世界最高峰ジバーと名高いシモン・チェンバレン。
メチャクチャ激しいトリックをするわけではないが、そのスムーズ感が世界のライダーたちを魅了する。
ジブ・アイテムの乗り味は、誰にもマネできないようなサイレンス感が漂う。
なぜ、あれほど静かにスムーズに、そしてスタイリッシュに乗ることができるのか。
それは、完全にそのトリックを制しているからであろう。シモンのトリックに、無理矢理にやった感じとか、やっとのことでできたような感じは、まず見られない。とても簡単そうに、軽やかにこなひてしまう。まるで、自分のテクニック範囲内、7、8割の力でやっているようだ。
今回の特集では、Camp Of Championsで撮影した撮り立てほやほやのシモンの最新トリックをご紹介しよう。
シンプルで簡単そうな技から、玄人さんが喜びそうなシークエンス。これをチェックすれば、シモンのスタイルに一歩近づけそうだ!
Photo by Fusaki Iida
Special Thanks: Jimmy
SW Nose Press Nollie Out
スイッチ・ノーズプレス・ノーリーアウト
シモンのウォーミング・アップのトリックの1つ。そのプレス度の高さに注目!そして何とも言えない、この乗れている感がシモンらしいね。
最後のノーリーアウトの時の、両ヒザを胸に引き付けることで、ノーリーの高さも強調されている。
レギュラー・スタンスの人は、そのままレギューラーのノーズプレスのお手本だ。
コツ→
レールに乗ったら、前ヒザをしっかりと曲げてより体重を前に持っていくこと。
そして、手(腕)をレールと平行に保とう。なぜなら体の重心をノーズに持っていきやすくし、板を踏みやすくするから。
また、上半身が前に開くと板が横にずれてボードスライドみたいになったりするので、気をつけるように。
ノーリーアウトなので、いつもより少し早めにアウトを仕掛けよう(踏み切ろう)。
Simon’s Trick Tips
1. Go to the rail switch with good speed.
2. Ollie and lean forward
3. Land on the rail still leaning forward and bend your front knee.
4. Keep looking at the end of the rail and stay forward with a good balance
5. When you get to the end of the rail lean a little more forward and pop a nollie out
6. Land and ride away
SW 5-0
スイッチ 5-0
これもシモンのウォーミングアップ・トリックの1つ。大きい身体だけど、後ろヒザをよく曲げて、しっかりとプレスを作っているね。このプレスをしっかりと見せるというのもシモンの特徴だろう。
ちなみにここだけの話だけど、シモンは自分のスタンスであるグーフィー・スタンスでの5-0が苦手なんだ。だから、シモンの5-0とい言ったら大抵スイッチのケースが多いんだ。トップ・ライダーの意外な弱点!?
コツ→
ノーズプレスと同様に手をレールと平行に保とう。
お尻を後ろに落とし過ぎないに気をつけて。頑張ってバックシート(後傾)になってもノーズは上がらないものだよ。
板をしならせるためには、上半身はそんなに倒さない方が踏めるから。後ろ足で踏むというよりは、前の足で引き上げる感じだ。
レールのエンドを見ながら、後ろヒザを曲げ続けよう。
Simon’s Trick Tips
1. Go to the rail switch with good speed..
2. Ollie or Nollie and lean back in the air
3. Land on the rail leaning back with your back knee bent.
4. look at the end of the rail and keep leaning back.
5. When you get to the end of the rail, ollie off the rail and ride away
FS180 SW5-0
フロントサイド180 スイッチ5-0
前回2つのトリックよりも、もっとレベルは上がるけど、これもシモンがよく行うトリックだ。
こうしたシンプルの技を何度もトライして、さらにスタイルを高めていくのがシモン流だね。
後ろからの角度で見ると、改めてシモンのテールプレスの形がよくわかり、参考になる。
コツ→
アプローチでは、キャブインしやすいように、両肩をすでに前に開くようにしよう。
そして、レールに乗ったら手を回し続けるようにしよう。カウンターローテーション(上半身と下半身が捻れていること)のまま乗るとアゴが上がりやすくなり、バックシートになり過ぎてバランスを崩しやすくなるからね。また、捻れた姿勢は、踏み難くなるから。
180回ってからはSW5-0といっしょの要領だ。
Simon’s Trick Tips
1. When your approaching the rail have your shoulders turned facing the rail
2. When you go off the jump follow your shoulders and spin frontside 180
3. Lean back in the air and when you land on the rail you will be in 5 0
4. Keep your position on the rail by looking at the end of the rail
5. Keep sliding leaning back with your back knee bent
6. When you get to the end of the rail ollie out and ride away.
FS270 in SW Tail Slide
フロントサイド270イン・スイッチ・テール・スライド
通常270インともなれば、バランスを保つために腕が上がってしまいそうだけど、シモンはスピン・インして乗ったら、ピタっと両手がおとなしく収まっているね。あたかも、下半身だけですべてやっているような感じだ。下半身が正しい動きをしていれば、上半身はただリラックスしておとなしくしていればいい、という良い見本!
コツ→
アプローチでは両肩をアイテムの方に開くようにして、乗る時には上半身をBOXの真上にもっていくようにする。
スピンして乗ったらテールボーンをするように後ろ足を突き出す。同時に、上半身をかぶしていこう。
そうすれば、スピンインした時の回転する力をアウトまでもっていきやすくするためになるし、また板を踏みやすくすることにもなるよ。
Simon’s Trick Tips
1. Approach the rail with your shoulders turned facing the box
2. When you pop off the jump pin frontside but really swing your legs around to a 270.
3. Land on your tale and look at the rail
4. Lean into your tail so you stay on the rail
5. Keep sliding with equal balance
6. You will feel the end of the rail coming and land off the rail and ride away
Nose Tap in Nose Press
ノーズタップ・イン・ノーズプレス
サイドでタップして乗るのは見かけるようになったけど、このようにレールで正面からタップして乗るのは、シモンならではのクリエィティブさだ。
オーリー、ノーリー、プレスなど基本的な技術がしっかりとできているから、こうしたことも可能にするんだね。
ちなみにシモンがトリックを考える時は、スノーボード・ビデオよりもスケートのビデオが多いんだ。シモン曰く「スケート・ビデオの方がクリエイティブだから」だって。
コツ→
ノーズが引っかからないように飛び越えられる十分なスピードを保ち、しっかりオーリーを心がけよう。
引っかからないように軽いめにタップして乗ること。
タップしたらすかさず前足に乗ってノーズ・プレスだ。
レールに乗ったら、両肩を平行に保つようにして、ノーズプレスの姿勢を維持をし続けるようにしよう。
そしてノーリーしてアウト。
Simon’s Trick Tips
1. Approach the rail in front of it.
2. Ollie before the rail so you are above it
3. When you are above it slam your nose down and feel a bonk under your nose
4. Let your board come back up and then lean forward and get ready to land into a nosepress
5. Land leaning forward in nosepress and keep sliding looking at the end of the rail
6. Nollie off the end of the rail and ride away.
BS Disaster Revert
バックサイド・ディザスター・リバート
ここ最近、パイプとジブアイテムを合体させる動きがあるけど、そんなアイテムでジブを楽しむシモンだ。
フロントボードのような体勢から、そのままバックサイドでアウト。パイプだけに、着地をブラインド・サイドで合わせるのが難しそうだ。
それにしても、このスムーズさとリラックスな感じ。しかも難しいシチュエーションでのメイク。まさにシモンのスタイルが真骨頂に出たシークエンスだ。
コツ→
アプローチでは、パイプでエアーターンをする時より斜めに入るようにしよう。すると、レールに乗りやすくなるよ。
また、通常のパイプのように、踏み切りを遅くすると空中に飛ばされ過ぎて、レールに引っかかりやすく危険なので、早めに仕掛けるようにしよう。
軽くバックサイド・エアーするように乗ること。
レールに乗ったら、ど真ん中に乗ったままスライド。
アウトの時には、前足を軸にして板を180回そう。
Simon’s Trick Tips
1. Approach the halfpipe wall backside on your heel edge.
2. When you get close to the rail pop a small backside air
3. Kick your back leg out and land on the rail as you where doing a back lip
4. Slide frontside with equal balance
5. As you are sliding turn your head back and pop off the rail
6. Land switch down the wall and ride away.
プロフィール Simon Chamberlain シモン・チェンバレン |
1985年6月17生まれ
2003年度(当時17歳)からでジブ界最高の符号NIXON JIB FESTに参加し、優勝をおさめる。 その後も多くの大会で上位入賞を果たし、以降、ジブ・マスター最高峰と呼ばれるようになった。
そのゆったりとしたトリックを行う特徴あるスタイルは、多くのスノーボーダーを唸らせる。
そして何よりシモンの人柄に、業界関係者からファンまで、多くの人たちに慕われている。
Sponsors:
Stepchild, Nomis, thirtytwo/Etnies, Dragon, drop, technine(bindings), Bear mtn
この特集でも着ているシモンのフーディは、この秋冬、Nomis一押しのフーディTony Hoodyだ。
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