五輪前哨戦はショーン・ホワイトの勝利!

あと一年後に開催されるバンクーバー五輪の前哨戦となったW杯バンクーバー大会は4年ぶりにFIS World Cupに復活したショーン・ホワイトが優勝!
ライバル青野令との激しいバトルは、まさに仮想五輪を様相した。

4年ぶりのFISのW杯に帰って来たショーンが優勝!だけど、令はここでなまじ優勝するよりも、2位だった方が一般メディアに騒がれないので良かったんじゃない!?

Report & Photo: Fusaki Iida(dmk GLOBAL)
Spechial Thanks: Shu Takaishi (CSBA)

まさにあと一年。同じ場所、同じパイプで滑りたい!という思いを元に世界屈指のハーフパイプ選手が集まった夢の祭典。

アメリカ勢のショーン・ホワイト、女子ではケリー・クラーク、ハンナ・テーター、グレッチェン・ビューラー、オーストラリアのトーラ・ブライドなども加わり、これまで名ばかりのFISワールドカップは、まさに世界最高峰の選手を決めるにふさわしい大会となった。

この日の青野とショーンは、まさに意識し合ったかのように似たようなルーティーンで挑んだ。
また練習ランから二人は、かなり近い時に滑っていたので、まさに火花が散っていたような印象を与えた。青野もショーンも来年に迫った五輪を見据えて、このバンクーバー近郊にあるサイプレス・マウンテンのパイプをかみ締めているようだった。
特にこの日の青野の滑った練習ランは誰よりも多く、早くもロード・オブ・ザ・五輪モード全快!

勝者はショーン・ホワイト。表彰台では、アメリカ国家が流れたが、愛媛からやって来たE.P.BROの青野令、そして藤田一海もショーンに負けない輝きを放った。

優勝したショーンの決勝1本目のルーティーンは、お馴染みの超デカいストレート・エアーで入り、その後はバックサイド900、フロントサイド1080、キャブ1080、アーリー・チャックというルーティーン。

一方、2位に甘んじた青野令の決勝1本目のルーティーンは、ショーンに負けないビッグなストレート・エアーの後、バックサイド900、フロントサイド1080、キャブ720、フロントサイド900というルーティーン。
2本目は4発目のキャブ7をキャブ10に変えてショーンに挑んだ。

しかも青野はショーンと遜色ないルーティーンである以上に、見事なフラットスピンで回し、着地で完璧にストンプしている分、上ランクの滑りをしているように見えた。
一方のショーンは、
やや斜め回転する分、同じスピン数トリックでも楽なものに見えてしまうし、着地でも両足同時にドスンではなく、テールからノーズに流れるように強引にメイクるというスタイル。

実際、この日の大会を観戦していたあるレジェンド・カナディアン・ライダーも「僕はリョウの優勝だったと思うよ。」というコメントを残しいる。

この日、青野のショーンに負ける材料は、縦回転がないというバリエーションの弱さ。またショーンの横回転が、やや縦っぽく見えて、インパクトを与えたということもあったというところか。あとは、なんと言ってもショーン独特な華やかさがこの日の結果を決めたようにも思えた。「ショーンがW杯にやって来た!」というムードに会場は支配されつつあったのだ。

しかし、青野はこの日のランで改めてフラット・スピン世界一というものを見せ付けた。2年前のウィスラー春大会の頃はバックサイド・スピンの凄さに加えて、フロントサイド・スピンの弱さも感じたが、ここ2年で完全に払拭!フロントサイド・スピンも世界最高峰のレベルになった。
今後、青野に求められるのは、ジャッジにバラエティ感を与える縦回転。それとスイッチからのバックサイド・スピンというところか。

青野と切磋琢磨して成長している藤田一海も、相当なポテンシャルと成長を見せる素晴らしいランだった。青野とは逆にやや苦手に見えたバックサイド・スピンも世界トップ・レベルに。残念ながら4位に甘んじたが、3位のランになってもおかしくないランだった。
3位に入ったスイスのVolcomボードのライダー、Iouri Podladtchikovがフロント10からのキャブ10を見せた分、勝ったようだ。

その他、日本勢では工藤洸平が、これまたポテンシャルの高い滑りで決勝に残ったが、予選2本目で負傷し決勝を欠場。出場すれば上位を狙えたのに残念。
また、もう一人の愛媛の雄、渡部耕大は、相性悪くショーンなどがいる実力者組の2ヒートに入ったこともあり、ギリギリ決勝に進めず。しかし、本人は「まだ今の状態で決勝に出るのは恥ずかしいですよ。」と、謙虚なコメント。持ち前の実力を発揮できないジレンマにありながらも、まだまだ上を狙う姿勢が伺えた。
また、村上大輔は、残念ながら転倒し、予選敗退だった。

男子では、その他、ルイ・ビトーが最高にぶっ飛び凄かった。転んでなかったら表彰台を狙えただろう。

フラットスピン世界でナンバー1!dmk的には青野令が金メダル。

     

アイ・オブ・ザ・タイガーの音楽をバックにビクトリー・ランを見せたショーン・ホワイト。

女子では、男子並み、否、それ以上にぶっ飛んでいたケリー・クラークが優勝!

しかし、2位に入った中国のJiayu Liu。ヤっバ過ぎ!まさに男並みの力強いランで、女子のレベルを引き上げるのに一役買っていた。練習ランでも圧倒的な強さを見せていて、実力を出し切れば優勝する可能性があった。さすが世界選手権の金メダリスト。

中島志保も健闘していたが、残念ながら日本勢女子が今後、ケリーやJiayu Liuに勝つことは至難の業に見えた。メダルの道は険しそうだ。

女子3位はハンナ・テーター。前五輪の金メダリストでまだ若くポテンシャルも高いが、この大会限りではケリーの方が一枚も二枚も上に見えた。

あと、女子では転倒による表彰台を逃したが、男並みのマックツイストや超スタイリッシュなスイッチ・バックサイド540を決めるトーラ・ブライトが一際輝いていた。

今大会を見る限り、あと一年に迫った五輪では。
男子はショーン・ホワイト、青野令、藤田一海、それにケガで出場していなかったコクボ。
またさらに米国勢では、ルイ・ビトーの他、今大会出場していないケビン・ピアース、メイソン・アギーレ、ダニー・デービスという、まさに日米対決になるのでは?という予感がした。

女子では、ケリー・クラーク、中国のJiayu Liu、トーラ・ブライト。
そして、ハンナ・テーターがどこまでレベルアップして高いメダルを狙えるのか、というところ。前五輪の銀メダリストのグレチェン・ビューラーは、独特な縦回転トリックを持つも、以上の4名よりも弱い印象を受けた。

五輪まであと一年!
まさにこのバンクーバー決戦は、あと一年後の五輪を占う意味でひじょうに興味深い一戦となった。

見よ!一海の一発目の超ぶっ飛び!

ボルコム・ボードのスイスのイオーリは3位に! 決勝一本目で転倒に終わった中国のJiayu Liuだが2本目で見事に挽回!
アメリカのコーチの助言に熱心に聞いたショーン。意外な一面!? ゲレンデの特設メディア・センター。各国のライターたちが速報をすぐにお届けできる場所。
   

愛媛のE.P.BROの令&一海は輝いていたぞ。

日本人選手がゴールすると即効、取り囲む新聞記者さんたち。シホちゃん(中島)ご苦労様です。
   

バレンタインディーに・・・、マジかよ!ショーンはトーラちゃんのチョンと鼻を突いた後、抱擁しやがったぞ。

だけど、ミーハーにもその憎き(?)ショーンと、記念撮影した私でした。


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