【コラム】彼女は五輪に出ていなかった

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文:飯田房貴

鬼塚雅が、世界選手権で最年少の優勝を遂げて、様々なテレビ番組などで取り上げられています。それは嬉しいことなんだけど、複雑な気持ちは僕だけではないのではないでしょうか?・・・。

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(世界選手権での金メダルに、テレビや新聞に引っ張りだこの鬼塚選手。それは嬉しいけど・・・、なぜ五輪に出させなかったんだ!って考えるのは、僕だけじゃないよね?)

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忘れてはいけないのは、彼女はオリンピックに出ていなかったということだよね。

昨年、この時期、彼女は世界トップレベルの選手が出場する大会で好成績を収めていたのだけど、それがFIS大会でなかったため、五輪には出場できなかった。そもそも、日本の協会は、オリンピックに通じるFISのワールドカップへ鬼塚選手を出場させようという後押しもしていなかったのでは!?
当時、鬼塚選手は、TTRでのワールドクラス大会で表彰台に乗っていた。その時、戦っていたライバルたちが五輪で輝いている姿を見た時、彼女は、どう思ったのだろう。とっても悔しかったのでは?

あの時、もし出ていたら?
もしかしたら、メダルを取っていたかもしれない。
勝負ごとだから絶対はないけど、入賞した可能性は大いにあるだろう。角野選手のように大きな話題になっていたのでは!?
どんな結果であれ、五輪は経験させてあげたかったね、と。「ゼロ」と「イチ」には凄く差があると思うから。

ポジティブに考えれば、あの時の悔しさをバネに頑張ればいいと思うし、まだ体重が軽かったのであのようなデカ過ぎるキッカーは危険が伴っていたとも思う。まだまだ成長するのだから、今はエアーの大きさよりもテクニックを磨いていけばいいだろう。世界でも超トップレベルのテクニックを身につけておけば、いくいくは世界最高峰に行ける。

鬼塚選手が世界選手権で見せたキャブ900は、ここ最近、スロープ女王として君臨するジェイミーも出していない。ジェイミーは900を回さなくても数百万いただける大会で優勝しているから、いつもイージーに勝っている印象がある。鬼塚選手は十分、ジェイミーに挑める実力、ルーティーンを発揮した世界選手権大会だったね。いよいよ女子も世代交代、日本勢の台頭。楽しみな展開になって来た!

ともかく、才能ある若い選手は、これからも出るだろうから協会は様々なジュニア組織とコミュニケーションしながらリサーチし、若い選手の能力を把握し、しっかりとサポートしてほしいと思う。

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