今回のスピントリックにおけるキッカーでのラインどりについて。今回もひじょうに興味深い質問で、必見です!
質問者:えでぃ
キッカーで回そうとするとキッカーの手前でライン取りするのですがF540以上の抜けの場合、エッジをかませすぎると、すっぽ抜けそうで怖いですが改善方法はありますか?
よくプロの抜けを見ると前足が伸びた状態になってるのですが・・
まず「すっぽ抜ける」という感覚ですが、おそらくエッジが立ち過ぎていて、同時に体軸も重力に対してかなり斜めになっていると想像します。
斜めの体軸に沿って素直に蹴るということは、地面に対して90度に蹴ることができません。
言うなれば深いカービングターンの最中に蹴ってジャンプしようとするのと同じですね。
この時に考えたいのはノーズ&テール方向のバランスより、ヒール&トゥ側のバランスです。
蹴る時に前足が伸びることについては、ノーズ&テール方向のバランス要素なので今回は考えなくても良いでしょう。
ではどうやってこの体軸の傾きとエッジの立ち過ぎを修正するか?
いくつかご紹介しましょう。
① 後ろ足はフラット、前足でエッジを掛けて抜ける
抜ける際にはエッジを掛けたほうが板がずれずに上半身を回しやすいですから、エッジは掛けたいですよね。
しかし両足のエッジを同じ角度立てたら体軸が倒れるのは当然です。
そこでエッジは前足だけで立てて、後ろ足をフラットにすることを意識します。
後ろ足をフラットに保つには、腰が後ろ足の上に置かなければできません。
これができれば抜けの瞬間は後ろ足で地面に対して真っ直ぐ蹴ることができるわけですね。
となればもうすっぽ抜けることはないですよね。
② 真っ直ぐ飛んでいくイメージより、エッジを掛けながらも少しトーエッジ側に斜めに跳んでいくイメージを持つ
どうしてもエッジを掛けると、イメージしたラインよりも少々エッジ側にラインが切れ込むことは起こるものです。
タイミングを相当シビアに待てる人は良いですが、そう簡単にはできません。
少々タイミングが待てなくて切れ込んで斜めに飛ぶ場合は、最初からそれを想定してわざとイメージするラインを右斜め方向(レギュラーFSスピンの場合)に飛んでいくイメージで抜けます。
そうすると、少々切れ込んでやっと真っ直ぐ飛んでいくことになります。
ついでにエッジが立ち過ぎるのを防ぐこともできます。
③ 360の抜けで、180回ったところから一気に顔と胸をランディングに向ける
回転数が上がるほど上半身を「ぶん回す」ことに頭が回り、足場をしっかり作って上に蹴ることを忘れてしまいます。
実はこの蹴ることがしっかりできると、蹴らずに「ぶん回す」より少ない上半身の回転運動で済んでしまいます。(540より360)
さらにこの「ぶん回し」をやらないことで、よりエッジ角度は抑えられて上に蹴りやすい状況となります。
ということはすっぽ抜ける可能性が少なくなります。
抜けの回転力が弱くても、空中で一気に上半身全体を回転方向に引っ張れば、空中で体幹筋が引っ張られてさらに下半身に回転力を与えることができます。
これだけで90度は多く回せます。
ランディングでは少々下半身を合わせないといけませんが。
④ リップの向こう側にナックルが見えてから蹴る
抜けでエッジが立ちすぎる人の多くは早抜けです。
抜けを待てずにノーズがリップに掛かるずいぶん前から動き始めることで、リップに板のセンターが掛かる辺りでは上体が回転する方向に大きく傾き、結果エッジが非常に立っている状態を作ってしまうのです。
リップの向こう側にナックルが見えるまで待つことで、少なくても上体は前足がリップに掛かる辺りまでまったく動きません。
勝手に回転方向に上体を傾けるようなことが起きないのです。
逆にナックルが見えてしまえば、その後どれだけぶん回しても体は傾きようがありません。
ですから真っ直ぐ上に蹴れるのですっぽ抜けませんし、さらに最後にエッジが切れ込むことも無いので真っ直ぐ飛んでいきます。
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