パイプもジャッジングも酷かった五輪ハーフパイプ

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いつの時代にも五輪ジャッジングには否定が付きまとわれるものだが、日本中に大きな感動を与えた男子ハーフパイプにもそういった声が出ている。
今回は、その代表的な2人の意見をご紹介しよう。

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一人は、スノーボードのフリーウェブマガジン、ユキスキ代表の岩田克己さん。
もう一人は、アメリカ五輪放送局でお馴染みNBCに勤めるマーク・サリバン(Mark Sullivan)さん。

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両氏とも、今回のパイプのクオリティの低さと、ジャッジングについて疑問を投げかけている。
そして、衝撃的な内容としては、、両氏共に五輪金メダリストのジャジングに疑問を投げているところ!なぜリスクの低い5ヒットだけ飛んだユーリ・ポドラドチコフが金メダルなんだろう?という疑問。

もしかしたら、このメッセージが今後の五輪ジャッジングの方向が変わるきっかけになるかもしれない!

元々、このメッセージは両氏のフェイスブックから発せられたが、両氏には、今回、DMKでご紹介させていただくことを快く承諾してもらった。ここに要約して紹介する。

岩田克己さんのメッセージ

銀の平野歩夢、銅の平岡 卓、「おめでとう」。日本のスノーボード界、いや世界のスノーボード界に新たなる1ページを刻んでくれました。

ところで、アメリカのメジャー新聞紙THE NEW YORK TIMESのオリンピックサイトの見出しは、 “Shaun White is no longer king of the Olympic snowboard halfpipe. In fact, he is not even a medalist.”「ショーン·ホワイトはオリンピックスノーボードハーフパイプのもはや王ではありません。そして、メダリストではありません」でした。確かにショーンは王者から陥落しましたが、あのひどいパイプの状況で誰よりも高く飛び、失敗したがキャブダブルコーク1260、ダブルマックツイスト1260など最高難度のトリックを繰り出したショーンを、テレビを見ていた人は誰もが「すごい!」と思ったことでしょう。とくにあのパイプで、最後まで高さを失わないショーンの技術は「さすが王者ショーン」と思わせる圧巻の滑りでした。

THE NEW YORK TIMESは大会のリポートの中に、こんなことを書いていました。「巨大なハーフパイプの状況に対する懸念は、競技の実施自体を脅かしていた。主催者はまともなパイプの形にするために、緊急で修復作業にとりかかった。一部の選手は、重力やトリックの失敗では起こらないような危険なクラッシュを引き起こしていた。予選の前の晩には、22フィートの壁とボトムはでこぼこでルーズ、しかもざらめ雪で埋めていたため、イベントが延期されることが示唆されていた。そして、スタッフは一晩かけ、約250ヤードのパイプの形状を修復した。雪が少し溶けて再凍結させようと、表面に塩を振りかけ、さらに、大規模なホースから水を噴霧した。ダニー·デービスは「予選前まではでこぼこだが、予選は実際よりもはるかにましだ」と予選後に語っている。写真は、予選ラウンドの前にハーフパイプの上に人工雪をまいている様子です。

それはそれとして、YOLO flip(たぶん決勝2目でキャブダブルコーク1440を狙ったが1260になり、そのままだとスイッチになってしまうので、Rでボードをスライドさせてレギュラーに戻した)で優勝を決めるつもりだったショーンだったが、そのトリックもメイクできず。逆にユーリ・ポドラドチコフにYOLO flipを最後の一発で繰り出され金メダルを獲得されてしまい、しかも上には日本人の若者ふたりが入り、まさしくTHE NEW YORK TIMESの見出しを物語っていると思うのは自分だけだろうか?

最後に、確かにユーリ・ポドラドチコフの最後の一発のキャブダブルコーク1440は凄いと思います。しかし、ユーリ・ポドラドチコフは全部で5ヒットと、確かにリスクの高いトリックをふたつ入れましたが、6ヒットの平野や平岡など他の選手とひとつトリックが少なかったにもかかわらず、この少ないヒット数は得点に影響されることなく高得点が出ました。

あくまで自分の意見ですが、たぶん映像を見た感じだと、ユーリは、最後のフロントサイドの壁に入れる余裕があったのに、意識的に入らなかったように見受けられます。せっかく成功させたキャブダブルコーク1440、最後のフロントサイドのトリックで転倒でもしたら、すべてが終わる!と判断したんじゃないでしょうか!あくまで、自分の憶測ですが!それにくらべ、歩夢、卓は、フィニッシュラインのギリギリまでダブルコークで攻めました。自分がジャッジだとしたら、いくらキャブダブルコーク1440をメイクしたとしても、やはり最後まで自分のスタイルを突き通したふたりが上のような気がしてなりません!昔、強すぎる日本のジャンプチームが不利になるようなレギュレーションを突きつけてきたように、韓国のオリンピックで突きつけきそうな気がしてならないと思うのは、自分だけでしょうか?でも大丈夫!今のオールジャパンなら、どんなレギュレーションを突きつけられても、次の韓国オリンピックでは表彰台独占です!

マーク・サリバン(Mark Sullivan)さん
(以下、要約して紹介)

私は、昨日行われたパイプ競技に失望しました。
主な理由は、クオリティが悪かったことです。
ここ最近のUSグランプリ、Xゲーム、USオープンなどのパイプも見て来ましたが、今回のパイプは、形状やグルーミングなど、私がこれまで見たパイプでトップ20にも入りません。
ニュージーランドの歴史においては、最高だったのでしょう。しかし、アメリカの良いクオリティを見慣れた私たちには理解し難い低いクオリティです。

本当、選手が可愛そうに思います。ショーン・ホワイト、ダニー・デービスなどソチのために新しいトリック練習に打ち込んで来た彼らに。
そして、コーチ、ワクシングマンなど含めて多大な費用を掛けて来たのに。
私は地元のサンバレーで帰れば、そこでもっと良いパイプで滑るれでしょう。

私はジャッジングについても疑問です。
ジャッジングはトレーニングを積み、ジャジングを知っているハズ。

私はすべての選手のランのすべてのジャンプのメモをしてスコアを付けていました。

ショーン・ホワイトのスコアは公平だったと思います。ショーンは2本目で2つのミスをしました。ヨーローフリップの着地で失敗し、最後のヒットでは筋力でなんとかカバー。
ショーンは予選のように滑ることができれば、金メダルを獲得できたと思います。

平野歩夢に関しては、低いスコアだったと思います。
なぜなら、1080を3回、900を2回もやっています。
グラブも完璧、着地もうまくリップに決めて。さらに最初のメソッドは大きかった。

ユーリ・ポドラドチコフは、5ヒットしか飛んでいません。
つまり、リスクは下がるということです。
大きなメソッドを決めて、フロントサイド540をして。
ダブルマックツイストとヨーローフリップという価値ある2つのトリックを決めました。
しかし、2つのトリックだけで金メダルを獲得できるハズはないのです。

今夜の女子ハーフパイプで改善することを求めます!

(以下、本文)

This is my opinion – and nothing more.

I was pretty disappointed in the HP comp yesterday. My primary disappointment was the quality of the pipe. Simply put, in terms of the shape, condition and grooming – I do not have it in the top twenty-five pipes I have seen – in fact, I would have to go back to the last millennium to see a pipe in a Grand Prix, X-Games, Open or other major US event that was as rough and presented that much challenge for riders, simply to survive – let alone show the world the best they have. Maybe we are spoiled with good halfpipes in the the US. For all I know that was the best halfpipe in New Zealand history. But in America, we have held a gold standard for quality – at least as far as halfpipes are concerned.

I feel sorry for the athletes – guys like Shaun White and Danny Davis have dedicated years to training, learning new tricks and making it here to Sochi. The cost has been significant, both in terms of finances and personal sacrifice. They have also brought many with them on that ride – coaches, trainers, wax techs etc. – have been on this journey and dedicated, literally years of their lives to making a good show for the world last night. Instead what we got was bumpy, lumpy and simply put, not world class. I guess I can ride a good pipe when I get home to Sun Valley.

As far as judging goes, I did not agree with that either. I know the judges are well trained and know what they are doing, but I watched every hit of every run – took notes and recorded all the scores.

First of all, I think Shaun White got scored fairly. He had two mistakes in his second run – buttering around his YOLO and landing flat – but muscling through his last hit. He gambled and lost – a stock Shaun run (like he did in qualifiers) could have taken gold.

It was Ayumu Hirano that I thought was underscored and here is why. Ayumu did six hits all with amplitude- 3 x 1080s, 2 x 900s with held grabs and all but one perfect landing at the lip, plus he batted a massive method off the first hit. Ipod on the other hand did five hits – two of which were low/no risk maneuvers – a big method and a frontside 5. Granted two hits were money (double McTwist and Yolo) – but (once again in my opinion) two hits does not a gold medal make.

For me, the biggest challenge was to do any tricks in a challenging pipe – and flagging off the final hit proved just that.

Let’s hope for tonights women’s final the pipe has been improved. It ought to be historic – the field includes 3 prior gold medal winners: Torah Bright, Hannah Teeter and Kelly Clark. It should be the best most competitive women’s competition in the history of snowboarding – I just hope the halfpipe does not get the final word.

米トランス誌も同意見!ジャッジングに疑問

先ほどリリースされたトランス誌も同意見だ!
なぜ6発飛んだアイポッドに歩夢が負けなけれないならない、と。
同誌は、実際にユーリに5発しか出せなかったことを聞いた。すると、
「5発しか出せるスペースがなかったとのことだ。」

もし、それが本当だとしても本当の金メダリストは、疑いを持たずにはいられない、と同誌は厳しく指摘している。
これは、大きな論争になりそうだ。

(以下、リンク)
http://snowboarding.transworld.net/1000221202/photos/iouri-ipod-podladtchikov-wins-olympic-halfpipe-gold/

 

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