最新のSNOWBOARD CANADA誌は、シモン・チェンバレン特集!カナダが生んだスーパースターとして大きく取り上げた。シモンのインタビューを中心に、JPウォーカー、ショーン・ジョンソンなどスノーボード界重鎮のコメントも加えて構成している。その中でシモンは、STEPCHILD SNOWBOARDSとは永遠に付き合っていくことをコメントした。この興味深い記事をこの雑誌が手に入らない、日本の方へ紹介しよう。
DCから離脱した渦中でのこのインタビュー記事は、興味ある内容。 |
カナダ人ライダーで世界に扉を大きく叩いたのがケビン・ヤング、さらにその地位を上げたのがデバン・ウォルッシュ、そして今、シモン・チェンバレンが最新のカナディアン・スタイルを世界に広げている、と言ってもいいのではないだろうか。
今回のSNOWBOARD CANADA誌は、シモンがカナダのスノーボード界に誕生したことを祝っているかのような歓迎ムードが漂っていた。インタビューアーもかなりの気合の入れようで、シモンの子供時代のことから、シモンの信仰するキリスト教のことまで深く切り込んでいる。
その中でも注目すべき内容と言えば、インタビューアーが「これほど有名なんだからもっと大きなスポンサーと契約すればいいのでは?」と意地悪な質問をしたところ。それに対して、シモンは「STEPCHILD SNOWBOARDSは、自分を大きくしてくれたブランド、またSTEPCHILDは自分と共にこれから大きくなっていくだろう」という部分。このインタビューの時点ではきっとDCから離れることは思ってもいなかったのだろうけど、すでにSTEPCHILDに対する強い気持ちが伺えるコメントだ。
またシモンにとってメジャーへの転機となったDCとのスポンサーに関しては「子供の頃から憧れていたブランド」と言うように、このスポンサー契約が自身にとってひじょうに嬉しかったということを告白している。思えば、3年前にdmkが取材した時、DCからもらったというダイヤモンドの指輪を嬉しいそう付けていたシモンだったのだ。
ただ、その一方で業界の中で成長する自分の気持ちに変化があったことを正直に認めている。例えば、「以前、ビデオを見て憧れていたライダーたちが実際にはパーティ好きで失望した」というようなコメントしているところ。シモンは「パーティに行くのなら、その時間もっとスケートやスノーボードをしたい。さらには自分が将来のプロ像のモデルになれば」というようなことも伝えている。この1つの気持ちの変化を例にとっても、シモンがこの業界で育ったことが背景にあるのは間違いないところ。DCへの思いやスノーボード・ビジネスに対する思いも変化があったのだろうとは、勘ぐり過ぎか。
大会に関しては、「出るけど、フィルム撮影の方が好き!」とコメントした。「昨年韓国、日本での3週間でのトリップ後、自分はもっとフィルム撮影に力を注ぐべきだ、と感じた」を伝えている。
さらに、シモンはフィルム撮影の好きな理由に関して、
「撮影はその日、集中したら、またしばらく休める。そのリズムが好きだ。しかし、大会はずっと集中を続けるので疲れる」と。
ただ大会を否定したのではなく、「大会も年にほどほどに」。シモンの一番言いたいことは「バランスが大事!」ということになる。また「ジブは大好きだけど、スノーボーダーである」ということもコメント。つまり「ジブだけでなくジャンプだって何だってやるよ」ということを伝えたいのだろう。実際にこの特集で使われている写真は、ストリートレールや夏のサマーキャンプでのボックスシーンもあるが、デカいクリフで飛んだり、キッカーでロデオしているシーンもある。シモンのスノーボーダーとしてのポテンシャルの高さを思う存分に発揮した、なかなか見ごたえのある特集だ。
これほどまでにカナダでヒーローになり、世界でも注目されているシモン。そんなシモンにdmkがDVD製作、またNomisで関われたという事実は、大きな幸運だったように思えて仕方がない。このSNOWBOARD CANADA誌を見て、改めてシモンという存在がビッグに見えた。普段の彼からはあまりにも気さくで、そんな雰囲気を微塵も感じさせないが。
http://www.snowboardcanada.com/