「新」最強伝説 NOMIS軍団特集

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本ウエブでは、これまでに何度か NOMISに関する話を紹介して来た。NOMIS代表マット・チャンバリンのインタビューを通して、誕生物語を紹介し、またそのブランド・ネームの決め方、さらには現在のNOMISライダーの活躍からどんなライダーでいるか、ということまで。
しかし、日本ではまだまだ馴染みが浅い NOMIS。そこで今回は自分の思い「もしかしてNOMISっていう軍団は世界一カッコいいんじゃない?」ということを聞いてほしい、と思いこの特集をお届けする。極端な話し、2001年のFORUMチーム。そう、JP、デバン、ジェレミー、ピーター・ラインなどがいたあの最強チームを超える可能性があるんじゃないかな?と思うんだ。

STORY: FUSAKI IIDA
PHOTO: TOSHI KAWANO

jed
simon
mat
mark
lauri
kyle
phile
fraser
aaron
hajime

神の導き!?NOMISとの出会い

NOMISのことをよく知らない人、またNOMISの誕生の経緯を知らない方のために、まずはそのへんの話しからしてみよう。

NOMISというのは、カナダで生まれたアパレル・ブランドである。彼らNOMISクルーたちは、アパレルという名称を使わずに「デザイナー」という言い方で表現している。つまり、デザイナーズ・ブランドだ。

彼らがデザイナーという言い方をするところに、そこに彼らの誇りやブランド愛のようなものを感じる。元々、このブランドが立ち上がった背景は、シモンとその兄マット、双子の弟のアンドレたちが「なんだかあまりショップにカッコいいものないね」という発想から生まれたのだ。自分たちが着たいものがなければ「自分たちで作ってしまおう」ということだったのだ。

ブランド名称に関しては、現在 NOMISの旗頭的なライダーであるシモンから取り、単純にそのシモン(SIMON)を逆さに読んだところから始まった。その他にもいろいろな名前候補はあったのだが、結局、このNOMIS(ノーミス)というフレーズにピンと来たものがあったようだ。

NOMISのロゴに関しては、彼らの友達が考えたのだが、これも深い意味はないそうだ。そのロゴを見て、インスプレーションで決めたのである。

自分が初めてNOMISの存在を知ったのは確か3年前のシーズンだったか。ハジメ(注:dmk新鋭若手ライダーでVitamin JIBでは出演、さらにハウツー・ディレクティングもしている)がTシャツややビーニーを付けているのを見て知ったのである。また、ハジメを通して、NOMIS代表のマット・チャンバリンを対面した。

最初、自分の中で NOMISという存在はそれほど大きくなかったが、マットやシモン、さらに最近では他のスタッフたちと親交を深めるにつれて、どんどんと大きい存在に成長した。今では本当にNOMISを紹介してくれたハジメに感謝しているし、また彼らクリスチャン(注:NOMISのライダーやスタッフがクリスチャンが多い)の言葉で伝えるなら、まさに神に感謝という気持ちである。

自分は特別にクリスチャンでもないし、まあ無宗教とも言えるが、神や仏のような存在はあると思うし、また尊いとも思う。そして、まさに彼らとの出会いは、神仏の導きによって生まれたものではないか、と思わずにはいられない。それほど、 NOMISという存在は今の自分の中では大きいのだ。


左写真、シモンと兄のマット。右写真、アンドレとシモン。兄弟の力を結集して生まれたブランドだ。

 

日本では考えられないヤング・カンパニー

NOMISの魅力はいろいろあるが、その1つにはスタッフやライダーが若いことである。
まずライダーだけど、シモンの 20歳を筆頭に、ラウリ(ヘイスカリ)はその1つや2つ上。また同じプロ・ライダーのマーク(ソラーズ)はまだ18歳か19歳のティーンネージャー。さらにアマのジェド・アンダーソンに至っては、13歳という若さだ。

ついでながら NOMISのライダー組織について話すと、多く分けて3つの段階になっている。
上がプロでシモン、マーク、ラウリ。
次にアマでジェドが一人だけ。
さらにフロウというのがあり、そこにはフレイザー(アビィ)、アーロン(シェピーロ)、カイル(ルータス)、フィル(トーマス)という4人がいる。彼ら一人ひとりに年齢を確かめたことはないが、どうやら19歳前後のようだ。確かラウリを抜かして、みんなシモンよりも下の年齢だから、まさにヤング集団だ。

一応ライダー名をまとめてお知らせしておこう。

The NOMIS team

Pro-Simon Chamberlain
Pro-Lauri Heiskari
Pro-Mark Sollors
Am-Jed Anderson
Am-Fredrik Sirvio

Flow-Fraser Avey
Flow-Aaron Shapiro
Flow-Kyle Lutes
Flow-Phil Thomas

その他に、最近STEPCHILD の若手ライダーのフレデリックというフィンランド人も NOMIS のライダーになった。彼はSTEPCHILDのメイン・ライダーであるが、NOMISの中ではアマにランクされている。

そしてスタッフの方もとても若い。確か代表のマット・チャンバリンはシモンの2つか3つ上だったので、23歳。チーム・マネージャーのマイク・ハッサンもマットの幼馴染で同年齢。その他、デザイナーやオフィス窓口の女の子など、すべてマットよりも年下で21歳、22歳というところ。

こんな年齢の若いスタッフが、今、世界を相手に商売を始めたのだ。
ウィスラーとバンクーバー間のスコーミッシュという町にオフィスを持ち、アメリカのディストリビューターとも契約し、日本でも商売展開している。しかも、今年も最も注目を浴びそうな defective film 「DERELICTICA」のスポンサードもしているのだ。通常このようなメジャー・ビデオのスポンサード費用は、数百万円も必要。また、このような商売している過程で、ラスベガスやサンディエゴなどの北米の主要展示会などにも出展もしている。

自分が20歳前半の時、こんなことを考えられただろうか? 多くの読者はなかなか難しい、と思うのでは? しかし、彼らNOMIS軍団は若干20歳前後のクルーでありながら、世界の海原に航海しているのだ。そんな彼らを見ていると、まるで明治維新の時に活躍した20代の若者、坂本竜馬や新撰組などの強い勇気を感じるのである。自分は素直にこの若さという点だけで、本当に彼らをクールと認めざるにはいられない。そして、そんな NOMIS たちと接していると、凄い勇気をもらうし、自分ももっと荒波に向かって行きたい、という冒険心が沸くのだ。


20代前半の若者たちの新カンパニー。明るくてクリエイティブな雰囲気が漂うオフィスだ。

 

看板ライダー、シモン・チェンバリン

自分が20歳前半の時、こんなことを考えられただろうか? 多くの読者はなかなか難しい、と思うのでは? しかし、彼らNOMIS軍団は若干20歳前後のクルーでありながら、世界の海原に航海しているのだ。そんな彼らを見ていると、まるで明治維新の時に活躍した20代の若者、坂本竜馬や新撰組などの強い勇気を感じるのである。自分は素直にこの若さという点だけで、本当に彼らをクールと認めざるにはいられない。そして、そんな NOMIS たちと接していると、凄い勇気をもらうし、自分ももっと荒波に向かって行きたい、という冒険心が沸くのだ。 自分が20歳前半の時、こんなことを考えられただろうか? 多くの読者はなかなか難しい、と思うのでは? しかし、彼らNOMIS軍団は若干20歳前後のクルーでありながら、世界の海原に航海しているのだ。そんな彼らを見ていると、まるで明治維新の時に活躍した20代の若者、坂本竜馬や新撰組などの強い勇気を感じるのである。自分は素直にこの若さという点だけで、本当に彼らをクールと認めざるにはいられない。そして、そんな NOMIS たちと接していると、凄い勇気をもらうし、自分ももっと荒波に向かって行きたい、という冒険心が沸くのだ。

NOMISの看板ライダーであるシモンを始めて見たのは3シーズン前のウィスラー春大会のジブ・セッションだった。当時17歳の若者は、ケビン・サンサローンなどのビッグ・ネーム・ライダーの中にいながら、一番スムーズでカッコ良かったのだ。まだハジメもシモンと面識はなく、2人で「あいつの滑りヤバイなあ」なんて、話し合っていた。それと、不思議だったのは、そんな若者がその大会に遊びに来ていた大御所JPウォーカーとやたらに仲良く話していたのである。しかもハンサムだったし、何やらその時から只者ではない、という雰囲気がビシビシ漂っていた。

ジブの大会というと取材側はどうも有名人ばかりを撮影する傾向にあり、なかなか無名のライダーというのは目が行かないものであるが、シモンだけは当時から別格で、撮影せずにはいられなかった。そして案の定、大会でも優勝してしまった。

その後にハジメが「フサキさん、あのシモンってニクソン・ジブ・フェスタで優勝したライダーですよ」ということを教えてもらった。なんだい、その大会と聞いたら、
「えっ、知らないんですか。JPウォーカーとかがジャッジするジブ界最高のイベントでエディ・ウォールもこの大会で名を上げたんですよ。これだけのビデオも出ています」
とのことだった。


初めてシモンを見たウィスラーのジブ大会。
格好もオシャレだったし、スタイルも最高で本当にカッコ良いライダーが目の前に現れてビックリした。

その後、ハジメは急速にシモンと接近するようになった。まるで、初恋した女の子にアタックするように、猛烈に近づいて行ったと思うのだ。気づくと、ハジメはシモンといっしょに滑るような仲になっていたのだ。そこで、自分はSnowBoarder誌の岩田さんに電話して、シモンと撮影する許可をいただいた。まだまだシモンのことはよく知らなかったが、なんだか凄いライダーの雰囲気はプンプン漂っていたし、ひじょうに楽しみにしていた。

撮影当日、あいにくの天候は曇りだったが、アイテムがレールやボックスということもあり、強行することになった。通常、雪山での撮影は雪の質感が出ない曇りは敬遠されるのだが、アイテムは色があるので、OKを出したのである。

それで撮影してどうだったか?って。もう、オレもハジメ同様に一発でフォーリンラブしてしまった。自分にとってシモンとの撮影は3つの衝撃だった。

1つ目。ともかく完璧。このような擦り系アイテムの撮影で、これほどフイルムを無駄にしないライダーは、シモンが初だった。しかもハイクアップの速さには本当に驚いた。お陰でどんどん仕事が進んだ。

2つ目。やっていることが凄い。難しい技を簡単そうに決めてしまう。擦り系以外でもヒップでバターで900を決めたのだ。もちろん、そんな難しい技も簡単そうにやっていた。自分はカメラでハジメはビデオを持っていたが、同じ技を2回きちんと決めるので、あたかも2カメのような編集ができた。ちなみに、この模様は浪人2に出ている。

3つ目。スーパー・ナイスガイ! 17歳という若者ながら礼儀を知っていて、相手をきちんとリスペクトし、会話をしていてもその温かい人柄が伝わった。そして、この年、自分はインタビュー記事も製作し、どんどんシモンと仲良くなって行った。また、その話の中から当時、この若者が2つの大きな大会しか出たことがなくて、そのいずれの大会でも優勝していた、こともわかった。普通、大会と言ったら小さいところからスタートし、まして優勝なんてできないものなのに、なんて若者だ!と思った。
ちなみにシモンが最初に出た大会ニクソン・ジブ・フェスタは、シモンのボードSTEPCHILDをスポンサードしているショーン・ジョンソンが推薦した経緯で出場ができたのだ。

その翌年、シモンはラスベガスの大きな大会で優勝し、そして昨年は日本のスロープスタイルで初来日でベスト・オブ・ジバー賞を獲得。さらにはメジャービデオのパートは獲得し、各メーカーも一押しで売りだ。まさにスノーボード界で最も輝くライダーになった。
進化を止めない若者は、これからも輝かしい実績を残すに違いない。

 

チームの鍵を握る男マーク・ソラーズ

 

NOMISライダーというのは、どういうライダーか。
これまでのdmkが発信する情報、またはビデオVitamin JIBでも彼らのことを単純にカッコいいと認識する人は多いだろう。だけど、そのカッコいいという理由には、どんな要素が入っているのだろうか。自分がこれまでに見たところ、以下のようなキーワードが浮かぶ。

ファッション、若い、練習の虫、スタイリッシュ、完璧主義者、知られていない。

彼らのファッションは人と違うし、新しい、そしてカッコいい。
彼らは若い。
彼らはともかくよく滑る。誰もが一度は経験するスノーボードへのフォーリン・ラブ。その思いをずっと継続しながら、楽しそうに滑る。結果、練習の虫となっている。
スタイリッシュ。なぜなら、その動きに無駄な動きがないから。すべてのスポーツに言えるが、1つの動きを体現するためには、その必要な動きを行うと美しく見える。まさに彼らの姿はスタイリッシュで美しく見えるのだ。
1つの技に対して、どれだけ完璧主義者か。それが現在のNOMISライダーのランクを決めているように思える。多くのプロ・ライダーたちがメイクと思える境地も、シモンやマークは「まだメイクしていない」と思う。本当に完璧主義者で英語では、ピッキー(選び屋さん)なんて呼ばれる。
そして、彼らNOMISのライダーは知られていない者が多い。

以上の要素を一番集約されたライダー、その最も象徴するライダーこそ、マーク・ソラーズなのだ。

個人的にはマークは、どんなライダーよりも幅広いテクニックを身に付けていると思っている。擦りもハンパなくうまく、スイッチもレギュラーも同じスタンスようにこなす。そしてオーリーが本当にカッコいい。シモンの機械的に完璧にこなすオーリーも魅力だが、マークのはより躍動感が伝わるオーリーだ。スリースタイル・テクニックの最も基本でシンプルなテクニックだが、マークはそんな些細な技まで魅了させる力がある。自分も何度もマークのオーリーをスロー再送で見たものだ。

NOMISライダーたちの完璧な滑りを見た時、スノーボーダーの多くは今まで自分がやっていたものが何だったのか?という気持ちになる。今までやっていたオーリーは、オーリーではない。今までやっていたフロントサイド180は、180でなかった。もっと完成度を上げよう。スタイリッシュに決めよう。彼らを見ていると、そういうモチベーションを上げさせてくれる。そして、そのことをもっとも自分に教えてくれたライダーこそ、マーク・ソラーズなのだ。

ちなみにマークはカナダでもまだ有名なライダーでなく、今日も秋の雨模様の中、コンストラクション・ワーク(道路工事)を行っていることだろう。

 

 

新しいNOMIS時代を切り開くラウリ・ヘイスカリ

シモンはラウリに惚れたかな。最近、シモンと話していると、そう思う。
シモンの好きなライダーと言えば、JPウォーカー、ジェレミー・ジョーンズ。シモン兄弟たちがスノーボードを始めた時、何度も見たというマック・ダウのDECADEの影響が強いのだろう。彼らは永遠のヒーローという感じだ。

ただ、シモンのJPウォーカー、ジェレミー・ジョーンズ思いは、ライディングから刺激を受けるという部分では、かなりの部分で卒業したのではないか、と思う。彼らからスノーボーダーとしての生き方などを学ぶことはあるだろうが、彼らのライディングを参考にする、というようなことはなくなったのではないか、と思うのだ。

だけど、シモンは最近、ラウリのことはとても気になっているようで、「ラウリはうまい」とよく言うのだ。実際にdefective filmのDERELICTICAを拝見するラウリは、やはりうまい。飛び、擦り、さらにはパフォーマンスまで含めて超プロフェッショナルだ。DERELICTICAの中では、間違いなくナンバー1パートで、きっと今年リリースされるビデオのパートの中でもトップ3にはランクインされるに違いない。それほど、ラウリはうまいのだ。

NOMISのライダーというと、3年前シモンやマットがウィスラーに来てからの仲良し組、もしくはフレイザーのように幼馴染という仲間もいるが、ラウリに関しては別で、そのコネクションはdefective filmつながりである。今年、NOMISがグローバルにビジネスを展開するにあたり、プロとして迎えられたライダーなのだ。だから、ラウリ・ヘイスカリという存在は、NOMISがこれからますます世界に認知されるためにやって来た新時代の切り札ライダー。今までシモン&マークという2枚看板だったのに、さらにラウリというカードも加わり、1+1+1は3ではなく、5、6にもそして10にもなるほどインパクトを与える可能性も持ったのである。

ちなみにラウリ同様にフィンランドからフレデリックもNOMISの新ライダーとして迎えられている。まだ13歳のジェドも含めて、これからのNOMISを躍進させる力となるに違いない。


ラウリが入ってNOMISはさらに強力なティームになった。上の写真は、NOMISの広告ページから。

そして

スノーボードの歴代チームと言うと、古くはLAMMER軍団、SANTACRUZ軍団などがあり、彼らはそれなりの時代を作って来た。そして、FORUMチームがさらにそのカッコ良さやインパクトを人々に与えた。そして今、これまでのパターンとは違ってデザイナーズ・ブランドのNOMISチームが現れた。彼はウィスラーを拠点に、これまでのチームになかった連帯感を見せ、いつも楽しそうに滑っている。これから個々のライダーが、有名になって行く中でこういったセッションは難しくなるだろうが、これからも彼らのカッコいい姿を見続けたい、と思う。そして、自分はこれからも彼らを追い続けて、写真やビデオ撮影を行い、彼らの成長して行く姿をたくさんの方に紹介していきたい。

 

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