高石周の「教えてコーチ!スノーボードなんでも相談室」

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DMKのコーチング企画でいつも大活躍している高石周コーチによる新コーナー、「教えてコーチ!スノーボードなんでも相談室」。
すでに公開されている掲示板から、興味あるトピックを抜粋でご紹介。
記念すべき1回目の質問は、スノーボードを始めたばかりだけど、本気に取り組みたいというご相談内容、そしてその回答になります。

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質問者:アスリートボーダー

スノーボードを本気で上手くなりたい。

スノーボードを始めたのは2年前ですが、初めは年に数回山に上がる程度でした。
本格的にスノーボードに取り組み始めたのは、今いるニュージーランドのシーズンからになります。

この夏、1シーズンNZに篭り、毎日山に上がっていましたが気持ちとは裏腹に、自分の知識のなさ故の上達の速度、滑る仲間、先の見えない状況に不安を憶え今、スノーボードを学べる環境を探しているところです。

この業界で通用するスノーボーダーになりたいと思っています。

どのように進んでいったら良いのでしょうか?
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かなり最初から「本気」ですね。
過去に選手として本気でやっておられた影響で、きっとスノーボードも「アスリートスポーツ」という意識を持っておられるんでしょうね。
私もスノーボードを最初から力を入れて「本気」で始めました。

そこでひとつアドバイスとして、まずスノーボードというのがスポーツである前に「遊び」であることを理解してください。


周囲が(アスリートのように)本気で練習しているのではなく、遊びで滑っているのを見て違和感を覚えるときありませんか?
私のところにもアスリート出身でスノーボードを学びに来る人がよくいますが、そういうタイプの人は1年以内に心が疲れて「バーンアウト」する傾向にあります。
「自分が真剣に毎日練習しているのに、楽しそうに遊んでいる人間とあまり成長に差がない」なんて思う時がきたりします。
そういった時に自分の努力が報われないような絶望感に見舞われ、心が一気に落ちるのです。

アスリートボーダーさんはまだ初級フリースタイルレベルです。
まずはスノーボードのバックグラウンド(歴史)を知らないといけないでしょう。
発祥はサーフィンやスケートボードという「遊び」要素の強いアクションスポーツからです。
アスリートボーダーさんはスポーツとしてスノーボードを見る前に、そのファッション性(かっこいい!)を心から好きになってますか?
スノーボードはスポーツである前に芸術性の高いものなんです。
だから高難易度のトリックができるよりも、スタイルがかっこいいライダー(選手じゃありません。よりアーティスト的です。)の方が業界に残っていきます。
記録よりも記憶に残るライダーが好まれる文化なのです。

しかしながら上級者になってくるとその「本気」が出る人でないと成長に限界がきます。
いずれアスリートボーダーさんのようなアスリート思考は必要になってくるときが来ますが、最初から「楽しい」「かっこいい」を忘れて、ただただ上達のみを追い続けると、いずれスノーボードが嫌いになってしまいます。
初級レベルの今は、まず心を作らないといけません。
継続する「コツ」をしっかり身に付ける必要があるのです。
「コツ」とはつまり、どうやって楽しみ続けることができるのか?を自分なりに発見するということです。

技術向上にばかり目がいかないようにしてください。
確かに上達はひとつの楽しみではありますが、あくまで楽しい要素のひとつでしかありません。
スノーボードにはもっと「爽快感」や「かっこ良さ」、「友達」などの楽しい要素が詰まってます。
上達という楽しみ方しか知らないと、壁にぶつかって抜け出せない時に一気に心が落ちてしまうのです。
これは脳科学的にも言われていますが、効率的な学び方ではありません。

少し書き過ぎましたね。
さて、しかしながら技術的には上達したいわけで、今回は残りのシーズンでできることをお伝えしておきましょう。
まずは先回も書きましたが雪面に着いている時間が長いわけですから、板を雪面でどれだけコントロールできるか(友達になれるか)が最重要となります。
ですから単純に色んな状況を自分とスノーボード君で経験しながら、その中で上手に互いの呼吸が合うようにしたいわけです。
乗馬と一緒ですね。
ではどんなことができるか?

1.フリーライディング(最重要!)
http://sportscoaching.blog72.fc2.com/blog-entry-256.html
http://sportscoaching.blog72.fc2.com/blog-entry-48.html
とにかく色んなところを滑ってください。
きれいな斜面ではなく、新雪、悪雪、コブ、林の中、急斜面などなど。
コース脇にあるサイドヒットなど、遊べるところはすべて飛んでみましょう。
できるだけ止まらずに長い距離を滑り続けてください。

2.ターン(これも重要)
http://sportscoaching.blog72.fc2.com/blog-entry-57.html
きれいな斜面で板が斜面に対して真横になるまで板を回すターンです。
大回り、中回り、小回り、すべてを中級斜面でリズムよくスピードコントロールして滑れること。

3.フリースタイル基礎(あまりこだわりすぎないこと)
http://sportscoaching.blog72.fc2.com/blog-entry-51.html
遊び方の基本となるものです。
複雑なものは無理でしょうから、シンプルなプレストリックから。
スピンは左右に180度回す、またスイッチで左右180度回す。
これらはまず平らな場所で、次に緩い斜面で練習してください。

4.スイッチ(気付いた時に簡単な斜面で)
レギュラーでやっていることを全て反対向きでもできるように。
完全には無理でしょう。
できるだけレギュラー50やったらスイッチも50やるように心がけてください。

これらもできれば指導者がいた方が良いですが、まずは理解された範囲で残りのシーズン練習してみてください。
もし私のプログラムを受講することになったら、私ががっちりサポートします!

 
教えてコーチ!スノーボード何でも相談室!
http://6218.teacup.com/snbw/bbs

 

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