【ギア・コラム】グローブ編

文:ギア博士

ふだん何気なく使っているグローブ。もちろん、グローブにもこだわりの機能が隠されているのを知っていますか。一時期、ハーフパイプでは軍手が流行したこともありましたが、最近は見ないですよね。やはりグローブにも機能が求められているのです。

パイプ、スプリング・グローブ
一番薄いグローブで、春の暖かい日やハーフパイプ、パークなどでの使用が目的のタイプです。スプリング・グローブは、その名の通り春先などの暖かい日向け。手の甲などはメッシュ系の素材で通気性を確保し、手のひらは皮などの切れにくく水に強い素材が使われています。パイプ・グローブは、ハーフパイプでの使用が一番に考えられており、薄い素材で指先の感覚がひじょうにはっきりしています。また、グラブトリックのために、手の平には滑り止めでもあり、エッジでのケガを防止するため、薄いゴムなどがコーティングされています。

昔は軍手で代用するライダーもいたようですが、濡れた場合は手の感覚がなくなるなど、けっして快適ではないため、今ではほとんど見かけません。現在のグローブは、濡れてもすぐ乾く素材を使用するなどハイテク素材が駆使されて、快適なグローブに仕上がっています。ただ、薄いぶん保温効果はあまり期待できないと言えますが、最近ではある程度保温性を考えたオールシーズン対応のパイプグローブや、パイプグローブとアウターグローブがセットになっているものなど様々なタイプが出ていますから「保温性がないのはちょっと・・・」という方も安心して選べるようになっています。

スプリング用、パイプ用以外のグローブは、インナーとアウターの二層構造をしている場合がほとんどですが、これがもっとも一般的なタイプです。インナーはフリース素材が一般的で、アウターは各ブランドそれぞれ目的に合わせた素材とデザインで発売されています。一見二重構造をしていないようなグローブでも二重構造になっており、ただインナーが取り外しできないだけです。バックカントリー用など、極限の状態に対応したタイプは、「ゴアテックス」のような防水性と透湿性の高いハイテク素材が使われています。対して、ゲレンデ使用がメインのタイプは、高機能を求めないぶん、価格も抑えられています。でもやはり、実際にゲレンデで使っても快適なのは、ハイテク素材のグローブで、手が一日中ドライな状態がじつは一番重要な要素ではないかと思います。身体は末端部分(手足の指など)から冷えていくので、グローブの選択は重要と言えます。

5フィンガー・グローブ(5本指タイプ)
グローブというとこの形が一般的だと思います。五本指がそれぞれ独立して動かせるため、指先まで自由に動かせるので何かと便利です。パイプ・スプリング用と違い保温性を十分に考えてあるのでハイシーズンでも快適に過ごせます。同じような5フィンガータイプでもオーバー用とアンダー用があり、オーバー用はウエアの袖の上にかぶせるタイプで昔はこれが主流でした。アンダー用は現在主流のタイプでウエアの袖の下に入れるタイプです。細かい機能を見ていくと親指などにゴーグル・ワイパーが付いているモノ、うっかり落とさないようにリーシュコードが付いているモノ、手の平にパットが付いていて転んでも痛くないモノなど様々な機能が付いているものもあります。価格も使っている素材などで安いモノから高いモノまであります。5フィンガーグローブは最もバリエーションが多いので自分のスタイルと予算に合わせて選ぶ事が出るタイプと言う事ができます。

ミトン・グローブ
ミトン・グローブは、オーバーグローブとも呼ばれていました。これは寒い状況で、ふだん使っているグローブの上に着けるグローブがミトンタイプ、つまり親指とその他4本の指の大きく2つに分かれた袋状の形がほとんどだったからです。ですから、暖かい時は作業のしやすい5本指のグローブを使い、気温が下がってきたら、その上にミトンを着けることが多く行なわれていました。 そんなミトンタイプの利点は、5フィンガーに比べ暖かいことです。指一本一本がバラバラでないので、手の熱を効果的に利用して暖かく保てます。素材や構造などは5フィンガーと同じものが主流ですが、登山関係のショップでは、オーバーグローブとしての機能を持つ厚手のミトンが揃えられていることもあり、バックカントリーで手が冷えてどうしようもない経験がある人は、一度見てみるのもいいかと思います。

一般的に選ぶ時には、インナーが5フィンガータイプになっているものがおすすめです。とくに女性で冷え性が気になるときは、アウターがハイテク素材のミトンタイプで、インナーは厚めのものを選ぶと快適です。「ミトンは使いにくいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、スノーボードで指先を使うのは、バインディングを締める時だけなので、ミトンでも充分に間に合います。

基本的なグローブの選び方
まずは自分の目的を考えて、それにあったグローブを選びましょう。暖かい日のグローブがほしいのか、寒い日のグローブがほしいのか。それだけでもアイテムは絞れてくると思います。絞れたら実際に試着して、グローブの柔らかさやフィット感を確認してください。柔らかいグローブは手になじみ、バインディングを締めるなどの作業がしやすくなります。厚めのグローブを選ぶ場合は、そのグローブをはめて作業ができるか確認してください。暖かいからと厚いものを単純に選ぶと、バインディングが締めにくくなることもあるので注意が必要です。

サイズは、指先に若干の余裕があれば大丈夫です。小さいものは窮屈に感じますし、空気の層ができないので同じ素材で同じ構造のグローブなのに冷たく感じます。反対に大きいグローブは、バインディングを締めたりする作業がしづらくなります。ゲレンデで一度グローブを外して、バインディングを締めている人を見かけますが、指先が冷えてしまうばかりでなく、いちいち着脱する手間もめんどうです。

また、意外と使えるのがインナー用に発売されている薄いグローブです。ゲレンデで写真やビデオを撮る時など、グローブやフリースのインナーではやりにくいので、素手になる場合が多いと思います。そこで登場するのが作業用インナー・グローブです。これはフリース素材に比べて保温性は落ちますが、作業性は非常に優れています。これはフリースのインナー。グローブでは指先の感覚があやふやだったりそもそもそれ単体で使う事を考えた設計にはなっていないのですが、作業用の薄いインナーグローブはそれ単体で作業を行える用に設計されており指先の細かな感覚までしっかりと伝わってくるからです。アウターのグローブに暖かいものを選べば問題ないので、頻繁に指先を使う場合にはものすごく助かります。

メンテナンス
グローブも一日使うと結構濡れてきます。高価なハイテク素材でもそれは同じことです。それは皮膚からの汗が原因だったり転んだ時に雪が入ってしまったの原因だったりと理由は様々ですが一日使ったグローブはしっとりとした湿気を感じることができます。使い終わったグローブはインナーを取り外し風通しの良いところで陰干しにして乾かします。インナーに関しては蒸れて臭くなってくる場合もあるのでその時は普通に洗って大丈夫です。アウターに関しては品質表示をみて洗濯の方法を決めて下さい。帰りの車などで他の荷物といっしょにバックなどに詰めてしまうと家に帰って取り出してみたらとんでもないことになっていたりする場合もあるので、できればバッグの中に入れたりしないでおくと帰ってからのメンテナンスは楽になります。