前回、セリフイメージという題名のコラムを書いて、「自分を過小評価せず、良いイメージを持とう」ということを伝えた。しかし、どこまで憧れのイメージを抱くか。それは自分のレベルによって様々だ。例えば、自分の場合には、いくらカッコいいスノーボーダーになりたい、と言っても「東京ドームのキッカーを飛ぶほどにうまいライダーになろう」とは思わない。今から15年以上も前、まだ20歳前後の時には、大会で輝く自分というものも想像してみたが、今は到底そこまで飛躍したイメージが抱けない。
今、このコラムを読んでいる人でも、様々ではないだろうか。人それぞれにカンファタブル(居心地の良い)セリフイメージのゾーン(範囲)がある。
ただ重ねて伝えたいのは、カンファタブルなゾーンに留まらず、さらに一歩先を目指してほしい、ということ。というのも間違いなく、自分の過去の経験、様々なライダーとの接触を通しても、目標や夢が大きいほど向上心も高く、結果、行動力も生まれて上達するからだ。
先日、目が飛び出るような契約金でアメリカ大リーグのレッドソックスに入団した松坂大輔も、高校時代の監督に「一日の目標がその人を支配する」と、言われたと聞いたことがある。実際に松坂は小学生の頃から大リーグを目指して、遂にはその夢が実現した。
それでは、我々はどこまでイメージを高めればいいのだろうか?
自分の意見としては、ドキドキするぐらいのところ。ドキドキするというのは、自分のイメージができる範囲だから、ドキドキできるのだと思う。実際にやった時の自分を想像した時にドキドキしてしまうと思うのだ。もちろんいきなりドキドキするようなことができるわけではないが、まずはそのように高いイメージを抱く、ということ。カンファタブルなゾーンでと留まらず、さらに一歩先のイメージを抱くのだ。そして、その目標達成に期限を決めて、日々努力しよう。
そうしたら、きっといつものスノーボードが、さらに内容の濃いものに変身するに違いない。