この『SHOP』のコーナーでは、オススメのスノーボード・ショップをご紹介します!
今回は、愛媛県松山市にあるhomegrow MATERIALS。
すべての横向きカルチャーを愛するみなさんのためのお店です。
Report: Fusaki IIDA
かつて、この松山にはスノーボード・ショップが10軒ほどあったとのことです。
しかし、今、このエリアにあるプロ・ショップは、homegrow MATERIALSの他に一軒だけだとか。
そんな中、残っただけにhomegrow MATERIALSには「何か!」がある。そのWhat ?を探すのが、今回の取材の目的でもあります。
ご案内してくれたのは、オーナー店長の苅田さん。この業界では、知る人ぞ知る、名物店長。
ブランドの目利きは天下一品。
これまで数多くのメーカーの上昇を予想し、オリジナル観点から選別して来ました。
例えば8年前、まだ産声を上げたばかりで、世間で見向きもされなかったNomisにいち早く目を付けた方でもあります。
スノーボード・ショップを立ち上げたのは、今から11年前。
90年代のスノーボード・バブルは、とっくに途絶えてライバル店も多いという状況の中、スタートさせました。
そんな時期に始めたので、周りからの反対も多かったとのことです。
そんな苅田さんが、ショップを始めたのは自分が利用していたあるショップがなくなったことからでした。
苅田さんは、「スノーボーダーは、猫のようにホームに帰る。」と言います。
スノーボーダーは仲間意識が高く、住み心地の良い家に帰る習性が高い。だから、住む家がなくなれば、路頭に迷うということです。
だから、苅田氏が路頭に迷わないようにスノーボーダーたちの居場所(ホーム)を作った。それが、homegrow MATERIALSなのです!
そんな良き親分肌のオーナー店長には、たくさんのライダーたちが集まって来ます。
なんと上には42歳になる盟友ライダーがいて、下はなんと二十歳のライダー。なんとその年齢差は20年以上!
元々、苅田さんがメーカーからサポートを受けるライダーだったけに、ライダーに対する思いは強く、まさにhomegrow MATERIALS中心にファミリーのようなクルーを作り上げているのです。
しかし、ライダーには厳しいことも伝えます。
どこかのメーカーのライダーになりたいという希望があったら、「お前はそのメーカーを儲けさす自身があるのか?」と尋ねるそうです。
確かにライダーである以上、そのサポートするメーカーをより売れるようにしないといけません。昨今、やたらに自分の活動ばかりにごたくを並べるライダーが多いけど、ライダーというプロを名乗る以上、サポーターに還元しないといけないのです。
そういうことができて、初めてプロと言えるし、メーカーとも長い関係が築けるのです。
さて、あまりにも苅田さんの熱いコメントが、僕のハートを捉えたので、肝心のショップ紹介がおろさかになってしまいましたが、さあ、ここからはhomegrow MATERIALSをご紹介します!
まず来てみてビックリしたのは、その広さ。
自分のショップ取材歴が、少ないせいもあるかもしれませんが、プロ・ショップというと小さいこじんまりとしたショップというイメージが強いのです。
しかし、homegrow MATERIALSは、まるで北米の都市にあるようなショップ・サイズで広々とした居心地の良い空間。ディスプレーもカッコいい!
もし、あなたがリミッターを外してどんなショップでも作ってもいい、と神様から言われたら、こんなショップを作るのではないか、というような場所でした。
(左、一階店内の様子。その雰囲気は海外のよう。右上、2階のボード売り場では、ボードを置いてどんなバインディングが良いか飾るような台もあった。右下、ウェア・コーナーでは上にジャケット、下にパンツと見やすい作り。)
広い駐車場スペースと憩の一服スポット
駐車場は多くのお客さんが来られるように、ビックリする大きい。電車で来られる方、自転車で来られる方、車で来られる方、すべてにやさしい配慮のスポットです。
そして、店の入り口の右手のところには、憩のスポットもあります。
スノーボードの買い物は、バインディングの取り付けなど、どうしても長い時間費やします。そんな時、友達を待っていたりする場所があるので、いいですね。
(左、たくさんのお客さんが来てくれるように、駐車スペースは大きい。右、ショップのお客さんがリラックスできる憩のスポット。)
ワックスルーム
homegrow MATERIALSでボードを買った人は、ワックスルームが自由に使える特典もあります!
だから、それぞれのワックスには名前も書いてあるんですね。まるでバーのボトルキープのように。
こうしたところから、多くのお客さん同士のコミュニティが発展していくのでしょう。
驚いたことに、homegrow MATERIALSでは先輩のお客さんが、新規のお客さんに接客しちゃうこともあるようです。
まさに、店員さんとお客さん、みんなで楽しい輪が広がった例ですね。
ワックスルームには、そんなフレンドリーさを象徴するような雰囲気が漂っていました。
まさにあなたがスノーボード・ショップを持ったら、こんなショップ作りたい、と思うのではないでしょうか。
(左、一度に3台置ける大きなワックスルーム。右、お客さんのワックスはそのまま棚にキープされて置いてある。)
厳選アイテム
プロショップは、大型店舗で値段を争ったところで勝てるものではありません。そこで必要になって来るのは、商品に対する知識を深めて厳選したアイテムを置くこと。また安い商品でなく、ある程度、値段も高めでも良い商品をオススメすることです。
1つの例を言いましょう。例えば、homegrow MATERIALSで売っているブーツにRIDEがあります。
RIDEは数年前、苅田さんが実際に使ってみて、その性能に惚れ込んで販売を強化していったギアの1つです。
Intuitionという整形インナーのマテリアルは、元々医療品で販売されているもので、スノーボードのブランドではRIDEの他、ごく一部にしか使用する許可を与えていないとのこと。軽くて、フィット感が良くて、快適なブーツになっています。
ブーツで人気メーカーというと、だいたい限りあるメーカーが浮かんで来ますが、RIDEという認識はなかったので勉強させられました。(注:細かい説明は省いていますので、くわしくはショップ店員さんに聞いてみてください。)
やはり、ショップの方、特にプロショップは生き残るために、必死に勉強を続けているので、様々な知識が蓄積されるのだなあ、と改めて思いました。
まして、ショップはメーカーと違って、ユーザーと常にいっしょにいる最前線現場。リアイリティある声が動かす現場でもあるのです。
(左、ホームグロウのオススメブーツの1つ、RIDE。右、ナイトロのボードも以前から惚れ込んでいるブランドの1つ。大会で活躍するボードは、良いモノが多いと言う。)
苅田イズム
先ほどの厳選アイテムにつながる話にもなりますが、プロショップの場合、やたらにどんなメーカーの商品を置けるスペースがあるわけでありません。だから、自分がこれだ!と思ったものをいち早く取り上げ、メーカーとの信頼関係を構築していく。こうしてメーカーとの間で築かれた関係はさらに強化して、より有利な条件を引き出すことに成功しています。
例えば、Quicksilverでは、全国の横乗りショップの20数店舗にフラッグショップとして認定していますが、homegrow MATERIALSでは、スノーボード・ショップとして、日本で2つかないフラッグ店として認められています。セールスミーティングでは、ほとんどがサーフショップでなかなか話し難くて困ったと笑いながら、苅田さんは語っていました。
Westbeach(ウエア)も四国エリアでは、最初に入れたショップで、その流れから現在も四国エリアを独占している販売状態になっています。
homegrow MATERIALSは、メーカーとの付き合いを強化させて、オリジナティを作り大型店舗に対抗する力を蓄えて来たのです。
こうした手法は、何もhomegrow MATERIALSに限らず全国のプロ・ショップが行っていること。しかし、こうして頑張って来ているプロ・ショップも残念ながら、さらに淘汰されて来て消えつつあります。苅田さんは、深い洞察と直感により、プロ・ショップとして何が必要であるかということを常に考え、そして自信を持って行動に移し続けていると思いました。僕は、こうした苅田イズムがhomegrow MATERIALSを支えて、ここから大きなスノーボードのムーブメントが発生していくんだなあ、と思いました。
実際、苅田さんは、homegrow MATERIALSのスタッフややって来るお客さんたちへ、「四国のスノーボード・シーンは自分たちで動かしていくと思ってほしい。」と考えています。
homegrow MATERIALSイベント情報!
homegrow MATERIALSでは、毎年、100名以上集まるツアーを3月の第二週に行っています。
お客さんといっしょに楽しんでいくイベントでは、もちろん利益は受け取っていません。メーカーさんと協力して、たくさんの協賛プレゼントもあるそうです。
その他、お客さん同士などで行く、10人程度のものは毎週あるようですよ。
ぜひ、homegrow MATERIALSに通って、スノーボード仲間を探したいですね。
1月と2月には、大会があり、またオフシーズンには、楽しいバーベキューもあります。
homegrow MATERIALSを中心にスノーボードの輪が広がっています!
INFORMATION
homegrow MATERIALS
-Matsuyama Mother Base-
ADRESS: 〒790-0923 愛媛県松山市北久米町787-1
TEL: 089-957-0250
FAX: 089-957-0208
営業時間: 11:00-21:00(日曜日は20:00まで)
店休日: 毎週水曜日(SNOWシーズンは不定休)
通信販売 可(県外・遠方の方お気軽にご連絡下さい。)