【コラム】敷かれたレールにハマったライダーたち

今まで自分は、プロで食っていくための様々な提案して来たが、久しぶりにまたおせっかいなコラムを書きたくなって来たので、ここに発表しよう、と思う。 基本的な提案内容としては、前任者が作った敷かれたレールだけで歩くのではなく、もっと自分で切り開こう!というもの。

例えばスノーボードの専門学校というのがあるが、そういうところを卒業して大きな仕事をした、という人を聞いたことがない。学校を出てプロになるのも少数であろうが、そこからさらに大きな仕事したという人となると、ほとんど聞いたことがないので、何か学校というのは夢だけを売ってあまり成果を生んでいないような気がする。

実際、学校の様子などを拝見すると、そこで教える方たちはみんな真剣に考え生徒を伸ばそうと日々努力していることがわかる。またそのような苦心の結果が、将来、大きな仕事をするプロ・ライダーを出すことも否定しない。だが、学校というような存在が、本当にスノーボードで飯を食っていくことを伝授するようなものでもないような気がする。つまり、もっとアウトロー的なチャレンジ精神を磨かないといけないと思うのだ。それを学校で教えることもできるかもしれないが、それは学校などに頼らず、自分でその境地を開いて行くしかないように思えるのだ。
実を言うと、自分はスノーボード専門学校の関係者の方とも親交が深く、こういったことを言うのも心苦しいが、逆に言えばそういった今の流れを断ち切るためにも斬新で革命的で、ともかく有効な授業を開いてもらったら、と思う。

日本独特の日本スノーボード協会のプロという組織も、今では本来の機能を失ったような気がする。例えば、 JSBAの一期生頃のプロの竹内さん(正則)や豊田さん(貢)などは、プロになってからさらにメディアで活躍された。その後に数年、やはりプロという肩書きが大きな実績を生む時代があった。
しかし、ここ数年間でプロになった人は、ただプロという肩書きを取っただけで、そこから大きな活躍をしたというのはほとんどないのではないだろうか。公認プロということで、大きな仕事をしたのではなく、肩書きに関係なく成功した!ということだと思う。極端な話、布施忠が成功した背景にJSBAのプロ公認が左右されただろうか。もちろん1つのきっけかになった可能性は否定しないが、それよりも海外に飛び出して行って、積極的に自分を磨いた結果だと思う。
例えば、今、あるライダーが公認プロになったとしても、精々、ショップのコーチングで「 ○○プロが教えます!」という程度にしかなれない、というか。確かに公認のプロということで、お金を払って参加するキャンパーなどは安心感があるかもしれないけど、それよりも地道にキャンプ活動をして実績を上げて名前を広めていったコーチの方がキャンパーを呼ぶ力は高いだろう。

学校のこと、現在の協会の公認プロ・システムのことを考えると、結局のところその門を叩いた若者たちは、前任者のレールの上で遊ばされているだけに過ぎないような印象だ。もちろん何度も言うように、その組織などを運営する側はそういう気持ちではないし、真剣に若いライダーを育成しようと努力している。だけど、現在出ている結果だけを見れば、敷かれたレールにハマっているようにしか過ぎないとしか思えないのである。

それでは、これからの時代、何が求められているか、というと「自分にしかできないことを徹底的に磨くこと」だと思う。
自分を例にとってみたら、執筆や写真やビデオ撮影、さらにはハウツーを作るのが大好きで得意ということで、専門誌やビデオでのハウツー制作ということを徹底的にやっている。その他、キャンプでのコーチングも行い、スノーボード・クラブをやっている。
その結果、専門誌や他ウエブ、キャンプ会社とのライバル関係が生まれてしまうところもあるが、負けることはやらないようにしている。負けることイコール、自分がやる価値がないということだからだ。だから、例えばある人が、自分が今、行っている仕事をやってくれるなら、その人に任せて、自分は新しいこと、もっと誰もがやってみないようなことにチャレンジしたいと思う。
言い方を変えれば、この方面のLOVE度に関しては、誰にも負けないことをやっているだけだ。例えば、自分ほどハウツーのコラムを書く人は知らないし、自分ほどハウツーばかりの仕事をする人も知らない。これは、オレが本当にハウツー・バカでハウツーが大好きで愛しているとう証拠でもあると思う。一人のスノーボード人として、ハウツーは楽しさを広げる大きな手段の1つと考え、真剣に考え伝え続けているのだ。逆に言うと、自分がそれほど好きでもないことは同じスノーボードの仕事でも徹底的にやらない、ということも言える。

しかし、今のライダーというのはいろいろやらないと不安なようだ。多くのスポンサーがほしい、プロの肩書きがほしい、雑誌にも出たい、ビデオでパートを取りたい。キャンプの仕事もしたい。そのやることに、新しいテイストが入っていれば問題ないが、結局、今までスノーボード界を作って来た前任者が作ったレールにハマッたことだけをやってしまいがちだ。もっと何かを捨てる勇気がないと生き残れないし、そのライダーの魅力を発揮できないのに。

例えば、グラトリをずっとやって来た手摺狂会は大きな成果を上げているし、dmkでもお馴染み 稲川さん(光伸デモ)はコブという世界を築き上げてその存在価値を上げた。つまり誰もやっていないことをいち早く見つけて、当時ニッチな世界でも走り続けて1つの世界を築き上げている。

「じゃあ、僕は何をやったらいいのですか?」
と言われたら、「自分で考えなさい!」と言ってしまいそうだけど、とりあえず1つの考え方を提案するなら、例えば。


とりあえず、プロの肩書きだけは取ることまで頑張る。その他にTボードのプロという世界を築き上げてそれで食うような体勢を作る。以前、寺田謙太郎くんがボードとウエイクで両立して1つのアイデンティティを形成していたが、それと似ている。


ビッグエアーのマニアになる。その選手がなぜ準決勝でリスクの高いその技をやったか、その精神状態まで分析して、専門誌で解析する。もちろん最低限の能書きを垂れる切符、ライダー契約などは持った上で。


アラスカに住む。アラスカの案内人になる。急斜面パウダーが上手でバックカントリー知識も豊富にする。「アラスカに行ったら、Cさんに連絡しないとね」と言わせるぐらいな存在になる。


普段本当に看護婦をやっている5人組の女性プロが集結し、『ナース・ライダーズ5』というチームを作る。きっとメディアも殺到するに違いない!?


神田のプロになる。神田スノーボード・ショップ街で誰よりも知識を豊富にし、どこのショップでどの値段で売っているか把握。ショップ兄ちゃんとも顔見知りになり、値切れるくらいに。それを利用して神田ショップ案内人として、新しい職業を確立する・・・。

どんどん話が脱線しているが、ともかく極端な話、こんなことも考えてみて?ということで、提案してみた。
早い話アウトロー的な生き抜く力が必要ということ。

話を基本に戻せば、スノーボードのテクニックで、誰にも負けないような可能性のものがあるなら、それを磨くべきだろう。そして、もしその世界で2番手か3番手なら、その世界での需要を考えて、広ければGO、狭いなら3番手なんかは食えないかもしれから、あきらめて方向転換するしかないかもしれない。
そして、常に考え、考えまくり、結論を求め、目標を定め、それでも自分はこのスノーボードの世界で食っていけないとなったら、自分はこの世界で他の人よりも LOVE度が足りなかったと潔くあきらめるべし。とりあえず、スポンサー・ライダー、プロ・ライダーまで駆け上がった経験を活かして、次の仕事で同じように努力を続けて成功者になってほしい、と思う。 もしかしたら、こだわっていたものを捨てた時に、本当に自分がやるべきことが見つかるかもしれないし。

まとめると、
前任者が作ったレールにハマらずに、新しいテイストを入れる。さらに、実績を作った上で、今までみんなが考えていなかったことをやってみる。

今の時代、リルのユキエちゃんが化粧ポーチにもなる新しいタイプのケースを考えたように、以前から頑張っている人がどんどん新しいことをやっているが、もっと若い人がどんどん新しいことをやってほしいと思う。そうしないと生き残れないよ! ってこと。