【コラム】X-trail 選手決定

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文:齋藤 稔

いよいよ日本人選手も決定し開催まであと少しとなったX-trail JAMだが今回は初のファン投票による選手決定と言うこともあり、非常に注目があつまったのではないだろうか。ファン投票による出場者決定というといつもつきまとうのが「組織票」の話だろう。今回もそんな話はいくらでもある。例えばショップのライダーであれば、ショップスタッフのアドレスを使って自分のショップのライダーの票をかせぐ。大手メーカーなどがついている場合は社員全員で投票。それが悪いとは僕は言えないと思う。誰だって自分のところの選手に活躍して欲しいし、そのためにバックアップするのは当然のことだからだ。極論からいえばその気持ちがないスポンサーならば選手にとっては必要の無いスポンサーとも言うこともできる。スポンサーと選手の関係は様々であると思うが、自分のところの選手のために苦労をいとわないスポンサーと、スポンサーへのフィードバックができる選手と言うのが理想だからだ。今回で言えば自分に投票してくれるスポンサーと会場で力を発揮する選手と言うことになるだろう。
それでも組織票は嫌われる傾向にある。確かに行き過ぎた場合、ファンの気持ちを無視して自分のところの利益にばかりとらわれるとそういった傾向が見られるようになる。例えばプロ野球ではファン投票の他に監督推薦枠があり人気のある選手を出場させることができるようになっている。もちろん今回のX-trail にもそれは適用されており、ストレートジャンプでは中井孝治がクオーターパイプでは村上史行がそれぞれファン投票の枠以外に出場が決まっている。
しかし今回の決定した選手の顔ぶれを見れば組織票で決まった選手と言うよりも誰もが見たい選手がずらっと揃っていることに気がつく。これは大きな組織票が動いたのではなく、ファンの気持ちが全面にでた結果だと思う。日本のトップが全員X-trailに集結し、海外ビッグネームと対決するといった感じだ。RIOのクオーターでのロデオが炸裂し、山口睦夫のスーパースピンが全開で飛び回り、中井・村上のヤングガンがビッグに会場をわかす。対するは今年も来日のテリエのワンフットマック、AIR FRYの雪辱に燃えるピーターライン、もはや世界のビッグネームの一人シーンホワイトのビッグエアー、そして皇帝と呼ばれた男ミッヒアルビン。ここまでスノーボードファンの気持ちをつかんだ人選をできたX-trailは今回も間違いなく盛り上がることだろう。12月1・2日と日本の本格的なシーズンインを目の前に、世界のスーパートリックを見ることができるX-trail JAMに期待しよう!

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