【動画】世界最強ノースポンサーライダー アンドレのキャブ1080

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世界最強ノースポンサー・ライダーとも言われるアンドレ・ベノワのキャブ1080インディが、DMK GLOBAL TVからアップ!

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【コラム】スポンサーを自ら解放した男

文:飯田房貴

スノーボード界を20年以上見て来たが、自らスポンサーを解消し、ここまでスノーボードに取り組む男を見たことがない。
ここの動画で紹介するアンドレ・ベノワだ。

彼を知ったのは、もう10年以上も前に遡るだろう。
当時、アンドレはまだスポンサーとか気にしてた。スポンサーが求めるバックカントリー撮影も経験していた。
だけど、すでにアンドレは、こんなことを言っていた。

「撮影はかったるい。待ち時間が多くて、スノーボーディングができない。」

この言葉は、ハッとさせられる。
確かに撮影のためのスノーボードというのは、ある種のナンセンスな行為だ。プロ・スノーボーダーと撮影者は、画作りのための共同ワークをしていて、そこに僕たちがイメージするスノーボーディングというのはあまりない。だいたい2秒から8秒ほどの間の画のために、何分、いや何時間も掛けて写真なり映像を残す作業をしているのだ。まさにそれは仕事と言えるだろう。

トップ・ライダーたちは、シーズンに入ると積極的にゲレンデでスノーボーディングする者も少なくない。なぜなら、シーズンのピークになると、撮影の連続でろくにスノーボードができないからだ。だから、シーズン頭は、自分のスノーボーディングのために、また体力作りのために、滑るのである。

僕が普段、撮影しているライダーとの会話は、間違いなくスノーボードのワーク方向に走りがちだ。それはどういうことかと言うと、どうしたら、そのライダーが有名になるかとか、どうしたらプロとして活躍できるのか的な類の話だ。プロ・ライダーとして活動している以上、そういう話は当然である。

しかし、アンドレというのは変わり者なのだ。
スノーボードがしたい。だから、撮影とかに束縛されたなくない。もちろん撮影というのは好きなことの1つだけど、そこに縛られたくないのである。特にバックカントリーは手間が掛かる上、滑れない。だから、やらない。パークでの撮影をちょっとやる程度。
リゾートの中にあるリフトというのは大変便利なものなのだ。それを利用しない手がないのである。リフトを利用して滑りたいのだ。好きなスノーボードをするために。

メーカーやメディアを求める仕事。そこにやる気を見いだせないアンドレ。彼は実力が高いのに自らスポンサーと付き合わないようにしていった。だから、気づけば世界最強ノースポンサー・ライダーとなったのだ。もっともその命名は、自分がしたもので、ちょっと大袈裟かもしれないが。だけど僕は彼ほどスポンサーがなくうまいライダーも知らない。そして、彼ほどのうまさがあり、スポンサーに無頓着で、スノーボードで飯を喰おうとしない人間も知らない。

それでアンドレが何をやっているかというと、オイル関係の仕事だ。カナダのオイル事業というのは、一時期的な繁栄がないにしろ、かなりの高収入を得れるバブリーなワーク。だから、そこで得た収入で生活を立て、好きなスノーボードをしているのである。ただ、純粋にスノーボードが好きで楽しんでいるのだ。

ライダーとしては相当の変わり種だけど、もしかしたら僕たちのようにうまくなったらスポンサーがほしいとか、プロになってみたい、と思う方が変わっているのかもしれない。なぜなら、プロになればそこに画を残す辛さもあるし、スポンサーとのやりとり、そして様々な束縛も出るからだ。もちろんそこからライダーとしての成長もあるが、ある意味、純粋なスノーボードの楽しさからかけ離れているしまうことが多い。

だけど、アンドレだけは、スノーボードを始めた時のように純粋にスノーボーディングを楽しんでいるのだ。

 

ところで、もう1つアンドレの風変りの趣味を伝えよう。
それは、この動画のサスペンダーでもわかるが、自分だけのオリジナルのスノーボード・ファッションを楽しんでいるということ。
以下に紹介するウエアは、なんとアンドレが自分で作っちゃったもの。なんかアンドレがミシンを使って作っている姿を想像すると笑ってしまいそうだけど。

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凄いセンスの持ち主だ。この首元のスタイルが新しい!
このジャケットなど、まだスノーボードの市場にないものだから、僕は以前、自分がディストリブーションするブランドに提案したほど。

そして、アンドレはこうしたファッションをビジネス化することにも無頓着。ただ、好きでやっているに過ぎない。だから、僕はアンドレを見ると、いつも商売につなげることを考えてしまう悪い癖が出てしまうのだけど。

もっともそんなアンドレを、昔から自分がプロデュースするDVDに出演したり、雑誌に出させたり自分も変わり者かもしれない。
そして、今日もアンドレを紹介しているのだ。

 

 

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