【コラム】改めてプロフェッショナルとは?

ヤンキースの松井秀喜が4年間で62億円の大型契約をした。松井を長年応援してきたファンの一人として、とても嬉しい。今回の契約金の内容の背景には、もちろん松井の実力がベースにあるわけだが、もしヤンキースが15日までの契約をとめないと、FA市場に流れてしまう、ということもあったと思う。ご存知のように市場というのは需要と供給のバランスで決まってしまうものだが、今年のFA市場に大物がいなくて、松井の契約内容はかなり高くなったと予想される。実際に松井のFA価値というのは、今年有力なスポーツ誌で189人のFA選手の中で3番目に価値がある選手であるという報道があった。松井の代理人のテレム氏は89億円というオファーもあったという報道もあり、真相のところはよくわからないが、ともかくこのFA市場を背景に契約金額が決まったということが推測される。

今まで自分はスノーボードのプロというのは、どういうことなのか?ということを自分なりの解釈で伝えてきた。しかし、ここ最近、松井の報道やメジャーリーグを見ていく内に1つの簡潔な目安方法を発見したので、紹介したい。 メジャーリーグで活躍した選手と言えば、松井の他にイチローが有名で、その他にも様々活躍した選手がいる。一方、スノーボードの世界ではどうだろうか? 過去には、竹内正則、小川マサト、それからしばらく間があってライオ、そして今は布施忠などがいる。こうして日本のメジャー級活躍ライダーを見ると、やはり布施忠の存在が一際輝いているようにも見えるが、布施忠や松井&イチローの共通点というのは、日本だけでなく世界の舞台で活躍したということだ。

例えば、ここにある日本人スノーボーダーがいて、あなたの職業は?と聞かれて「プロ・スノーボーダーです」と答えたとしよう。その人は何を持ってそのように答えたのだろうか。

協会が定めるプロ登録を行いプロ戦に出て賞金を狙う立場であるから
プロ・スノーボーダーという名の元、メディアに登場し、スポンサーからお金をもらうから
スノーボードの上を目指して日々活動できる環境があるから
多くの人にスノーボードの楽しさを伝えているから
スノーボードに夢を持って歩み続けているから

答えのすべてに納得できるが・・・、どうも1つピーンと来ない。そんな時、松井の存在が1つのきっかけとなり、わかりやすいものさしを発見したのだ。そう、それは日本だけでなく世界でも食っている人のこと! そういう人は、より市場の大きいところに行けば、もっと高い報酬を取ることもできるのだ。

このことは、どんな職業にも当てはまると思う。
例えば、カナダにはたくさんのスシ・シェフと言われる人がいるが、その人は日本にいてもスシ職人として認められるのか。逆に、日本でスシ職人と言われている人は、世界でも通用する腕前なのか。近所のおじさん、おばさんだけを満足させているだけでなく、グローバルな味付けをすることができるのか。

自分の職業で言えば、ハウツー制作、執筆などという仕事。これまで本ウエブや専門誌で発表して来た内容は、世界で通用するのか? また自分がディレクティングしている撮影は、世界でも通用するものなのか。こんなことを考えていたら、「プロフェッショナルになりたい!」という意欲がどんどん増してきた。自分が制作に大きく携わったバイタミンジブを世界に発信したい、それができて本当にプロフェッショナルなスノーボード・ビデオのプロデューサーと言えるのではないだろうか、と強く思えたのである。

それで、先日、自分はdmkの若手のライダーにもそのことを伝えた。「タクミ、プロという競技者の肩書きが付いただけではプロとは言えないんだよ。世界で通用したら、プロなんだ」と。そうしたら、「確かにそう考えると・・・、忠さんや中井くん、國母くんはだからプロなんですね。」と言っていた。
dmkの若手には、トオル(浪人3のメイン出演)にハジメ(バイタミンジブに出演)というのもいるのだが、彼らもぜひ世界でプロと認められて初めてプロということである、ということをしっかりと肝に銘じてほしいと思う。オレも彼らをサポートする者として、本当にプロフェッショナルなプロデューサーをこれからも目指したい。また、そういった意欲で続けなければ例えどこまで肩書きが就こうとも、本当のプロでないと考えるから。つまり本当にプロフェッショナルな人とは、

世界でも通用すること。
現状に満足せずその世界で永遠の努力を続けられること。時代は常に進化している。
そして、たくさんの人の心に強く影響を与えることができる人のこと。