【コラム】自然を相手に

文:齋藤 稔

今年は雪の当たり年のようで、日本各地で大雪のニュースが流れている。実際今年の雪の量は半端じゃない。一日で車がすっぽり埋まってしまうくらいの降雪量が各地で報告されている。こんな事は、ここ数年無かったこと。我々スノーボーダーにとってこれ以上ない新世紀の幕開けとなった。

雪が降ればパウダーが滑れると言うことで多くのスノーボーダーが山に向かっていることだろう。dmkでも先日クラブのツアーで白馬岩岳に行って来たが、二日目はとんでもないパウダーに遭遇した。普通のゲレンデなのに足首から腰までのパウダーが楽しめる。しかも山の一番上から一番下まで全部。生まれて初めての経験に頭の中が真っ白になるまでパウダーを堪能した訳だが、いくつか気になった点もあった。氷点下なのに薄着の人たち。雪が降っているのにニットキャップやゴーグル無しで滑っている人たち。どう考えても山をなめているとしか思えない人たちがいるのだ。

人工的に整備されたゲレンデとは言え、実際は自然の山が相手だと言うことを忘れている人が多いんじゃないだろうか?リフトやゴンドラで簡単に上まで登れてしまうし、パトロールやスキー場のスタッフもいる。でも最低限の事は自分でやらなければならない。例えば雪が降る中ニットキャップやゴーグル無しで滑ることがいかに危険か考えたことがあるだろうか?ゴーグルは吹雪の中でも視界を確保してくれる便利な道具。視界を確保できないと言うことは、状況判断ができなくなり、コース外に落ちてしまったり、人にぶつかったり、そんな危険がでてくる。ニットキャップは頭と耳の保温を行い、髪の毛が凍り付いたりしないように守ってくれる。髪の毛が凍り付くと言うことは冷凍庫の中で頭に氷を付けて我慢しているのと同じ事。どのくらい体に悪いかはすぐに想像がつくだろう。

パウダーを滑るのは最高に楽しい。たぶんスノーボードの原点を感じるからなのだろう。でも、ゲレンデだからと言って山をなめては行けない。バックカントリー用の装備をとまでは言わないが、暖かい格好とニットキャップ・ゴーグルくらいは装備して、山に向かおう。自然を相手に楽しむ最低限のマナーなのだから。