【特集】THE SLOPE – 国内最大級のSLOPESTYLEコンテスト

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現在、日本のスノーボードのメインストリームと言えるパーク。
一般的にターンするまでは難しいと言われるスノーボードだが、一方でターンができれば上達が早いとも言われている。
またスノーボードのもたらすカルチャーは、ターンを極めるよりも、もっと飛んで楽しみたい、という要求に流れる傾向がある。その結果、最もホットなライダーはパークを滑れる者、そのパークの王者こそ、プロを代表するスノーボーダーというイメージが強い。
海外で、トースタイン・ホグモ、マーク・マクモリスが人気が高いことが良い例だ。そして日本でも先の五輪で活躍した角野友基が大きな脚光を浴びた。その角野の伝説が始まった大会こそ、日本を代表するスロープスタイル・コンテスト『THE SLOPE』だろう。

4年後の韓国・平昌オリンピックに向けてますます注目を浴びるだろう、スロープスタイル。
今回の特集では、その日本のキング・オブ・スロープスタイル大会と言える『THE SLOPE』、その魅力を伝えていこう。

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HISTORY OF THE SLOPE

前身の大会であるSLOPESTYLEが誕生したのが2000年。
そのメンバーがヤバい!伝説のライダー、ジェイミー・リン、現在ビデオ・プロデューサーやブランドのオーナーとして活躍するマイキー・レブラン、ボスこそマーク・フランク・モントーヤ、そしてショーン・ホワイトまで参加しているだ!

なぜ、そこまでのメンバーが揃ったかというと、当時、すでに全盛を迎えていたスノーボードのビデオの世界。そのスーパースターたちが本気で暴れられる大会が、スロープスタイルで、そのスター選手が一挙この大会に参加したということなのだ。

そんな中、記念すべきY2Kイヤーに海外のビックネームを制して優勝したのは梶浦修治だった。
このスロープスタイルのコースは、日本にテレインパークが初めて現れた伝説の大会としても知られている。

翌2001年には、当時絶頂期を迎えていたFORUM、M3チームが来日。ホテル館内で開催されたサイン会に観客は大興奮!あいにくの天気でJAMセッションによりベスト5ライダーを選出した。

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(左、2002年当時のもの。マーク・フランク・モントーヤなどビデオ・スタ0が大集結!左、2003年、世界のトップスターのライディングを生で見ようとする人がたくさん集まった。)

そして、このSLOPESTYLEには、まだ本格的にメジャー化されていなった海外若手ライダーも来ている点も注目。
例えば、シモン・チェンバレンは、Nixson Jibfestで優勝した後、さらにSLOPESTYLEのジブ・セッションで優勝し、その名声を確固となる地位を築いたし、ジョー・セクストン、ジェド・アンダーソン、ニック・ビスコンティ、ダン・ブリージーなども無名時代からSLOPESTYLEに参加して成長していった。

常にスノーボードのコンペティション・シーンで熱い戦いを見せ続けて来たSLOPESTYLEは、2008年に1つの転換期を迎える。
それは、SLOPESTYLEの名称を改め、THE SLOPEに!
そして、会場は上越国際に移された。

ライダーのパフォーマンスをより観客に引き付けるのには、長いコースよりも短くして劇場型にした方がヒートアップする。その思いからアイテムを縮小したのだ。その姿は、スロープスタイルという観念からやや離れるというところから、名称をTHE SLOPEにしたのである。

国際色豊かなTHE SLOPEは、次代の変化と共に国際大会色は弱くなった。というのも、海外ライダーはメーカーが招致するというよりも、自分たちのクルーで来日するようになったし、その間に大会への方向もどんどん広がっていったため、かつてのようにごった返しにビデオスターが参加するようなことは減ったからだ。
しかし、その結果、国内最高峰のライダーを決める大会になり、またこの大会で活躍したライダーは、インターナショナル・ライダーになる!という伝説を作り出すことになる。

2008 年から、2012年の優勝は、石川敦士(2008優勝)、藤田一茂(2009優勝)、上村好太朗(2010優勝)、角野友基(2011, 2012優勝)は、いずれもインターナショナル・ライダーになっているではないか!だから、昨年優勝した関功もいずれインターナショナル・ライダーになることが運命付けられていると言えるかもしれない。

こうしたシンデレラ・ストーリーを最も体現したライダーとしては、二人挙げられるだろう。

それは、藤田一茂と角野友基だ。

二人の共通点は、この大会の前までほぼ無名な形で来ていたということ。
藤田一茂は、ビデオ選考から勝ち上がり、本戦まで進んで見事に優勝という快挙を成し遂げている。
角野友基は、本戦に出場するための提携大会でなんと4戦も優勝。そして中二の時に優勝という大快挙!翌年、中三ではバックサイド1080で優勝している。そして、先日の五輪での活躍までは、みなさんの知っている通り。

このように、THE SLOPEが築き上げて来た伝説は、確実に日本のスノーボード界に大きなエネルギーを与え続けて、その炎は世界にまで広がったのだ。
今年も新スターが誕生するのか、大いに注目。そして、ベテランの今なお戦う魂がさらにTHE SLOPEを盛り上げることだろう。

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(左、2009年、The Slopeをきっかけに一気にスターダムに駆け上がった藤田一茂。2012年に優勝した角野友基。今では日本を代表するスロープ選手に!)

 

2014 THE SLOPEの注目選手!

さあ、いよいよ始まる2014のTHE SLOPEだが、まだ参加選手の全容は明らかになっていない。しかし、注目選手がすでに参加表明しているので、ご紹介しよう。

まず目に付くのは、優勝経験者である石川敦士、関功。
関功は、ディフェンディングチャンピオンとして確実に上位に入るだろうし、石川敦士もあいかわらず元気!
そして、ベテラン・ライダーでは、チョコバニラボール新井もまた会場を沸かす高回転トリックを見せてくれそうだ。
鈴木裕司がエントリーしていることにも注目。実力者だけに、ここで改めてアピールして来そうだ。

虎視眈々と優勝を狙っているのは、石田貴博。
世界を驚愕させたトリプルバックフリップが、今大会でも炸裂しそう。また、バックフリップからのレールインも久々に見たい!

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(日本最高峰の選手を決めるTHE SLOPEに参加する注目選手たち。左から石川敦士、関功、石田貴博、鈴木裕司。)

そして、今大会ぜひ注目したいのは、10代の若手選手だ。
角野選手のように提携大会から勝ち上がり、まだ知られていない次世代のスター選手たちが必ずいるハズだ。
彼らはベテランには出せないような、高回転トリックを決めて来る可能性が高い。恐れを知らない若手たちは、これまでのTHE SLOPEでの優勝を決めたトリック、バックサイドダブルコークやバックサイド1080以上のトリックを繰り出して来そうだ。

一方、ベテランの石川敦士や鈴木裕司などは、若手にはできないようなスタイリッシュなトリックを決めて、これぞスノーボードというスタイルを見せつけて来るに違いない。
若手とベテランが火花を散らし戦い、さらに日本のスロープスタイルを盛り上げるシーンが待ち遠しい。

(以下、出場が決まった選手たちのページ)
http://sbn.japaho.com/sbn/slopestyle/slope2014_slope_riders.html

 

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(2014年の戦いの舞台となるスロープスタイルのコースはこれ!ダイナミックなジャンプとクリエティブな遊び心が試されそうだ。)

 

THE SLOPEディレクターの小山篤史に聞くTHE SLOPEの魅力

THE SLOPEの前身となるSLOPESTYLEの3年目、2002年からこの運営を陰で支えて来た小山篤史氏。
現在は、大会の運営から現場のディレクションまで多岐に渡り、このTHE SLOPEを支えている。
そんな小山さんに、THE SLOPEの魅力について伺った。

まずは、2000年に初めてSLOPESTYLEが始まった時のスノーボードシーンの背景を教えてください。

あの時は、まだ日本に本格的なテレインパークがなく、だから日本で初めて出現したパークでした。
まだあまりスロープスタイルという競技種目があまり浸透されていない時代で、大会と言えばハーフパイプかビッグエアーしかありませんでした。そんな中、スロープスタイルという形式の大会を日本で初めて行ったのです。
スノーボードのビデオというのがとても盛り上がっていて、マックダウなどを通してフォーラムのライダーたちが大活躍。そんなライダーが一同に参加できるのが、このSLOPESTYLEだったのです。

今、振り返っても凄いメンバーが参加していますよね。JPウォーカーにデバン・ウォルッシュ、そして最初の年にはショーン・ホワイトやトッド・リチャーズも参加しています。
あの時、なぜ日本にあれほどのスターたちが結集したのでしょうか?

日本での大会が珍しかったというのがあったと思います。
海外ライダーたちが日本という国に興味があったので、たくさんのビッグネームのライダーから、ニューカマーまで来てくれました。
また、本国のメーカーも、新しい日本のマーケットに興味を示していたようです。

SLOPESTYLEは、6年前からTHE SLOPEと名称が変わるわけですが、その理由は何だったのですか?

スロープスタイルのコースは長く、スキー場に来てくれたお客さんがなかなか大会の全容をつかみにくいというところがありました。
そこで、6年前にはアイテム数を減らし3セクションの中で、キッカーやジブを設置しました。より観客と一丸となって楽しめるようにしたのです。
だけど、そのようなコースは、スロープスタイルという言い方が似合わないかな、と。もちろんキッカーやジブというアイテムがあるので、スロープスタイルのような大会になっているのですが。そこで、THE SLOPEという名称になりました。
現在は、5アイテムで、モニターでジャッジングできるようにしてあり、しっかりとジャッジがアプローチからランディングをチェックできるようになっています。

さらにアイテムが増えたことで、またスロープスタイルの魅力が広がっていきそうですね。まさに日本で一番最高峰のスロープスタイル大会です。
今大会、小山さんが期待するところはどの点ですか?

10代の次世代スターの出現です!
これまでTHE SLOPEで優勝した選手の多くは、インターナショナル・ライダーになって来ました。今年のオリンピックで角野友基が大活躍して日本を沸かしてくれましたが、角野選手のような若手がもっと出て来て、日本のスノーボード・シーンを熱くしてほしいですね。THE SLOPEがそういった大会のきっかけになってほしいと思います。
また、石川敦士を始めとするベテランにも期待しています。まだまだやれる。まだ勝てるというところを見せてほしいし、ベテランならではのいぶし銀のトリックも見せてほしいです。例え、ジャジングに影響されないような細かい部分でのスタイルでも、そういったものを見せることができればこの大会の活性化につながると思います。

将来的には、このTHE SLOPEという大会をどのようにしたいですか?最後に夢をお聞かせください。

国内外のトップライダーを集めて、凄いコースを日本人のクルーで創り上げ、日本でX-Gamesに負けないようなビッグ・イベントを作りたいです。
そして、僕たちのイベントはゲレンデでやっているので、そういった世界のトップレベルの選手のパフォーマンスに刺激を受けてもらい、見に来た方がどんどん滑ってくれれたら、と思います。そしてもっとスノーボードを楽しんでくれたら、と嬉しいです。

 

【動画】THE SLOPE 2013 ダイジェスト

2013年3月2日~3日に開催された日本最大級のスノーボードコンテスト、THE SLOPE 2013のハイライトムービー。スノーボードの楽しさを届けます!

 

THE SLOPE Facebook
https://www.facebook.com/THESLOPESNOWBOARDING

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