【コラム】気持ちしだい

文:齋藤 稔

先日、友人のサーファーが草大会のオープンクラスで優勝した。同じく彼は全国大会の地区予選を勝ち残り東日本選手権に出場する枠を勝ち取るなど頑張っている。同い年の28歳でしかも海なし県である栃木県から海のある茨城まで休みの日に通っての勝利。昨年までは千葉に住んでいて毎日のように海に入っていたが、成績を残せなかった。なのに今年に入ってこの勢い。さらに話を聞くとこの優勝した大会、3年前は2回戦くらいで負けているのだそうだ。その時はオーストラリアサーフィン修行帰りで一番海に入っていたときだったとのこと。2年前に比べ年も取っているし、波に乗る回数も減った。でも成績は残るようになった。なぜなのか?答えは彼の言葉にあった。彼にいったいどうしたのかと聞くとこんな返事が返ってきた。

「海がないところに戻ったから勝てなくなった。ヘタになった。って言われたくないじゃない?だからどっちかっていうと今の方がきちっと練習するね。負けたくないっていうだけじゃなく、どんなコンディションでもサーフィンするからね。あっち(千葉)にいた頃はコンディションが悪いと『今日はいいっか~、波ワリ~し』って入らなかったもん。今は何時間もかけて海行って波悪いから帰るなんてもったいなくてできないね。サーフィンできる時サーフィンしたいから」

今はショップとライダー契約を結び、サーフボードやウェットスーツなどをサポートしてもらっているという。「これで頑張らなきゃなんか凄く悪い気がするんだよね。一生懸命やりましたってちゃんと言えるように練習して大会に行かないとさ。」ショップのサーフィンスクールもきちんと教えていて評判も上々らしい。「オレ、サーフィン好きだからさ、もっと盛り上げたいのよね。いいよ~海は、ってことでサーフィンやろうよ(笑)」彼の挑戦はまだまだ続くようだ。

良く聞く言葉に「籠もってるヤツにはかなうわけない」というのがある。果たして本当にそうだろうか?いくら毎日滑れる環境にあるからといってそれがうまくなるために絶対必要なことなのだろうか?会社に勤めながらゲレンデに通いプロにまでなったライダーだっているという現実を見てほしい。もっと言うなら現役のプロ・ライダーでも会社に勤めながらプロ活動を続けているライダーだって少なからずいるのである。良い環境にありながら気が付けばその環境に甘えてしまい、周りから置いて行かれてしまうということの方が実際は多いのではと思う時もある。
その友人は笑いながらこう続けた。「まぁ、結局、自分の気持ちしだいでうまくなれるよと思うよ。やっぱりなんだかんだ言いワケしたりってカッコ悪い。だって誰か他から言われてやってるのでもないんだから自分しだいでしょ?毎日海に入れた時は勝てなかったけど、限られた時間で乗るようになったら勝てたってやっぱそういうことじゃないのかな?だからさ、ミノルも今年の冬はがんばってよ。そろそろ勝っちゃっても良い頃だからさ(笑)」
おっしゃるとおり今年の冬も頑張ります。