会用「ラッキーグッズ」ってあるの? 必ず勝利に導いてくれるものとか。
K:僕のヘルメットは「ラッキーヘルメット」かな。これで、よく勝つから。

N:ヘルメットがラッキーグッズ?
K:うん。ラッキーヘルメット。・・・わからない。これは特別。

N:例えばオリンピックの選手とかでも、お守りをもってたりするよね?「ちゃんと走れますように。」とか。彼女からもらったり、家族からもらったりしたモノを。
K:うん。知ってる、知ってる。でも、僕にはないよ。だって、例えばヘルメットがラッキーグッズだったら、もし忘れたときに、「あああ、忘れた・・・今日はもうだめだあああ・・・」ってなってしまうから、そんなだったら、ラッキーグッズはない方がいいよ。

N:じゃあ、コンテストでいい結果が出なかったりして、行き詰まることもあると思うけど、そういう時の気分転換方法とかってあるのかな?
K:もし、コンテストでいい結果が出なかったとしても、それは僕にとってストレスにはならないよ。毎日スノーボードしていて、毎日ジャンプもする。時には仲がいい友達といっしょに楽しみためにジャンプをするし、コンテンストで$100000のためにジャンプもするよ。時には失敗して落ちるし、成功してランディングできるときもある。毎日ジャンプしてるんだから、色々なことが起こるよ。失敗したり、成功したり。だからね、大会で、もし、ランディングが成功しなかったら、もう一回頑張ったらいいんだよ。タイミングだよ。だから、いちいち結果に左右されてストレスをためることはないね。次の日、山に上がって、ランディングが成功した時、また新鮮な気持ちになる。それが、お金のためのジャンプでも、楽しみのためのジャンプでもね。

N:なるほどー。今、ケビンはオプション・スノーボードのライダーでプロとして活躍してるけど、プロになる前に考えていた「プロ」と実際なってみて感じる「プロ」の違いってある?
K:スノーボードをやり始めた頃、楽しくてやっていたから、ビジネスのこと、プロのことなんて考えたことなかった。でも、プロになって、今はこんな風にインタビューや雑誌の撮影とかもあるから、そういう状態と共にいろいろ考えることも増えて来たけど、プロになる前はそういう気持ちは全然なかったよ。

N:ごく自然にスノーボードをしてたんだね?
K:そうだよ。例えば僕は、テニスみたいにガキの頃から毎日練習練習って続けて、「プロになれ!プロになれ!」「賞金稼げ!」って言うような両親も持ってなかったからね。ただ、楽しむためにやってたんだよ。

N:じゃあ、最初にスポンサーが付いたとき、どう思った?
K:すっごい嬉しかったよ。子供の頃、バンクーバーのローカルの山、Mt.シーモアでサンタクルーズのプロライダーの友達のショーン・カールズが、僕を見つけてくれたんだ。本当に自分の中で特別なできごとだった。

N:最初にスポンサーがつく前はどういう板に乗っていたの?
K:僕の最初のスノーボードはショッピングセンターの「ブラック スノーレジェンド」。ってノーブランドの本当に安いヤツ。

N:「ブラック スノー レジェンド」って何?
K:プラスチックのエッジがないヤツだよ。

N:あー!!すごく軽くて、日本でも小さい子供がスキー・スノーボードをはじめる時によく使われてるやつだ。じゃあ、今はどんな基準でギアを選んでる?
K:今は凄くいい会社がスポンサーについてくれているから、凄くいいものを作ってくれてるよ。オプションとかね。バインディングは、バートン。ブーツは「32 Snoawboard」。とてもいいよ。僕は本当にいいスポンサーが付いてラッキーだよ。

N:オプションは凄くいいよね!ちょっと前にテレビでオプションの工場の映像が流れてた。それを見て、なぜ、オプションのスノーボードがいいか、わかったよ。
K:そうだよ。オプションのボードはすべてハンドメイドなんだ。特別なんだよ。バンクーバーに工場があるから毎週バンクーバーに行くんだ。実はエンジニアがルームメイトで、彼とは、ずーっと1日中スノーボードの話をしてるんだ。毎日、毎日。彼は、頭のいい人で、僕はライダーだから、一緒にいいライダーになれるように努力してる。

N:そう言えば、工場の近くにはケビンの好きな日本食屋さんがあるよね?
K:そう。寿司を食べながらね。おいしかったよ。

N:いつも、大体、いつもどんなものを注文するの?
K:カルフォルニアロールとか・・・。あと、僕は枝豆が好き。

N:そういえば、フサキさんから聞いたよ!「レストランに一緒に行った時、あったかい枝豆が食べたい!”って言うんだよ」って。枝豆って普通は冷たいよ。でも、あったかいのが好きなんだね(笑)。じゃあ、ちょっと違うタイプの質問。自分で自分はどんな性格をしていると思う?
K:僕はジョークが好きだし、まわりが楽しくなることがとても好き。(クローゼットの方に歩いて行くケビン)例えば、スノーボードをするとき、これをかぶりながら滑ったりするよ。(そう言いながら見せたのは、金髪ロングヘアーのかぶり物!カツラ!)凄く楽しいから、全然平気なんだ!!

N:明日はクリスマス・イヴだよね。クリスマス・新年はどういう風にに過ごす予定?
K:バンクーバーで過ごすよ。すごくいいステイになりそうだ。家族勢ぞろいだからね!おじいちゃん、おばあちゃんから、みんな。おじさん、いとこ・・・本当に家族で大きなパーティーになりそうだ。クリスマス・・・新年・・・わかんないなあー。友達とかとすごすのかなあ?

N:では、最後に。21世紀の目標は?
K:ずっとスノーボードを続けるよ。オプションと一緒に。ウィスラ-ですごく有名になりたい。僕は小さい子供が好きだから、小さい子供が憧れてくれるような。そして、長い間、ここに一家で住んで、「おおおー!ケビン!」と声をかけられたら、握手して、フレンドリーにいっぱい喋って、スノーボードを一生懸命楽しくやって行けたらいいなー。

インタビュー後記
今回、お宅訪問してのインタビュー。声がちゃんとテープに取れるように彼の気配りで、静かな彼の部屋でのインタビューだった。彼のお父さんは彼が載っている雑誌をすごく嬉しそうに見ていた。彼の家族、彼の明るい発想、楽しいこと好きな性格が「ケビン・サンサローン」というダイナミックなスノーボーダーを作っているのだと感じさせられるインタビューだった。

お知らせ
ケビン・サンサローンの公式ホームページあり!ぜひ、チェックしてみよう。
http://www.kevinsansalone.com/

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