【コラム】頑張れ専門誌!

ここ最近、専門誌にパワーがなくなって来たようで、気がかりだ。専門誌のコンテンツ内容を見ても、「これ見たい!」と強く思えるものが減っているように思える。そこで、ここで自分なりに勝手に提案してみたいと思う。

ハウツーというカテゴリーであるが、そこには原稿制作者に上達方法のメソッドがなければならない。「こうすればいいよ」という簡単なコツではなく、研究された(注:きちんとコーチング現場で効果を出している)正しい上達メソッドだ。
「これでカービングがあなたのものに!」とか、タイトルがコテコテなものほど、しっかりと作れていなければ、読者はその専門誌のハウツーを信用をなくす。だから、タイトルキャッチが派手なのはいいけど、きちんとその上達方法を記さないといけない。そして、そのためにはページ数もいるので、そのハウツーをしっかりと伝えられるページを確保して紹介した方がいい。

トリック・ティップと言って、トップ・ライダーたちのシークエンス写真を載せるものがあるが、あれは1つのアートになっていたら、ハウツーとはまた違った世界に入るだろう。そこでは単純にトップ・ライダーの凄いライディング・シーンに、ちょっとしたライダーのコメント(トリック・ティップ)があれば充分だと思う。
しかし、この手のコンテンツでショボイものを掲載したら、おしまいだ。
スノーボードのシーンというのは一年現場にいなければ、浦島太郎になってしまう。だから、主に東京で仕事する編集者はかなり信頼をおける最前線のライダーの意見をもらえるようにしておき、このシークエンスが本当に凄いのか、絶えずチェックした方がいい。

インタビューに関しては、そのライダーを出す強い意味がなければならない。よくありがちな怖いパターンは、あるメーカーの広告がほしいために、そこのライダーが出るというパターン。なぜこのライダーがインタビューに登場するほどのライダーであるのか、ということが見えないことがある。その広告絡みのケースでもきちんと切り口を決めていれば、おもしろいものができるので、インタビュー事前の仕込み(情報収集)をしっかりと行い、「なんでこのインタビューが世に出たのか」という明確なコンセプトを打ち出さばいい。

自分の経験から言って、毎月出すというようなことは限界があるように思える。なぜなら、良いコンテンツをリリースする仕込みする時間がないからだ。雑誌はどうしても売れた売れないで判断されがち。だけど、おもしろいかつまらないか、ということをしっかりと冷静に分析することが大切だと思う。
それほどおもしろくないと思っていても売れてしまった時には、自粛して号数を増やさない。
また、実際におもしろいコンテンツを作る力がなくなったと思ったら、クオリティを維持するためにも号数を減らすことも大切だ。例えば毎月出していた雑誌は、季刊誌になることで大幅に号数は減り、クオリティを上げることができる。そして、良質なコンテンツが集まる力を蓄えたら、次レベルで夏号を出してみたり、という展開に持っていけばいいだろう。そうして徐々に力を蓄えることで、長い専門誌ビジネスができることになる。

DVDのおまけは人気があるようだけど、DVDに力を注いだ結果、雑誌本体のクオリティが下がってはいけない。
そして、そのDVDのクオリティが低ければ、今後、DVDの付録というものは、逆に販促を低下させるものになりかねない。

どこの専門誌もカタログ号を出す傾向にあるが、どうだろうか。
逆に「ウチの雑誌はそんな方向で行かないで、コンテンツ勝負で行くよ!」
というところがあれば、個人的にはかなり応援したくなる。だけど、やはり広告代を稼げるカタログ号は外せないか。

全体的に読ませるコンテンツが減っているような傾向がある。読ませるコンテンツは、お金が掛かる傾向がある。なぜなら、そのように深いストーリーを作ることは取材にも時間が掛かるし、手間も掛かるからだ。専門誌は、フリーのライターやカメラマンに執筆&撮影したページ数などで支払いをする傾向にあるが、一層のこと固定給という最低賃金を決めて、あとは読者の人気度で原稿代やら写真代やらを決めるというのは、どうだろうか。そうなれば、カメラマン、ライターなどの競争心も生まれ、またそこでプロフェッショナル度も磨かれていくと思う。

読者が感じる気持ち良いコンテンツの割合というのがあると思う。だからそのバランスを研究する必要があるし、何よりその割合を決める必要があるだろう。
例えば、ハウツーばかりでは飽きると思う。スノーボードのハートを揺さぶるインタビューがあったり、自分の部屋にずっと飾っておきたい写真ページがあったり、ギアに関する情報ページもあり、読者の声を伝えるコミュニティページがあったり、そしてハウツーもいろいろな種類があったり、と。
そして、これらのコンテンツ割合を決める人は、編集長の独断と偏見の感覚で決めたら、いいと思う。
しかし、今の雑誌は各編集者が良い企画!と思ったことを自由にやって(注:一応、企画会議とかしているのだと思うけど・・・)、最終的にそれらのまとめられたのが1つの雑誌という流れになっているようだ。そこには、心を揺さぶるコンテンツがこの割合必要だとか、ためになる情報系がこれくらいの割合で、という戦略がない。すると、出来上がったものが、企画内容がダブるものがあったり、同じような種類のコンテンツが並んでいるケースも少なくない、ということに。

編集長というのは、監督のようなものだろう。ジーコ監督は、結果を出せずに退陣した。編集長も独断と偏見的な自分の感覚でコンテンツを決める権限がある代わりに、負けた時(売れない時)には残念だけど、引き下がるということも必要だろう。

以上、かなり勝手にいろいろ言ったのは、本当の意味で自分がその現場にいないからということもあるのだけど、もしかしたら今の専門誌に参考になるかもことがあるかも!ということで提案させてもらった。頑張れ専門誌!