dmkスノーボード・クラブもミッチャンとのキララ・キャンプ関係もあり(注:dmkのアヤ部長が窓口業務をしている)、ここ1、2年でお子様を含めたファミリー会員が徐々に増えている。そんな中、あるお子様スノーボーダーのお母さんからこんなメールが届いた。
スノーボードもすっかり浸透しつつあって、ボードにハマってた人たちが親になる段階ですね。
シーズン直前にしてその人たちが今一番興味あることって「こどもに何歳からスノーボードをやらせればよいのか?」ということのような気がします。 私も去ることながら、早く始めた方がうまくなるんじゃないかって期待しちゃったりなんかして(笑) 初めて板を履かせたは4歳でしたが、脚力のない子を立たせるだけでも一苦労だったし、 本人も思い通りに動けないことが楽しくなかったようで、全然興味をもってくれませんでした。 それで次の一年はまったくやらず、6歳で改めてLTRから始めました。 某ソーシャルネットサービスのコミュニティなんかでは今、 |
以上の内容だった。
自分も2歳と4歳の2人の子供を持つ身。その気持ちはよくわかる。
特に最初の子供というのは親が勝手に夢を持ってしまうものだ。自分自身、大河(長男4歳)を将来サッカー選手に育てるか、なんて考えてしまうし。まあ最低限スノーボードでオリンピックに行ってもらおう、なんて大胆なことも考える(笑)。しかし、現実を見渡せば大河は昨年スキーをやって、ずいぶんと苦労した。結局、スキー=帰りのホットチョコレートが楽しみ、という図式になっていて、本来スキーを楽しむということがうまくできなかった。まあ、それなりに楽しんでいたこともあったけど。ともかく、スキーをやらせてみて雪と親しみ、その後、スノーボーダーに、というもくろみは崩れた。
子供がいなかった時、自分は漠然と「親の身勝手な夢を抱かすのはよくない」と考えていた。だけど、実際に子供を持つと、不思議なもので競争社会で少しでも自分の子供が上に行けばいい、ということを考えてしまうものである。だから、自分の子供がまだ話しもできない時、同じ年頃の他人の子供が話せると気になったものである。おお、あいつはもうオムツを取れたのか。大河いい加減にトイレでウンコしろよ!と言ってみたり。 だけど、ある日気づいたのだ。考えてみれば子供の成長もスノーボードの成長に似ている。早く上達する子もいれば、ゆっくりと成長する子もいる。大切なのは、その子が成長という旅をするにあたり、温かく見守り、ある時は厳しく教え、ある時はやさしく包みこむ。親の役目はその子の成長の足取りを確かなことにすることだ、と。 スノーボードというのは何歳から始められるのだろうか? このことはそれぞれの子供の持つ脚力などの体力面、また何より子供のスノーボードに対する興味などによることが大きいのではないだろうか。
ここで1つウィスラーを例にとってみると、まずウィスラーというのはキッズのスキープログラムが3歳からある。このプログラムは週2回のレッスン&ランチに、シーズンパス付きで518ドル~(注:早い時期に申し込むと安くなり、また3つあるキッズスクールのエリアでも値段は変わる)で購入できるので大変安い。3歳の子供はデイケアー(託児所)に預けるのも同じような値段だから、大変人気があるプログラムだ。しかし、ウチは大河3歳の時にそのプログラムに参加しなかった。
理由は2つ。1つは、大河が喘息を持っていて、託児所関係はすぐに風邪を移されてしまって面倒だから。もう1つは3歳のクラスというのは、ほとんど雪遊びが中心で、先生はその子供の面倒を見るのが大変でオムツもなかなか変えられない、ということだから。「一日が終わる頃にはオムツがグッショリよ」なんて聞いていたし、「まっ、来年でいいか」と思ったのである。それで昨年は時々、オレが大河といっしょにすべりに行ったのだ。それにしてもボーゲンを教えるのも一苦労で大変だったなあ(笑)。
大河は4歳になって喘息にもなりにくくなり、今年の冬からスキープログラムに参加する。大河の近所の子供やお友達は4歳で立派なスキーヤーになっている子も多いので、ひじょうに楽しみだ。
大河はオレがスノーボードをやっていることは知っているし、またよくスノーボードのビデオを見ることもあり、スノーボードに対して大きな興味を持っているようだ。それで、大河にはスノーボードもやらせたくて、今年クラブ員の方から、子供用ボードを譲ってもらった。しかし、ウィスラーで大河のサイズのブーツとバインディングがどこの店にもなかった。カナダで最もBURTONを販売していると言われているウィスラーのショップ(ショーケース)にも聞いたが、「入って来るのかどうかもわからない」と言われてしまった。自分が4歳、5歳用のスノーボードを見つけられなかった経験で、「そうか、こちらの子供は例えウィスラーという土地柄でもほとんどの親はやらせていなんだな」ということがわかった。
このコラムを書くにあたりウィスラーのキッズプログラムを調べてみた。そうしたら、スキーに関しては3歳から12歳のプログラムがあるが、スノーボードに関しては7歳から12歳しかない、ということがわかった。ふーん、自分が思っていたよりも、カナダでは子供にスノーボードを幼い時にやらせないものである。
確かにだいたいどこの親も「最初はスキー。大きくなったらスノーボードをやらせてみる」という意見が大半なのだ。さすがにカナダだけにキッズ用のスキー中古の市場は大きい。大河もヘルメット、ゴーグルも含めて、スキー用品を1万円で揃えることができた。しかし、スノーボードというと前途紹介したあり様で商品取り寄せもできないのである。
さて、最終的な自分の見解を。
幼い子供の成長速度の差は大きい。だから、まずは自分の子供が脚力が確かについているか、どうか確認。具体的には、ちょっと高いところに上ってジャンプを始めるような子供は脚力がついていれば、体力的にはスノーボードができると思う。個人差はあるが、きっと年齢は2歳から4歳なのではないだろうか。
3歳前の記憶はほとんど思い出せないという。だから、3歳前の記憶を蓄積できない段階でのスノーボードは英才教育にもなり難いと推測する。だから、やっても3歳ぐらいから。だけど、その年齢では、雪だるま作りや雪合戦、ソリなどの方が楽しめるだろう。こうして雪遊びを教えてみるのが第一歩だと思う。 実際に雪上に行っても、寒いとか、やってみたら難しいとかで、なかなかうまく楽しんでやってくれない可能性もある。ある程度見極めして、嫌いなものを無理矢理に食わせるのではなく、引き下がってみることも必要。 間違っても無理矢理やらせるべきでなく、「こんなに高いもの買って、こんなに苦労して来たのに・・・」などと考えないように。その「こんなに」という言葉の中に親のエゴが入っているのでは? |
ところで子供の幸せとは何だろうか?
スノーボードをやってオリンピックに行くことが本当に幸せになるのだろうか。もし、本人が望んでそうした道を選んだのなら、きっとそれは1つの幸運をもたらすに違いない。だけど、人生は長い。一時の成功なんかよりも、もっと人生は深く重みがあるものだ。
だから、子供には将来幸せになってもらえるように、困難に立ち向かえる抵抗力を身につけてほしいと考える。また、感謝する気持ちを忘れないで、今、起きている幸せをしっかりとかみ締められるような人に成長してほしいと願う。また、子供は自分とは違う人間だし、違う傾向も持つハズだから、その子に似合った仕事を見つけてほしい、とも願う。
まだまだ自分も親4年目の新米だけに教育論なんてとても語れない身だが、今のところはそんなことを考えている。スノーボードに関しては、専門でもあるのでよかったらぜひ参考にしていただけたら、と思う。そして、ご質問もウエルカム!