昨今、ウェアの早期受注が以前よりも難しくなったと聞く。
ウェアの早期受注とは、シーズン前からサンプルやカタログをユーザーに見せて、そこでオーダーを受けるというもの。
ショップにとっては、シーズン前に売上を確保でき、ユーザーにとっては人気のウェアを早めに確保できるシステムというものだ。
そこで今回は、どこよりも早くウェア早期受注で成果を上げて来たショップ、bs east(ビーズイースト)店長・武村 篤氏にその理由を伺ってみた。
Q ウェアの早期受注が以前よりも難しくなった理由は?
一つには、メーカーのオフィシャルサイトへの商品掲載が以前よりも遅れていることがあります。
また、各ショップも早期受注へのあきらめ?からか、情報掲載、発信に対する勢いが弱いと感じます。
結果的に情報の少なさからユーザーの購買欲のエンジンがなかなかかからない。
待っている感があります。
また、ウェアの展示用サンプルの貸し出しに対しても、経費がかかる割には効果が見込めないという
後ろ向きの考えも見られ出し、メーカーからの協力が得られず、ユーザーにお披露目するにも内容が薄くなりがちである。
Q 確かにここ1、2年、何をやってもうまくいかないという空気で、プロモーションに対して疲弊した印象もありますね。
その他に考えられる要因はありますか?
地味なデザインのものから派手なデザインに変化していった時は違いが分かりやすく、
今着用しているものだと『古い』とか『変えなきゃ格好が悪い』という心理が働きやすいのですが、
ここ数年はウェアの変化が地味であり、実は拘った機能やアイデア、新しいコンセプトがあるにも関わらず
どこも似たような物にユーザーの目には映っているようで、魅力を感じてもらいにくいのではないかと思います。
私達はその一見分かりにくいが魅力的な部分を伝える事、情報を発信、提案していかなければいけないと感じます。
Q 作る側が守勢に回り、おもいきった冒険をしていないかもしれませんね。
「仮説を立てて見出すことが業界的に大きな課題」とコメントする武村氏。 |
もう1つ言えるのは、ギア関係にお金が回ってしまったということです。
近年のボードの形状変化から、大きく乗り味が変わり、
その変化を体感出来たことはボードの購入につながりました。
逆にウェアは、安物で間に合わすという状況は否めません。
スノーボードは自然を相手に行うものであり、直接身に付けるウェアに求める機能は凄く大事です。
しかし以前よりも機能がうたわれているシーンも少ない、結果、乱暴な言い方をすれば見た目だけ重視みたいな感じでしょうか。
本当にもったいないことだと思います。
Qユーザーにメッセージを送るとしたら?
素晴らしい機能やデザインコンセプトを持つウェアを着用することで、疲労の軽減、パフォーマンスの向上、惹きつけられるシルエットを得られるということ。
人間、それぞれ価値観は違いますが、せっかくなので私達は、商品を手に取ってもらいたい、羽織ってもらいたい、そして質感や着心地を体感して頂きたい。
デザイナーがどんなコンセプトで、どんな発想で作ったものなのかを知って欲しい。
何でも一緒ではないということを、シーズンイン直前ではなく早期(今でしょ!)に知って欲しいですね。
本当に気持ちがガラリと変わります。
ビーズイーストでは、明後日の木曜日から大展示会を開催されます!