ボーダークロス伝道師/福島大造

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ボーダークロスというカテゴリーでクロス創世記時代から参加し、日本の第一線で活躍したライダー福島大造。彼は今、レースの第一線から退くも、この世界の伝道師として新たな道を歩み始めている。その活動の一環として、今年も「3rd BOARDER-X CAMP in 白馬さのさか」が行われることになった。そこで、このキャンプのヘッド・コーチを勤め、またディレクティングも行う福島大造にインタビュー。なんとかこうとかの話を伺った。

フサキ(以下F):そもそも大造くんがボーダークロスをやろうと思ったきっかけは?
大造(以下T):たまたま篭っていたスキー場で大会があって楽しそうだったから。結果は2回戦負けぐらいだったと思います。だけど、単純明快でおもしろく感じたし、自分に合っていると感じました。

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F:元々アルペンもやっていたということだけど、どうしてフリースタイル・ボードを乗るようになったの?
T:初めてのスノーボードはハードブーツを履いて、ホットやラクロアに乗っていたんです。スラロームの大会にも出たりしてました。
フリースタイルをやろうと思ったのは、飛ぶのが好きだったことと、大きな大会のスタッフとして参加した時、ロブ・モローやテリエやレト・ラムなど多くの凄いメンバーを目のあたりにしてその魅力に惹かれたから。あと、シャノン・ダンがカワイかったから(笑)。もう13年ぐらい前かな?

F:スノーボード歴はどれくらいになるの?
T:今年で14年目ぐらいだと思います。

F:エクストリームの世界でも活躍したと聞いたけど。
T:パイプとかすべての飛びにハマっていたんです。だけど、天神平に篭っていたことで、自然とエクストリームというかオフピステの方に気持ちが行きました。そして新しい斜面斜面と追い求めていくとで、緊張感のひじょうに高い斜面を滑ることになっていったんです。無事生還し、トラックを眺めるのがなんともいえない至福な時。

F:今でもバックカントリーに行ったり、またそこで撮影をするの?
T:プライベートでは、ほとんどバックカントリー。ゲレンデを滑る方が少ないかな。ゲレンデが嫌いなわけじゃないですよ。ゲレンデカービングからパークにパイプと好きですから。でもレールは見るだけ(笑)。バックカントリーでの撮影は年に2回ぐらいはしてるけど、なかなかいい写真が残せていない。恥ずかしいばかりです。

F:ボーダークロスをやっていて大事なテクニックの話を教えてください。

T:クロスに大事なことはトータル・スノーボード。飛びもでき、滑りもできること。またクロスコースのあらゆる地形を体全体で感じることが大事というか感じてほしい。それは普段日本のスキー場ではなかなかない自然の地形。自然の起伏等を人工的に作ったのがクロスコースみたいなものだから、流れの中で体で感じながら滑ってほしいんです。その究極が大会なんだと自分は思っている。

F:なるほど。これからボーダークロスの大会はどうなって行くと思う?
T:自分が始めたのが、11年前かな。その数年前にダミアン・サンダースが考案したとも言われています。ボーダークロスも時が過ぎるの共に、コースもかなり変化し、競技名もスノーボードクロスに変わったけど、古い時代の自分としてはボーダークロスと言ってしまうことが多いし、だからキャンプ名もボーダークロス・キャンプなんです。
来シーズン行なわれるトリノオリンピックを機会にもっと盛り上がることを期待してるし、そうなるように現在活動中。また、危ないとかいろいろ言われるけど、クロスコースの設計次第で、レベル問わず誰でも安全に楽しく大会やイベントに参加できるのも、クロスの特徴なので、設計できる人が増えればもっと多くの人が身近にできるものと思っています。

F:今回のキャンプのことを教えてください。
T:今年のキャンプもエキスパートから初心者まで幅広く募集。それはこれから大会に望む人に良い成績を残してもらうために天海プロとスタートゲートを使っての実践講習。その反面、クロス初心者には、最終的にクロスコースを楽しく滑って降りてこられるような講習とレベルに応じて、クラス分けをし、生徒さんにあったレッスンをします。 最後にはクラスごとに分かれてのレベルに合った方法のクロス大会を今年もします。お楽しみに!

F:ところで大造くんのスタンス設定を調べたら、ダックにしていたようだけど。
T:記載の間違いじゃないかな?もしかしたら後マイナス3って書いたかも。未だ今年のセッティングが出ていないんですよ! 板によって多少変えた方がいい時もあるので。オレが思うダッグの利点は中速域まではひじょうに滑りやすいこととか、バックサイドのターンの時体が開きずらいこととか、人の体に優しいいのではないかと思う。スクワットをする時などのことを考えてみて。足元は普段いつもハの字だから。ぶっちゃけいろいろ試したけど未だ答えは出てないのです。

F:じゃあ、ここでこれからクロスをやる人に対してオススメの角度を伝えるのは難しい?
T:クロスの特徴から考えると、滑りと飛びの融合なので、極端なダッッグや極端に角度を入れなければいいと思う。滑りと飛びを考え、前が18度前後で後が〇度前後をベースに自分の骨格や脚力を基にセッティングをすればいいです。

F:第一線で活躍していたところから、これから指導者などを目指す背景について教えてほしいのだけど。
T:指導者とは自覚無しだし響きもイヤ。なんかコーチが職業みたいで自分の柄じゃないですね。どちらかと言うと伝道師とかアドバイザーとかサポーターみたいな感じかな。キャンプやそれ以外でも指導はするけど、こういう楽しみ方もあるんですよとか、こう滑ればもっとうまく滑れて楽しいからとか、勝ってほしいから何かを伝えたり応援するといった感じ。これが指導者か!

F:最後にこれからも目標や夢を。
T:クロスに関しては、生き残っていく競技にしていくこと。様は子供ができて「父ちゃん何してたの」と聞かれた時に「ボーダークロス」と答えた時に子供が「何それ?」と言われないようにすること。まー結婚できればですけどね!
あとは温暖化がストップし雪がたくさん降り、そして山に多くの人が訪れること。
それと、日本そして世界中の山々で極上のパウダーを仲間と滑ることです。

SPONSORS: Volkl snowboard、 a-seven、 SMITH、 マツモトワックス、 FreeRide Helmet、 ジンバブエ、 クリプトン

【経歴】
91/92
スノーボードを始める
このシーズンよりスノーボードの国際大会などの設営 運営スタッフとして働く

93/94
天神平スキー場でインストラクターを始める
ハーフパイプを始めると同時にハーフパイプ造りも始める

94/95
南米チリ、アルゼンチンに 3ヶ月、スノーボードトリップに行く
。スノーボードクロスに出会い出場する
NITRO よりハーフパイプの選手として道具の提供を受け始める
エクストリームボーダーとしてプロ活動も始める

95/96
天神平スキー場にて圧雪車のオペレーターを始め、クロスのコースも造り始める

96/97
国際大会に初出場をする
日本初のクロス連載の記事(山と渓谷社SNOWBOARD誌)を書き始める

97/98
NITROから再度サポートを受け始める
ジャパンオープン 2位
ファーストカップ 2位
JSBA全日本選手権3位
moss cup 優勝
マスターズ free ride cup 優勝
M t, H ood vagetage 98 日本代表

98/99
中央アジアのカザフスタンにスノーボードトリップに行く
サロモンカップ 3位
W- GAME 3位

99/00
第一期のクロスのプロとして昇格を決める
A- SEVEN (デサント)と契約する
00/01 NITRO (PIAA)と契約する
シグネチャーモデル「TAIZO60」発売
ISF ASIA シーズンランキング3位
ISF CHAMPION SHIP EVENT に参加のため海外を転戦する
スノーボードクロス HOW TO ビデオ作りに参加する

01/02
PSA スノーボードクロス技術員になる

02/03
VOLKLに移籍
PSA 副会長に就任する
チームEXPANDを立ち上げる

03/04
選手、そしてXスポーツの発展のために?クリプトンズ・ファクターを立ち上げる
全国 8 箇所でクロスコースのプロヂュースをチームで行う
iRiver Japan と契約

04/05
現在、現役選手、エクストリムーもこなしながら発展のために活動中

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