文:飯田フサキ
今月の特集は、「日本ベスト3ビデオ」である。ハート、レッドアイズにスクローバーと来た。僕は最初これを見た時に「おやっ?」と思った。ハートとレッドアイズがベスト3に選ばれるのは理解できるけど、もう1つはFCではないか、と。
FCことファーストチルドレンは、長年に渡り日本のビデオを引っ張って来た存在である。FCは、コア層だけでなく一般層にまでわかりやすく楽しい作品をリリースするという評判だ。そんなFCが、日本を代表する専門誌のベスト3に選ばれていなかったのだ。関係者の方はちょっとショック!?
一方でスクローバーが選ばれたのは、遂に長年の功績が実ったということだろう。地道に良い作品を作って来た活動が、評価されたのだ、と思った。ここでは石川敦士くんのベテランが引っ張っり、また若手も頑張って、その結果がベスト3に選ばれたのだろう。
僕はまだハート以外の作品は見ていないのだが、これからぜひレッドアイズとスクローバーをチェックしたい!
そう、まず1点面の感想は、「FCがなかったことの驚き!」。
次にタイトルの使い方。
日本ベスト3ビデオの「中身」を大暴露!!!
とあるが、「暴露」という言葉に違和感を覚えた。
「暴露」というのは「他人の秘密・悪事などをあばいて明るみに出す」という意味だ。
だから、暴露という言葉を使うのは、やや不自然。またこの言葉は、ショキングな印象があるし、あまり品が良くない。芸能週刊誌が使うような言葉のように思える。
次号の特集では「中井孝治 独占インタビュー」というタイトルがあった。これを見た時も「独占」まで言葉を使って読者にアピールしたいのか、と思った。
以上の2つのタイトルは、
日本ベスト3ビデオの「中身」
中井孝治インタビュー
それだけで良いように思える。
専門誌のリーディングとも言える存在だけに、ショッキングな言葉などで頼らず、シンプルにストレートに表現した方がいいと思うのだ。実際、中身はとってもおもしろいのだから。
ちなみに僕もよくタイトルを付ける身として、こうした「暴露」「独占」などインパクトある言葉を使う気持ちがよくわかる。実際、何度かこの手の「読者を引きつけそうな言葉」を使ったし、今もタイトルをつける時には、パンチを効かせたようなタイトルを考えてしまうもの。でも、言葉に責任をもちたいし、言葉で引きつけておいて、ガッカリさせたくない。だから、文章に関しては、なるべくシンプルに攻めるようにしている。例えば、よくアピールしたくてたまらない人が使う「!」のマークとか絵文字も極力使わない工夫をする。「!」が3本なんて、相当切り札的なこと以外には使えない。
例えば、東スポなんかは、タイトルにダマされるのを承知で買ってしまう、という流れがあるし、みんなも「東スポだから」と笑って済ませる。だけど、トランズ誌は長年イメージの高い専門誌として売っているのだから、ショキングなタイトルで読者に媚びずに(?)、シンプルにして中身で勝負してほしいのだ。
実際、今月号の中身もおもしろいものが多かった。もっと自信を持ってシンプルな題名で攻める、という姿勢が大切なのでは、と思った。題名で引き付けるのは、一時(いっとき)の読者は確保できるかもしれないが、長い目で見たらあまり良いことではないだろう。何度も言うけど、リーディング専門誌と言われるだけに、そういったことに気をつけた方が良い、と思うのだ。
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