【コラム】達人に学ぶ 畑山隆則編

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文:齋藤 稔

「坂本選手はパンチ力がある。ボクにはパンチ力がない。
坂本選手は打たれ強い。僕はそれほど強くない。
・・・だからこそ僕が勝つんです。」

ボクシング世界チャンピオン 畑山隆則
坂本博之選手との防衛戦を前に

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実はボクシングが大好きで世界戦があると必ずTVを見る。畑山選手も大好きな選手の一人だ。彼が坂本選手との防衛戦の前にインタビューに答えたのが上のコメント。一見やる前から自分の弱点を言っているようにしか聞こえないし、なんでそれで勝てるのかと疑問を持ってしまうコメントだ。しかし、試合は畑山選手の圧勝。試合後彼はインタビューに答えて、コメントの裏にある本当の意味を語った
「パンチ力が無いとわかっているから手数を出す。打たれ弱いと知っているからディフェンスをしっかりと身につける。だから僕は勝てたんです。」

「敵を知り、自分を知れば百戦危うからず」有名な格言であるが畑山選手はこの格言を見事に自分の物に強いている。スノーボードではどうだろう?競技者であるならば自分の得な点・不得意な点は自分でわかるはずだ。となればそれを元に作戦が考えられる。例えばハーフパイプなら回転が苦手でも高さには自信があるなら高さで勝負。ボーダークロスならジャンプのセクションが苦手でもエアーセクションでその分カバー。アルペンなら急斜面が苦手なら緩斜面で。と自分の得意な面を頑張ればいいのだ。もちろん競技者ではなくてもこれは当てはまる。普段から苦手な面を克服する練習をすることも大事だが、スノーボードは個性のスポーツ、得意な分野をもっともっと伸ばすべきだ。そうすれば苦手だった面もいつの間にか苦手で無くなるし、自分の個性やスタイルができてくる。畑山選手も自分の個性を伸ばしたスタイルで世界を取った。型にはまったボクサーになっていたら今のように世界を取ることは無かっただろう。

我々日本人はとかく方にはまりがち。でも個性を全面に出したスノーボードが魅力的でスタイリッシュなのはみんなも知っている通り。形にとらわれることなく自分なりのスタイルでスノーボードを楽しもう!

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