TOYOTA BIG AIR優勝/マーク・アンドレ・ターレ(2)

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男の中の男だ。日本へ旅立つ前に「トヨヤ・ビッグ・エアーで優勝する」という発言は、嘘ではなかった。この有言実行男に素直にカッコいいと思った。ちょうどマークが日本から戻って3日後、僕はマークに「おめでとう!」が言いたくて、彼の自宅に遊びに行った。

フサキ(以下F):マーク、優勝おめでとう! 凄いじゃない、有言実行だね。
マーク(以下M):フサキ、ありがとう。優勝できて本当に嬉しいよ。

F:日本はどうだった?
M:とっても楽しかった。だけど、移動が多かったのと時差の違いの体調不良で風邪を引いてしまったんだ。ちょっとその時は辛かったかな。日本では温かいお風呂やまた水風呂にも入って、疲れを癒すように勤めていたんだけどね。

F:えっ、マーク水風呂入れるの? 日本人でもダメな人多いと思うけど。
M:サウナや温かいお風呂に入った後、水風呂に入るのは最高の気持ちいいよ。水では動くと急激に寒さを感じてしまうから、じっとしているんだ。

F:日本の食事はどうだった。
M:すべて最高! 何でも食べたよ。

F:ところでトヨタの賞金はUSで20000万ドル(200万円強)でしょ? さらにトヨタの車とかもらって、その賞金とかの使い道は?
M:車もとても乗りたいのだけど、何か自分には贅沢過ぎてダメ。家族にプレゼントするかもしれない。あと賞金は、そうだなあ、どう使おう? とりあえず、この灰皿買ったんだ。

F:うわあ、全部ドクロ商品だ。
M:そう、こういうの子供の頃から好きなんだよね。しかし、お土産これぐらい。後はお菓子とか。


(200万円も賞金を取って、日本で買ったお土産はこんなものだった)

F:日本に行ってお土産がドクロ商品とお菓子だけか(笑)。まあ、いろいろ大会やら撮影とかで忙しかったんだろうね。
M:そう、楽しかったけど、忙しかった。トヨタ・ビッグ・エアーの他にニッポン・オープンや雑誌の撮影もあったから。

F:ニッポン・オープンの2位は残念だったね。ランディング成功していれば優勝でしょ?
M:うん、まあそうかもしれないけど、トヨタ・ビッグ・エアーでもランディング失敗して悔しかったよ。決勝までにスイッチ720、スイッチ900、スイッチ1260をやったんだけど、どうしてもピタッと決まらなかったんだ。

F:だけど、予選ランで見せたバックサイド720はピタ着で凄かったね。
M:オー・イエー。あれは気に入っている。パーフェクトに着地が決まったので、かなり気持ち良かった。

F:そう言えば、マークは日本に行く前にトヨタではバックサイド1080をやって優勝する、と言っていたけど。
M:そう思っていたんだけど、どういうわけか720以上のイメージが消えてしまったんだ。つまり、どうもそれ以上、動かないような感じになってしまった。これは日頃からの練習が足りなかったんだと思う。冬シーズン前に行われたスイスの大会では、バックサイド1080で優勝したけ
ど、まだもう1つ自分のモノにできていなかったんだと思う。実際、トヨタでもバックサイド720まではやったんだけど。
自分の中ではあの日、エーロ・エッタラが優勝に値すると思う。というのも彼はあの大舞台で、日頃やっていなかったスイッチバックサイド・ロデオやったんだ。僕もその技はできないし、だけどエーロはあの中でチャレンジした。
彼こそ勝者に相応しいと思ったよ。僕のエアーはきっと高さがあったから、そのへんの評価もあったんだと思う。

F:あの大会の様子をテレビで見たけど、マークはとても楽しんでいたね。日本人も平岡アキくんとか改めて凄いライダーだと思ったけど、全体的にシリアス過ぎると思った。
M:イエー、アキは良かったよ。予選で見せたスイッチバックサイド720は見事だったね。だけど、確かに日本人は全体的にシリアスだったように思う。結局、エンジョイしないといい結果なんてやって来ないのだから、もっとリラックスして楽しめるといいのだけど。

F:あの日、僕は自分のスノーボードキャンプで白馬に行っていたのだけど、ちょうどその大会を取材していた方から電話があって、マークが誰よりも高く飛んでいる様子を聞いていたんだ。キャンプに来ていたクラブ員にも大会で勝ち続けていることを伝えて、盛り上がっていたよ。
M:へえー、喜んでもらって光栄だよ。チャンスあったら、ぜひフサキのキャンプにも参加したいね。

F:マーク来たら超盛り上がるだろうなあ。ところでマーク疲れたでしょ? 遠征やら大会やらで。
M:うん、確かに疲れているかも。明後日からスゥエーデンに行く話もあるんだけど、正直迷っている。なんか、今、大切なのは一人でフリーランすることのような気がするんだ。ここのところ遠征でドタバタしていたから、何か気分的に自分をリセットしたくて。この家にいると落ち着くよ。特に鶏とペッカーとヘンを見ていると、ね。

F:そう言えば、気のせいかもしれないけど、マークは大会のゴールエリアで、鶏のアクションをやっていたように思うのだけど。
M:言われてみると、そうかも。大会中はエキサイトしているからよく覚えていないけど、自然に出たのかもしれないね。


(毎日、ペッカー、ヘンから生まれた卵を食べて栄養を蓄えるマーク。鶏たちとは愛ペットの関係だ)

F:ところでマークの必殺技フロントサイド1260を決めた背景どうだったの?
M:2年前からやろうと決めたいたんだ。世界でこの技を決める初めてのライダーはオレだって。その前にスイッチ540、720、900を習得して来た流れで、フロントサイド1260はできると感じていた。実際にできたのは一昨年のブラッコムでのパークで、最初はわけもわからずメイクしたという感じ。その後、オーストリアのエアー&スタイルで決めることができて、自分の技になったと実感した。

F:マークは、これからさらに進化あるビッグ・エアー技を見せてくれるの?
M:フサキが運が良ければ、そういう日も間近にお見せできるかも。

●インタビュー後記
この後、僕たちは世間話をして、またちょっとマークのライフ・ショットなど撮影して別れた。僕が家を出る時、「いつでも来てくれ!」と声を掛けたマークに改めてやさしさを感じた。マークとは浪人2からの撮影から続いている関係だけど、僕の意外に数少ない親しいライダーとなりつつあるようだ。常に周りに感謝し、周りを楽しますマーク。そして進化を止めないマーク・アンドレ・ターレはこれからもトップ街道を驀進するに違いない。

 

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