【コラム】カタログ号の役割

広告 five  

スノーボードのカタログ号の季節がやって来ました!
先発、スノーボーダー誌に始まり、フリーラン誌、トランズ誌、スタイル誌・・・。
購入された方も多いと思います。

news130705c
カタログ号というのは、来るべきシーズンに向けて最新のギアをご紹介するというもの。
スノーボードのギアを毎年買い替えるわけではないにしても、最新ギアを見るのはスノーボーダーとしてワクワクするものです。
毎年、この時期にリリースされるのが特徴で、一般の人からすると「やや早い」という印象もあるかもしれませんね。

昨今、デパートのサマーセールの時期も早過ぎるという話も出ていますが、どこもかしこも年々、商売のローテーションが早くなって来ているのです。

広告


ビジネスの形態としては、各ブランドのページは広告になっています。
専門誌からすれば「ここが稼ぎどころ!」という感じで、たくさんのブランド商品を紹介しています。
だから、ブランドを紹介する営業合戦も激しくなります。

実際、専門誌のカタログ号で生まれる収益は、他の号よりもずっと多いのです。
もしかしたら、ここで一年ぶん稼ぐという感じかもしれませんね。

しかし、一方でカタログ号の意味が薄れている現状もあります。

理由は、

1)1つの専門誌にすべてのブランドが揃わないので、ユーザーはある雑誌を購入したら、お気に入りのブランドが入っていなかったということがある。
2)雑誌でなく、ウェブサイトからカタログが出るようになった。むしろ雑誌以上にすべてのアイテムを見ることができる。

以上の2つ目の理由は、とても大きいと思います。
ユーザーは、すでに雑誌で見なくても、お気に入りのブランドのカタログをデジタルですべてチェックできる時代なのです。

それでは、カタログ号の意味はなくなったのか?というと、そうでもありません。
僕は、以下の理由があり、それが大事な要素だと考えています。

1)紙媒体で見れる気軽さ。僕個人的としてもページを1枚1枚めくりながら雑誌や本を見る方が好きです。PCなどの画面よりも!
2)自分が見たかった情報以外の情報も入ること。

この2つ目の理由は大切です。
雑誌のカタログ号のお蔭で、気にしていなかった他のブランドの情報も得れます。
思ってもみてなかった情報というのは、その人にとって必要であることも多々あると思うのです。

例えば、僕は本を読むのは好きで、よく本屋に行きますが、それは購入したい本を狙って買うのではありません。
それなら、ネットで買えばいいからです。
むしろ、本屋をブラブラしながら、まったく思ってもいなかった本を探しに行くのです。
これまで、自分が購入していなかったような分野にもチャレンジします。
すると、そこには人生においての重要なヒントを与えてくれたりするのです。

それと同じように、スノーボードのカタログ号にも思ってもみなかったスノーボードの情報というのは、出ていることがあります。
カタログ号によって、新たな購買意欲を抱くギアに出会ったり。

また、最新ギアとは別に、今季の流行を知ることで、あなたのスノーボード・ライフを豊かにすることもあるでしょう。

だから、僕は専門誌の方に伝えたいのは、
ギアページ以外にも、ベーシックなギア選び情報、最新のギア選びの流れなど、抜かりなく勉強して作ってほしいということです。
読者に有益になる情報をガッチリとリリースしてほしいのです。

話は、長くなりましたが、最後にカタログ号の知られざるヒストリーもちょっと紹介。
というのも、カタログ号というのは、日本ではスノーイング誌(注:すでに廃刊)が始めたのです。
しかも、世界よりも先駆けて!

90年代はじめ日本ではスノーイング誌とスノースタイル誌という2つの雑誌しかありませんでした。
その中で、日本の専門誌が、アメリカのトランズ誌などとお互いの雑誌を交換し合うという習慣がありました。
最新の雑誌をお互い送って、情報を共有し合うような習わしです。

当時、スノーイング誌をアメリカに送ると、「まるで電話帳だね!」と揶揄されたことがありました。
揶揄というか、「スゲエ!」という感じで、おもしろがられたというか。
すると、1年か2年だったか経って、アメリカの雑誌の方でも同じような行動を取ったのです。

そこで、日本の専門誌の編集長は「マネしたな。」と言ったのです。

なぜ、僕がそのことを知っているかというと、僕は当時、スノーイング誌のバイトをしていて、編集長のサポートをしていたのです。
バイトなので、バイトらしく原稿の打ち込み作業や、読者ハガキの整理などをしていたのですが、
一方で編集長付きのバイトということで、僕は編集長のサポートが主な仕事でよくいっしょに仕事をしていたのです。
だから、そういう歴史を知っているのです。

広告