カナダ武者修業を経ていざ日本へ!/関口 強

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久々のニューカマー・ライダーの登場。強生(ツヨシ)は今年ウィスラーで修行を積んだAIRWALKのライダー。

そんな彼にウィスラーでの成果を聞いてみた。


フサキ(以下F):今期のウィスラーの成果は?来る前とどう変わっただろう。
ツヨシ(以下T):全然違いますねえ。日本で頑張るのとウィスラーで頑張るのを比較したら、同じ100パーセント力を出して練習してもたぶん倍くらいは違ってくるでしょう。ただ、こっちに来てもダラけていたりしたら、全然、伸びないですけど。本当にやる気がある人だったら、例えば2年掛かるところを1年でできると思うんですよ。

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F:下手したら3倍とか違うでしょ。
T:そうですね。もう、パイプありワンメイクあり、キッカーありバッカントリーありトゥリーあり、なんでもありますからね。その日、どこを滑りに行くか迷いますよね。まず、ウィスラーかブラッコムか山で迷うじゃないですか。アメリカとか、どうなのかなあ。他も行ってみたいなあ。

F:ツヨシはフリースタイラーでしょ。だから、そのへんで具体的どう伸びたか教えてもらえる。
T:日本で篭もっていた時は、何点かしか伸びなかったんですよ。今年は高さが少し上がったなとか、今年は回転180度増えたなとか。だけど、今回は3月、4月中の大会にも2週間に1度は出ていて、その間も滑れたし。まずグラブ、安定性、高さ、そしてスピンとオールマイティに全部伸びましたね。

F:グラブというのは、どういうこと?
T:グラブは必ず決められるようになった。日本では昨年、一昨年だとまだグラブできないこともありました。だけどウィスラーでの修行のおかげで、たくさん滑れることができ、グラブは必ず決められるようになりました。決められるようになると、高さが出したくなる。高さが出てくると、スピンをやった時にある程度高くても怖くなくなる。ちゃんと順序よくうまく上達できた感じです。

F:仕事はほとんどしていなかったんだよね。
T:奄美という日本的チャイニーズ・レストランでやってました。スノーボード主体だったから、仕事をあまりしなかったけど、いっぱい滑れて良かったですよ。

F:だから、貧乏だったのか(笑)。だけど、それがたぶん後半の成績に出たんじゃない?
T:そうですね。レベルはともかく、2位とか3位とか取れましたからね。

F:こちらの大会で上位に入ったのは勲章でしょ。ところでツヨシは、自分の上達の哲学とかってある?
T:結構、サッカーやっていて体育会系で育って来たので、楽しむことプラス、トレーニングですね。常にスケート、サーフィンをして、身体を使っていないと。身体は運動しないとどんどん衰えるから、積極的に使っていかないと。それと、タバコとかダメだと思いますよ。

F:ツヨシがタバコも酒もやらないのは、もしかしてそのせいもあるの?
T:いやあ、もともとやらないからわからないですけどね。

F:ところで、これを読んでいる人でスポンサーを取ることを目標にしている人も多いと思うけど、ツヨシはどうやってスポンサーを取ったの?
T:スノーボードを始めた時から、ミナミでお世話になっていて働いていました。大会とか出るようになって、成績や写真を残せるようになってから、神田ミナミの石塚さんにAIRWALKを紹介してもらったんです。だから、石塚さんには本当、感謝しています。

F:イッシー(石塚)はそういったところ面倒見いいからなあ。たんに売る店員という枠を超えた人物で、ミナミでは一番の有望株だね。ところで、今度の冬はどうするの?
T:いろいろ方向性の候補はあるですけど、とりあえずまたウィスラーに戻って来て、アメリカとか滑りたいですね。

F:ところでさ、オレ毎年思うのだけど、結構、春と夏って上達しない?
T:やはり冬頑張って来たというのがポイントじゃないですか。それから、春、夏とか雪が柔らかくなると、おもいっきり行けるじゃないですか。恐さとかなくなるし。できない技でも雪が柔らかいとやる気になりますからね。

F:確かに、それは言えているね。ここらで、ツヨシの目標を聞いとこう。
T:関東で上位に入って、今年は全国で上位に入ることですね。それと自分なりの目標としてパイプとかワンメイクにこだわらずに、スノーボーダーとして、トゥリーなどのパウダーとかバックカントリーの知識も含めて全部レベルアップしたいですね。やっぱりスノーボードは、パイプだけじゃないですから。パイプで高く飛ぶだけじゃなくて、全体的にレベルアップしたいですね。ウィスラーに来て、どれだけフリーが大切かわかったんで。

F:あれだけパイプに入っているツヨシが意外なコメントだね。
T:そうなんですよね。だから、パイプしかやっていなかったら、言えると思うんですよ。こっちでおもしろいフリーとか知れたし。

F:最後に夢をどうぞ。
T:あり過ぎるなあ。現実の夢と叶わないのってありますよね。夢だったら、将来的に世界中の山々に豪邸があって一年中滑れて、きれいな嫁さんいて、子供がいて、いっぱい犬を飼ってみたいな。

F:本当?
T:今、貧乏生活だから、そういったことを思っちゃっているのかなあ。叶う夢としては、スノーボードで頂点。誰からも知られるようなテリエを超えるみたいな、それこそ夢ですよね。

SPONSORS: AIRWALK、MINAMI、鳥よし
スタンス幅、アングル: 55cm F21 B-9
出身地: 埼玉県
生年月日: 1974.7.8

 

●インタビュー後記:
今、25歳前後のアマチュア・ライダーが多い。彼らは食べていくのに必死だ。ツヨシもまた同じである。だけど、この春、僕は彼との撮影の仕事を通じて、いろいろな才能を発見した。このようなナイス・ガイが業界に残るように応援していきたいと思っている。

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